マシュマロ王子と無愛想な婚約者の前途多難な婚約破棄(-_-)

第57話 婚約者候補たち

国王陛下の親友でもある宰相の娘で、

公爵令嬢のシャルロットは、

婚約者の中でも当初は有力候補だった。

ジョージアの婚約者候補はシャルロットの他に、

シャルロットよりひとつ年下のマリアンナ、

シャルロットと同じ年のクリスティー、

そして、

シャルロットよりふたつ年上で、

ジョージアと同じ年のリーゼロッテだった。







マリアンナは側妃の姪だった。

側妃と正妃の仲が悪かったので少しでも和解の足掛かりになればという、

かすかな希望により選ばれた娘で、

本人は背が小さく、

非常に可愛らしい娘だったが、

ジョージアの母である正妃は、

側妃を嫌っていたため、

マリアンナのことも同様に敵視しており、

候補者の中でも可能性は低かった。





クリスティーはアドニア王国の国軍の将軍の家の娘で、

『文官の家ばかりではなく、

武官の家からも候補者を』という、

文武のバランスをとるために選ばれた娘だった。

本人は武官の家の娘らしく、

非常に男勝りで、

将来は騎士になると言って憚らず、

幼い頃から男装をしており、

可能性は微妙だった。







リーゼロッテはシャルロットの家と同じく、

公爵家の娘で、

正妃の縁戚でもあり、

シャルロットと同じくらい有力候補だった。

四人は幼い頃は一緒に遊んだりもしたが、

本人達が自分の立場を理解していくにつれ、

関係は複雑になっていた。

中でもリーゼロッテは自分こそがジョージアにふさわしいといい、

シャルロットを敵視していた。

シャルロットがジョージアの婚約者候補から外れる半年ほど前、

リーゼロッテのシャルロットに対する態度は急激に悪化した。