マシュマロ王子と無愛想な婚約者の前途多難な婚約破棄(-_-)

第71話 忠告

「アーノルド、

大丈夫か？」

駆け寄ってきたジョージアは、

固まったままのアーノルドに話しかけた。

「だ、大丈夫です…

ちょっとびっくりしただけで…」

アーノルドはまだドキドキしている心臓を押さえながら言った。

アーノルドの心臓はチキンハートである。


「…………アーノルド、

頼みがあるんだ……」

チキンハートのアーノルドをよそに、

ジョージアは真剣な顔で言った。

「？？

頼み？？」

「ああ、今度、

今度シャルロット嬢と一緒に遠乗りに行くんだろ？」

「？？

はい、一応……」

アーノルドはなぜジョージアがその事を知っているのか不思議だった。

アーノルドが答えると、

ジョージアはまたちょっと悲しそうな顔をして、

俯きながら言った。

「……アーノルド、

お前、シュナイデル公爵家のリーゼロッテを知っているか？」

「？？？

シュナイデル家の？？

確か兄上の婚約者候補の一人の？？」

アーノルドはリーゼロッテについては、

正妃様の縁戚の娘で、

ジョージアの婚約者候補の一人であるくらいしか知らなかった。

シュナイデル家は完全な正妃派であり、

側妃の息子であるアーノルドとリーゼロッテとは、

何かの会で顔を会わせたことはあるかもしれないが、

関わったことはないのは確実だった。

アーノルドがそう言うと、

「リーゼロッテが、

お前達が遠乗りに行くのを、

『面白そう』と言っていたんだ。

もしかしたら何かしてくるかもしれない……」

ジョージアは深刻な顔をして言った。


「？？？

面白そう？？

公爵家の令嬢が何をしてくるって言うんですか？」

一方何も知らない能天気なアーノルドの頭には疑問しか浮かばなかった。