42 / 77
2章 アルバイト開始
3
しおりを挟む
休憩室という名のジェード殿下たちの側近のみが使用を許された部屋にアンを案内した。
ここなら、シルビア王女やその取り巻き立ちに合わずに済む。アンが王宮に来ること自体、本当はあまりして欲しくない行為であるのだから。
あの方がいなくなれば、安心して王宮を歩けるというのに。
不思議そうに部屋を見渡しているが、必要最低限の物しか置いていないからだろう。
「さあ、お姫様。お座りください」
イスを引き、アンを座らせる。顔を真っ赤にしながら抗議してくるが、それが可愛らしい。
「アンは僕だけのお姫様だから」その言葉をふざけていると解釈されるのは、困るが家で同じことを言われていると告げられると何だか複雑な気分だ。
それでも、「…家族以外には言われていないよね?」と大事なところだけは聞く。もしも、他の男で同じことを言っている奴がいたら、僕はそいつのことを許せない。そして、社会的に抹消したいと思ってしまう。
それにしても、紙袋を大事そうに抱えているアンに対して疑問が浮かぶ。いつの間に、グラッチェなどに足を運んでいたのかと。
多分、ケイあたりに連れていかれたのだろうと思いながら聞いてみれば、「さ最近、お兄様に連れていかれたの。屋敷の中ばかりではなくて外出しろと言われて」と返答を受けるが、何処か違和感がある。
ケイが無理にアンを外に出すはずもない。それなのに、何故アンは嘘を吐くのだ。
アンに嘘を吐かれたという事実を認めたくないため「ケイなら言いそうですね」とだけ返す。
嘘を吐かれたことに落ち込みながらも、何かをしていなくては気がまぎれない。これから、アンが持ってきた物を食べるのなら、飲み物が必要だろう。
断りを入れ、廊下に迎えれば丁度いいところに顔見知りの侍女が歩いてきた。彼女になら、頼んでも大丈夫だろうと思いティーカップをふたつ用意してもらえるように頼む。
直ぐに用意してもらえるだろが、アンのために自身で振舞ってあげたいという欲に駆られ、彼女と途中までだがティーセットの準備をする。
部屋に戻れば、自由に動き回るアンが目に入り、先程までの感情が徐々に失われ可愛いという感情が溢れだしそうだ。
「アン、ここを気に入ってくれましたか」
「ああ、…はい」
笑いを耐えながらも。運んでもらったティーセットを受け取る。手が震えて、落としたら格好がつかないからと慎重に優雅に見えるようにする。
あの執務室で、何度もお茶の準備をさせられているから手元が狂うことは、まずない。
それにしても、運ぶことだけ頼んだというのに、何故まだ侍女はこの空間にいるのだ。言葉にはしないが「早く退出しろ」と、視線で訴えた。
程なくして、退出するが一瞬だがアンを睨んだ。それが、どうしても許せない。
女性の態度に敏感なアンのことだ。とても、気にしているに違いない。
安心させるつもりで、後ろから抱きしめる。
「僕のお姫様は、少しお転婆の様だから大人しく待っていてくれるかな?」
僕の温もり感じて、安心して欲しい。君には僕がついていると。
慣れないことをしたせいか、アンが床に座り込みそうになっているため、ぐっと腕に力を入れ引き寄せる。
「腰が抜けてしまったかな」
支えているためか、耳元で話し掛ければくすぐったいのか身を捩る。その行動がとても可愛らしい。
このまま可愛いアンを堪能するのもいいが、あまりふざけすぎると機嫌を損ねてしまう可能性もある。
そのため、抱き上げ近くにあったイスまで運び座らせれば、恥ずかしそうに顔を真っ赤に染め上げている。
これでは、此方まで恥ずかしく感じてしまうため、気を逸らそうと「すぐに、お茶を淹れるから待っていて」と声を掛け、お茶の準備をはじめることにした。
ここなら、シルビア王女やその取り巻き立ちに合わずに済む。アンが王宮に来ること自体、本当はあまりして欲しくない行為であるのだから。
あの方がいなくなれば、安心して王宮を歩けるというのに。
不思議そうに部屋を見渡しているが、必要最低限の物しか置いていないからだろう。
「さあ、お姫様。お座りください」
イスを引き、アンを座らせる。顔を真っ赤にしながら抗議してくるが、それが可愛らしい。
「アンは僕だけのお姫様だから」その言葉をふざけていると解釈されるのは、困るが家で同じことを言われていると告げられると何だか複雑な気分だ。
それでも、「…家族以外には言われていないよね?」と大事なところだけは聞く。もしも、他の男で同じことを言っている奴がいたら、僕はそいつのことを許せない。そして、社会的に抹消したいと思ってしまう。
それにしても、紙袋を大事そうに抱えているアンに対して疑問が浮かぶ。いつの間に、グラッチェなどに足を運んでいたのかと。
多分、ケイあたりに連れていかれたのだろうと思いながら聞いてみれば、「さ最近、お兄様に連れていかれたの。屋敷の中ばかりではなくて外出しろと言われて」と返答を受けるが、何処か違和感がある。
ケイが無理にアンを外に出すはずもない。それなのに、何故アンは嘘を吐くのだ。
アンに嘘を吐かれたという事実を認めたくないため「ケイなら言いそうですね」とだけ返す。
嘘を吐かれたことに落ち込みながらも、何かをしていなくては気がまぎれない。これから、アンが持ってきた物を食べるのなら、飲み物が必要だろう。
断りを入れ、廊下に迎えれば丁度いいところに顔見知りの侍女が歩いてきた。彼女になら、頼んでも大丈夫だろうと思いティーカップをふたつ用意してもらえるように頼む。
直ぐに用意してもらえるだろが、アンのために自身で振舞ってあげたいという欲に駆られ、彼女と途中までだがティーセットの準備をする。
部屋に戻れば、自由に動き回るアンが目に入り、先程までの感情が徐々に失われ可愛いという感情が溢れだしそうだ。
「アン、ここを気に入ってくれましたか」
「ああ、…はい」
笑いを耐えながらも。運んでもらったティーセットを受け取る。手が震えて、落としたら格好がつかないからと慎重に優雅に見えるようにする。
あの執務室で、何度もお茶の準備をさせられているから手元が狂うことは、まずない。
それにしても、運ぶことだけ頼んだというのに、何故まだ侍女はこの空間にいるのだ。言葉にはしないが「早く退出しろ」と、視線で訴えた。
程なくして、退出するが一瞬だがアンを睨んだ。それが、どうしても許せない。
女性の態度に敏感なアンのことだ。とても、気にしているに違いない。
安心させるつもりで、後ろから抱きしめる。
「僕のお姫様は、少しお転婆の様だから大人しく待っていてくれるかな?」
僕の温もり感じて、安心して欲しい。君には僕がついていると。
慣れないことをしたせいか、アンが床に座り込みそうになっているため、ぐっと腕に力を入れ引き寄せる。
「腰が抜けてしまったかな」
支えているためか、耳元で話し掛ければくすぐったいのか身を捩る。その行動がとても可愛らしい。
このまま可愛いアンを堪能するのもいいが、あまりふざけすぎると機嫌を損ねてしまう可能性もある。
そのため、抱き上げ近くにあったイスまで運び座らせれば、恥ずかしそうに顔を真っ赤に染め上げている。
これでは、此方まで恥ずかしく感じてしまうため、気を逸らそうと「すぐに、お茶を淹れるから待っていて」と声を掛け、お茶の準備をはじめることにした。
0
あなたにおすすめの小説
貴妃エレーナ
無味無臭(不定期更新)
恋愛
「君は、私のことを恨んでいるか?」
後宮で暮らして数十年の月日が流れたある日のこと。国王ローレンスから突然そう聞かれた貴妃エレーナは戸惑ったように答えた。
「急に、どうされたのですか?」
「…分かるだろう、はぐらかさないでくれ。」
「恨んでなどいませんよ。あれは遠い昔のことですから。」
そう言われて、私は今まで蓋をしていた記憶を辿った。
どうやら彼は、若かりし頃に私とあの人の仲を引き裂いてしまったことを今も悔やんでいるらしい。
けれど、もう安心してほしい。
私は既に、今世ではあの人と縁がなかったんだと諦めている。
だから…
「陛下…!大変です、内乱が…」
え…?
ーーーーーーーーーーーーー
ここは、どこ?
さっきまで内乱が…
「エレーナ?」
陛下…?
でも若いわ。
バッと自分の顔を触る。
するとそこにはハリもあってモチモチとした、まるで若い頃の私の肌があった。
懐かしい空間と若い肌…まさか私、昔の時代に戻ったの?!
夫「お前は価値がない女だ。太った姿を見るだけで吐き気がする」若い彼女と再婚するから妻に出て行け!
佐藤 美奈
恋愛
華やかな舞踏会から帰宅した公爵夫人ジェシカは、幼馴染の夫ハリーから突然の宣告を受ける。
「お前は価値のない女だ。太った姿を見るだけで不快だ!」
冷酷な言葉は、長年連れ添った夫の口から発せられたとは思えないほど鋭く、ジェシカの胸に突き刺さる。
さらにハリーは、若い恋人ローラとの再婚を一方的に告げ、ジェシカに屋敷から出ていくよう迫る。
優しかった夫の変貌に、ジェシカは言葉を失い、ただ立ち尽くす。
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
【完結】婚約者と養い親に不要といわれたので、幼馴染の側近と国を出ます
衿乃 光希
恋愛
卒業パーティーの最中、婚約者から突然婚約破棄を告げられたシェリーヌ。
婚約者の心を留めておけないような娘はいらないと、養父からも不要と言われる。
シェリーヌは16年過ごした国を出る。
生まれた時からの側近アランと一緒に・・・。
第18回恋愛小説大賞エントリーしましたので、第2部を執筆中です。
第2部祖国から手紙が届き、養父の体調がすぐれないことを知らされる。迷いながらも一時戻ってきたシェリーヌ。見舞った翌日、養父は天に召された。葬儀後、貴族の死去が相次いでいるという不穏な噂を耳にする。恋愛小説大賞は51位で終了しました。皆さま、投票ありがとうございました。
目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。
【完結】結婚式前~婚約者の王太子に「最愛の女が別にいるので、お前を愛することはない」と言われました~
黒塔真実
恋愛
挙式が迫るなか婚約者の王太子に「結婚しても俺の最愛の女は別にいる。お前を愛することはない」とはっきり言い切られた公爵令嬢アデル。しかしどんなに婚約者としてないがしろにされても女性としての誇りを傷つけられても彼女は平気だった。なぜなら大切な「心の拠り所」があるから……。しかし、王立学園の卒業ダンスパーティーの夜、アデルはかつてない、世にも酷い仕打ちを受けるのだった―― ※神視点。■なろうにも別タイトルで重複投稿←【ジャンル日間4位】。
亡き姉を演じ初恋の人の妻となった私は、その日、“私”を捨てた
榛乃
恋愛
伯爵家の令嬢・リシェルは、侯爵家のアルベルトに密かに想いを寄せていた。
けれど彼が選んだのはリシェルではなく、双子の姉・オリヴィアだった。
二人は夫婦となり、誰もが羨むような幸福な日々を過ごしていたが――それは五年ももたず、儚く終わりを迎えてしまう。
オリヴィアが心臓の病でこの世を去ったのだ。
その日を堺にアルベルトの心は壊れ、最愛の妻の幻を追い続けるようになる。
そんな彼を守るために。
そして侯爵家の未来と、両親の願いのために。
リシェルは自分を捨て、“姉のふり”をして生きる道を選ぶ。
けれど、どれほど傍にいても、どれほど尽くしても、彼の瞳に映るのはいつだって“オリヴィア”だった。
その現実が、彼女の心を静かに蝕んでゆく。
遂に限界を越えたリシェルは、自ら命を絶つことに決める。
短剣を手に、過去を振り返るリシェル。
そしていよいよ切っ先を突き刺そうとした、その瞬間――。
婚約破棄、ありがとうございます
奈井
恋愛
小さい頃に婚約して10年がたち私たちはお互い16歳。来年、結婚する為の準備が着々と進む中、婚約破棄を言い渡されました。でも、私は安堵しております。嘘を突き通すのは辛いから。傷物になってしまったので、誰も寄って来ない事をこれ幸いに一生1人で、幼い恋心と一緒に過ごしてまいります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる