あの、めんどくさいんで隠居してもいいですか？( ´_ゝ`) ？～麗しの姫と怠惰な従者～

第10話 姫様と乳母

【御詫び】

第４話のジュリアの年齢表現を修正しました。すみません。

…………………………………………………………………………………………


ジュリアが５歳の時にも事件は起こった。

ジュリアは５歳の頃、

乳母であるターニャは、

ジュリアの侍女頭のような役割もするようになっていた。

しかし、ターニャが妊娠していることがわかり、

ターニャはジュリアを心配しながらも、

出産のために侍女の役割から一時的に外れることになった。

フィーも５歳になっていた。

フィーは生まれつきあまり覇気がない子供だった。

生まれた時から、

母親であるターニャは、

女神の生まれかわりといわれるジュリアの世話で忙しかったし、

父親はジュリアの周りで発生する事件の処理や、

将軍としての仕事で忙しかった。

それは致し方ないことであり、

フィーは幼いなりに空気を読んだのか、

寂しがったりもせず、

手がかからない子供だった。

フィーは基本的に食べ物があって、

寝ていられれば幸せといった雰囲気で、

暇さえあれば幸せそうに寝て過ごしていた。

ターニャがいなくなることをジュリアが非常に寂しがったので、

フィーはジュリアの遊び相手として、

常にジュリアの側にいるため、

城に住み込むようになった。

フィーはまだ５歳だったが、

自分の身の回りのことは既に一人でできるようになっていた。

父親もこまめに様子を見に来てくれていたし、

王宮に用意されたフィーの部屋のベッドはふかふかだったし、

何より王宮の食事もお菓子も美味しかったので、

フィーとしては特に文句はなかった。

何より不安げな顔をするジュリアを放っておけなかった。

ジュリアは大変賢くもあったので、

自分の周りの大人たちが、

自分を変な目で見てきたり、

自分のことでもめていることがわかり始めていた時期だった。

そんなジュリアにとって、

ターニャとフィーは数少ない信頼できる人物で、

その二人が側にいなくなってしまうことに耐えられなかったのだった。