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9、変態は何をしても変態です。
しおりを挟む「…こんな感じでしたね。」
「「「「………………」」」」
案の定、俺の中で1番と2番目くらいに嫌だった事件を述べたところ、周りの人たちは黙った。
好奇心でいっぱいだった瞳には同情が浮かんでる。
いや、なにこれ。泣きたいんだけど。
「他にもバレンタインの日にもらったチョコやら手紙やらを中庭で燃やされたり、俺にちょっと悪口言ったやつが次の日震えながら俺に土下座してきたり、俺のパンツが…もがっ」
「もういい!!もういい!!」
ドン引きした様子の部員さんが俺の口を手で覆った。
「………苦労してきたんだな……」
「……そう思うなら、誰かあの人たち止めてくれません?もうこの際、色仕掛けでも犯罪紛いなことでもいいんで。」
そう言うと引きつった顔をされた。
……切実に泣きたい。
「なーに?お兄ちゃんの話?」
「恭が俺を呼んだ気がするんだけど」
「誰も呼んでねぇ…。」
俺の背後からニョキッと現れた2人に俺は頭を抱える。
「2人とも試合は。」
「終わったー。俺の勝ち」
「俺が途中で恭のこと見てなかったら絶対俺が勝ってたし。洸はたまたまシュートが多く入っただけだし。」
「うわぁ。恭、今の聞いた?負け犬の遠吠えー」
「はぁ?!」
ニコニコしながら煽る洸にぃに、まんまとそれに乗っかる悠にぃ。
「恭。俺勝ったからご褒美ちょうだい」
「あはは。寝言は寝て言え」
洸にぃの言葉に乾いた笑いを出して拒否る。
こういう"冗談"は流すのが1番。
「ほら、次の試合!!1年と2年はチーム作り終わってんだろーな!」
田中さんの声で動き出した部員に乗じて俺も試合に出る。
「…………なんで洸にぃと悠にぃがいんの。」
「恭が出るのに、見てるわけにいかないでしょ」
「…………。……出てけ!!」
意味の分からないことを言う2人をコートから追い出してゲームを始める。
ゲーム中も終始外野がうるさかったので集中できなかった。
まぁ、それはみんな同じようで、なんとも居た堪れない気持ちになった。
「ちょ、兄さんたちうるさい!!」
「「頑張れ~」」
………まじで一旦◯ねばいいのに!!
部活終了後、周りの人に謝りまくった。
「いいよいいよ。1番大変なの東雲弟だし。」
「しょうがないよね~」
「あれは誰にもどうにもできないわ…」
「うん。もう手遅れだよね…」
みんな安定の優しさだった。
「なんかあったら相談に乗るよ。……俺らが殺されない程度で。」
とか言ってくれる人もいて泣きそうになったけど、殺されない程度って言ったら特に相談に乗ってもらうこともない。
だって、あいつらに女の人紹介してくれって頼んでもどうせ断られるし。
「さー。恭、帰るよ」
って言われて謝ってる途中に体育館から引きずり出されたけど。
「今日の晩ご飯は何がいい?」
帰り道、とてつもない疲労に襲われている俺に洸にぃが顔を覗き込みながら聞いてきた。
「肉!!」
「お前に聞いてない。ね、恭何がいい?」
「……肉がいい」
「じゃあ鶏肉買って帰って、バターソテーにでもするか。」
「……うん。」
こういうとこだけ見ると、"いいお兄ちゃん"なんだけど……
「恭の精がつくようなご飯作らなきゃね。」
「ご飯食べた後は一緒にお風呂入って夜の運動しような」
………前言撤回。
やはり兄は兄である。
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