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12、慣れって怖いね
しおりを挟む「だから!ヤんないって言ってんだろーが!!」
毎朝恒例のケツ穴争奪戦に一言で終止符を打って家を飛び出す。
まだ後ろから追ってくる気配はないので早歩きで学校へ向かう。
家からは近いので毎朝徒歩で通っている。
いや徒歩じゃなくて全力疾走だけど。
「恭ー。まってー」
あいつらのせいでな。
あいつらに捕まったら最後、教室まで手を繋がれるのがオチ。
手を繋がれるくらい我慢しろって?
冗談じゃない。それを学校中に見られながら歩けるほど俺は図太くない。
兄さんたちは牽制だとか何とか言ってるけどマジでやめてほしい。
そんなことを思いながら俺は今日も学校まで走るのだった。
そっちの方が目立っているとも知らずに。
「すいませんっした!!」
「………」
ただ今絶賛無視中である。
教室のドアを開けたらすぐそこにトモが土下座して待っていたので扉を閉めて後ろから入ったのだ。
ホームルームまであと5分。
かれこれ10分はトモの弁解が流れている。
「いやほんと怖いんだって。あそこで断ったら俺、殺されてるよ?!いいの?!親友が兄貴に殺されるんだよ?!」
「………………そのまま死ねば良かったのに…」
スマホをいじりながら思わず心の声が漏れた。
「ひどいっ!!でも俺だってスイーツ食べに行きたかったんだよ?!おにーさん説得してよ!俺じゃ無理だから!」
「……」
「お願いだから無視はやめてぇぇぇ」
「恭!!おはよー!!」
「あ、サクヤ。おはよ」
横からスライディングで抱きついてきたサクヤは大きな目をくりっとさせて俺を下から覗き込んできた。
相変わらずかわいい。
金髪に近い茶髪は地毛らしく、ふわふわで小さい顔に大きな目。
そこら辺の女子より可愛い。
「なんか朝からトモの声みたいな空耳が聞こえるんだけど、うるさいね!消えてくんないかなっ」
性格は結構…アレだけど。
「待って?!サクヤまで俺を無視?!泣くよ?俺泣くよ?!」
「…うっざ。ゴキブリ並みに消えて欲しいんだけど」
今の聞きましたでしょうか皆さん。
かわいく笑ったサクヤの口から俺より低い声で毒が吐かれました。
まぁこう見えて俺らは仲良いんだけどね。
「恭ちゃんんんん!お願い許してぇぇ…俺無視されたら生きてけない…おにーさん絡みのことじゃなければなんでもするからぁ…」
「おーい。そこの東雲に抱きついてる2人ー。自分の席に戻れ~」
いつの間にかチャイムが鳴って担任が教壇に立っていた。
「嫌ですぅぅぅ。恭ちゃんが許してくれるまで離れないぃぃぃ!!」
「そうかー。じゃあ織本ー、席戻れ~」
「今恭を充電中なんで無理でーす。昨日摂取できなかった分まで補わなきゃならないのでー。」
「そうかー。欠席はいないな。じゃあ今日も一日頑張れよー。」
出席簿を書きながら俺に抱きつく2人に一応一回は呼びかける。
結局離れないから先生も諦めてるっぽいけど。
こういう日が週に何回かあって、周りも先生も慣れたらしい。
「あ、山本、あいつらが授業中でもあんなんだったら教科の先生に事情を説明してなー。」
「はーい。」
「できたら引き剥がせー。」
「それは無理でーす。」
こいつらは、特にサクヤはこうなると気が済むまで離れない。
最初、俺も引き剥がそうとしたけど吸盤でもついてんのかってくらい引っ付くからめんどくさくてそのままにしてる。
サクヤは小柄で軽いから移動もくっついたままでも大丈夫だし。
トモの方は移動とかは俺の服の裾を掴んで離さなくなる。
なんかもう幼児を2人相手にしてるみたいだけどもう慣れた。
慣れって怖い。
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