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第20話 従者の笑顔
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「「ジュリア!!!」」
「「ジュリア様!!!」」
ジュリアの寝室の隣の部屋で医師達と相談していた国王たちは、
ジュリアの寝室から
ばぢゃーーーーーーー!!!
と大きな音がしたため、
慌ててジュリアの寝室に飛び込んだ。
国王たちが見たものは、
何か得たいの知れないネバネバした白い物質(ココの実の果肉)まみれになった、
フィーとジュリアだった。
国王夫妻と医師達はその状況が理解できず混乱したが、
バジリスク将軍は、
フィーの持っているハンマーと机の上のココの実の残骸を見て、
状況を即座に把握した。
「フィー………」
バジリスク将軍はその状況に脱力してうなだれた。
フィーはそんな大人たちには構わず、
自分の顔についたココの実の果肉をペロリと舐めると、
グッチャグッチャになったまま、
呆然とフィーを見つめているジュリアに言った。
「ひめさま、
グッチャグッチャになっちゃってごめんね。
けど、この実の皮は固いから、
毒を中に入れるのは無理だし、
今ひめさまの目の前で割ったし、
今フィーがなめてもフィーは不味いと思わないよ。
これはグッチャグッチャになっちゃったから、
また木に登って、
新しい実をとってくるよ。
今度はきれいに割るよ。
それでも嫌だったら、
どんな食べ物でも、
頑張ってとってくるよ。
だから、
だから、なんでもするから食べてよ。」
じゃないと、
とかげの丸焼きを口につっこむよとフィーは言った。
そういうフィーはいつもどおりの、
へらへらした笑顔だったが、
顔や手足は木からずり落ちたときにできた擦り傷だらけだったし、
眼には沢山の涙がたまって、
今にもこぼれ落ちそうだった。
「「ジュリア様!!!」」
ジュリアの寝室の隣の部屋で医師達と相談していた国王たちは、
ジュリアの寝室から
ばぢゃーーーーーーー!!!
と大きな音がしたため、
慌ててジュリアの寝室に飛び込んだ。
国王たちが見たものは、
何か得たいの知れないネバネバした白い物質(ココの実の果肉)まみれになった、
フィーとジュリアだった。
国王夫妻と医師達はその状況が理解できず混乱したが、
バジリスク将軍は、
フィーの持っているハンマーと机の上のココの実の残骸を見て、
状況を即座に把握した。
「フィー………」
バジリスク将軍はその状況に脱力してうなだれた。
フィーはそんな大人たちには構わず、
自分の顔についたココの実の果肉をペロリと舐めると、
グッチャグッチャになったまま、
呆然とフィーを見つめているジュリアに言った。
「ひめさま、
グッチャグッチャになっちゃってごめんね。
けど、この実の皮は固いから、
毒を中に入れるのは無理だし、
今ひめさまの目の前で割ったし、
今フィーがなめてもフィーは不味いと思わないよ。
これはグッチャグッチャになっちゃったから、
また木に登って、
新しい実をとってくるよ。
今度はきれいに割るよ。
それでも嫌だったら、
どんな食べ物でも、
頑張ってとってくるよ。
だから、
だから、なんでもするから食べてよ。」
じゃないと、
とかげの丸焼きを口につっこむよとフィーは言った。
そういうフィーはいつもどおりの、
へらへらした笑顔だったが、
顔や手足は木からずり落ちたときにできた擦り傷だらけだったし、
眼には沢山の涙がたまって、
今にもこぼれ落ちそうだった。
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