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32、小学生の頃って好きな人に順位付けたことあるよね。
しおりを挟む「東雲 洸です。よろしくね」
「悠です。」
引っ越したデカい家の玄関で待ってたのは小学生くらいの男の子。
と言っても俺よりデカかったから男の子って言い方は失礼かもしれない。
いや、実際はそんなこと考えてる暇もないくらいテンパってたわけだけど。
「え…あ、東雲になります、恭です。小3です。」
慌てて頭を下げてそれから隣にいる母さんの方を見る。
いや、聞いてないんだけど?誰?!
「かーさん……」
「ん~?あぁ、恭ちゃんに言ってなかったんだっけ~。今日から洸くんと悠くんはお兄ちゃんになるのよ~」
「は?!」
いやいやいや………お兄ちゃん?!
一回も食事会来てないよね?!
1人動揺している俺を差し置いて3人は「2人ともイケメンさんね~」「お義母さんもお綺麗です」「やだ~」なんて会話をしてる。
知らなかったの俺だけかよ。
この時俺は正直嬉しかった。だって憧れの兄弟だったから。
俺も友達みたいにこの2人と遊んだりするのかなぁ、なんで呑気に考えていた。
たぶんこういう思考は母さん譲りだわ。
現実にはそう上手く行くわけもなかったんだけど。
まず、通い慣れた小学校は引っ越しに伴い転校。兄さんたちと同じ学校に通うことになった。
そして両親2人が結婚してフランスへ行くことが判明。しかも当日に。
「ちょっと行ってくるわ~」的なノリで言われたので危うくサラっと流すところだった。
できた兄さんたちとは挨拶程度にしか話してないし、気づいたら両親はお空の上だし。
兄さんたちと遊んで欲しくてこっそり2人のことを見たり恥を忍んで誘ったりしている。
誘えば一緒に遊んでくれるし、教えを乞えば勉強だって教えてくれる。
でも2人は2人だけの独特の空気があるようでやっぱり入りづらい。
一緒に住むようになってから、2人が天才なるものだって知って、憧れたけど遠く感じた。
学校に行く時だって俺は2人の後をちょこちょこ付いていくだけ。
さらに憂鬱なことに、一応東雲兄弟の仲間入りをしたので、小学校の休み時間ごとに色々な人が兄さんのことを聞いてくる。
ちょっとの優越感とそれからとてつもなく惨めになる。
だって兄さんたちのことなんて何も知らないから。
逆に2人の噂を聞かされることの方が多くて、泣きたくなる。
会話なんて挨拶と事務連絡と、たまに遊ぶときのぎこちない会話だけ。
もしかしたらクラスメイトの方が話してるんじゃなかろうか。
「ねぇねぇ、恭くん!お兄さんたちってどんな女の子が好きか分かる?」
ほら、今日も絶えずに女の子たちが同じことを聞きにくる。
「分かんないなぁ。」
「そっか……」
あからさまにガッカリされてこちらも気分が落ち込む。
それに、話題がどうであれ俺が女の子に喋り掛けられるのが気に食わないらしい男子たちは俺のことを睨むように見てくる。
俺、何もしてないのに。
おかげさまで友達ができないままの日々を送っている。
寂しくて母さんに電話をかければショッピングで切られるし。
普通ならここで寂しくて泣く。
いや俺もちょっと泣いちゃったけどそれどころじゃなかった。
俺は寂しいを通り越して怒りが湧いてきたのだ。
だって俺悪くないじゃん!!
結婚してなんか引っ越さなきゃなんなくなって、周りの人間関係全部やり直しだわ、両親は育児ほっぽり出してフランスに赴任しに行くわ、女子から話しかけられて男に嫌われるわ……
全部外的要因!!
俺悪くない!
一度考え始めると止まらなくて、母さんたちがフランスへ旅立ってからちょうど1ヶ月後、俺は悟りを開けるようになった。
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