ある雪の降る日に

喜市

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4話

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「先輩、あの…よっ、良かったら学校まで一緒に行きませんか?その、ここら辺あんまり慣れてなくて…。」

何言ってんの!?まじで!先輩だってこんなお願いめちゃくちゃ迷惑でしょ…。

つい、咄嗟に出た言葉がこれだった。

確かにここら辺の土地勘は皆無だし、先輩ともっと話したかったのはあるけど…。

「いいよ、もちろん。俺もその気だったし。」

…今なんと仰いましたか?
あぁ、この先輩神だ!こんなに気まづくなりそうな事口走ったのに「その気だった」なんて気の利いた言い回しまでしてくれるなんて! 

僕が感激(?)していると、先輩の方が口をひらいた。

「名前聞いてなかったね。俺はシヴァン。シヴァン・ディズリー。君の名前は?」

「僕、フレイ・ベレットーニです。ディズリーさんは何年生なんですか?」

「シヴァンでいいよ。俺は4年生だ。フレイ君の4つ上だね?」

そう言ってシヴァンさんは僕の頭をワシャワシャと撫でた。
僕の髪の毛が先輩の指に梳かれている感覚がする。

ちょっとびっくりしたけど、なんだか撫でられるのが嫌じゃないって言うか、むしろもっと…


ゴロゴロゴロ…

「…ふはっ、あははは!喉鳴ってるぞ。これが良かったのか?ほれほれ」

「!?」

えっ?えっ?嘘!こんなこと今じゃ滅多に起きなくなったのに。
耳までぺったんこで撫でられ待ちになってるの、結構恥ずかしい…。先輩はこんな姿見て幻滅していないだろうか。

こそっと顔を隠した指の間から先輩の様子を伺う。

あぁ、良かった。というかむしろ、全然気にしなくても良さそう?

まだ笑いながら僕のことを撫でている先輩が視界に移る。

眉がキュッとなって、困ったようで、それでいて大事なものを愛でるような…

あ、これは、

「…」

いや、そんなはずは無いけど…。
でも何故か、記憶の中のあの人にその笑顔が重なった。

『…ふはっ、ごめんごめん。大丈夫、絶対落としたりはしないから。』

そう言って困ったように笑うあの人と重なった気がした。

いや失礼か。今話してるのはこの先輩なのに、他の人を思い出すなんてな。
やめよう、こんな時にこの考え事なんて。

こんな考えを振り払うために、僕は先輩に声をかけた。


「シヴァン先輩、そろそろ行きましょう!これ以上撫でるのは、あっ、後にしてくださぃ…。」

だんだん言ってることが恥ずかしく思えてきて、顔が赤くなってしまう。

めっちゃ撫でて欲しいやつみたいじゃん!そんなんじゃないよ、別に…?

先輩もなんか呻いて顔背けてるし、、
なんか言ってよ!



ぎこちない雰囲気のまま、僕らは学園に向けて歩き出した。
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