マシュマロ王子と無愛想な婚約者の前途多難な婚約破棄(-_-)

第34話 アレキサンダー

シャルロットに馬を見せる約束をしたアーノルドは、

お茶会が終わると、

馬小屋に急いだ。





「アレキサンダー！！！！」



自分の愛馬を見つけるとアーノルドはアレキサンダーに抱きついた。

アーノルドは小さい頃から馬が好きで、

剣術も走るのも苦手だったが、

乗馬だけは得意だった。

アーノルドは世話係に任せきりにせず、

自ら世話をするくらいアレキサンダーを可愛がっており、

何か嫌なことや悲しいことがあったり、

困ったことがあると、

アーノルドはよくアレキサンダーのところに来ていた。

綺麗な黒毛のアレキサンダーは

抱きついてくるアーノルドに

『どうしたどうした、

何があった？』とでも言うように、

鼻をフンフンさせてすり寄ってきた。

「アレキサンダー！

僕は死ぬかもしれない！」

アーノルドはアレキサンダーに向かって呟いた。

アーノルドはシャルロットの笑顔を見て、

顔が真っ赤になって、

心臓がドキドキして、

シャルロットが帰ってからも、

シャルロットのことを考えると、

心臓がどんどんドキドキしてきて、

自分は死ぬかもしれないと不安になって、

混乱したままアレキサンダーの元に来たのだった。

そんなアーノルドに、

アレキサンダーは『やれやれ困った坊やだ』とでも言うように、

優しくアーノルドにすり寄った。

アーノルドはアレキサンダーに抱きついて、

アレキサンダーの体温を感じていると、

だんだん心臓が落ち着いてきた。

「アレキサンダー、

今度僕の婚約者を連れてくるよ。

無愛想な子だけど、

一生懸命で、

お菓子を作るのが上手くて、

僕がワガママを言っても優しくしてくれる子だよ。」

だから仲良くしてねと優しく言って、

アーノルドはアレキサンダーにぎゅうっと顔を押し付けた。

アレキサンダーは

『やれやれ。わかったよ』とでも言うように、

アーノルドの頭をポンポンと鼻でつついた。