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38、疲れた時は糖分補給!
しおりを挟む「んん………やっぱりなんでも似合うわ!ちょっと浩輔さん!倉庫にある服も持ってきて!」
俺が着替えてる間に来たらしいサクヤのお母さんのマネージャー?がニコニコしながら服を抱えてくる。
「………あれ、パパだよ」
写真を撮られてる俺の横でサクヤがぼそっと呟いた言葉に驚いた。
「マジで?…マネージャーさんかと……」
「マネージャーだからね。お母さんの尻に敷かれてる」
「あぁ……」
なんとなく分かった。
お母さんの方は意志の強そうなキリッとした顔つきをしていてなんか……うん、強そう。
反対にお父さんの方は優しそうな顔で穏やかそうだ。
「恭くん!次こっち!!」
うん。あの、最初に着替え始めてすでに2時間が経過してるんですけども。
トモなんて飽きてさっきからずっとゲームしてるし。
疲労が溜まっていくのを感じつつ、手に取った洋服を着ていく。
もう何着目だろう…
「あっ!着替え終わった?!いいわねぇ…やっぱりイケメンは原点に戻ってジーンズに白Tシャツも捨てがたいわよね!アレンジも効くし…普段着ならこういうのの方がいいわね!じゃあ次は…」
「江梨子さん、そろそろ解放してあげないと…。この子たちも遊びに行くんだろう?」
4時間くらい経ったところでサクヤ父が止めに入ってくれた。
「あら、もうそんな時間?でもまだ着て欲しい服があるのよー……」
「また来て貰えばいいじゃないか。恭くん、これにサインしてくれないかな」
んん?
ニコニコと差し出された紙を覗き込むと、『専属モデル契約書』的な内容が。
………いや、ずる賢いというか強引というか…やっぱサクヤの父さんだわ……
「いや、あのすみません…そういうのは……」
「大丈夫大丈夫。そんなに仕事ないし(たぶん)」
「パパ!やめてよね!恭のカッコよさが世界に広まったらどうしてくれんの?!モデルになったら僕と遊ぶ時間が減っちゃうでしょ!!」
理由はよく分かんないけどよく言った!!
俺にモデルなんて絶対無理だし向いてない。やるつもりさらさらないけどな。
「もう!スイーツバイキング行くからね!この服もらうよ!」
「ぇぇ…待ってぇ…まだ着てもらいたい服がぁ…」
まるでゾンビのように叫んでるお母さんとあーあ、という顔をしているお父さんを置いて俺とサクヤは家を出た。
途中でトモを置いてきたのを思い出した。
悪気はなかったんだ。すまん。
電話すると半ベソをかきながらスイーツバイキングの場所に向かって歩いてるらしい。
『なんで俺を置いてくんだよぉ……気づいたら誰もいないし…ひどいっ』
「ごめんて。マジでお前泣きながら歩いてたらただの変質者だから泣きやめ。」
『俺寂しかったんだぞっ』
「分かった分かった。待ってるからはよ来い」
『ひどぃぃぃぃぃ』
最後に叫んだトモは俺が何か言う前にブツっと電話を切った。
…1人だと寂しいって……兎かよ……
現在ポロポロと泣きながら走ってこちらに向かっているであろうトモを想像して吹き出した。
「トモ、泣いてた?」
「うん。ひどぃぃぃぃぃって言って切られた。たぶん今こっちに向かってんじゃね?」
「寂しがり屋さんだねぇ」
トモが来るまで約15分。
その間に色々な人に声をかけられた。
いや服パワー凄くね?
まぁそのたびに俺が声を出すより先にサクヤがバッサバッサ切り捨てて追い返してたんだけど。
サクヤ曰く、
「ああいうのについて行ったら、恭なんてすぐに食べられちゃうんだからね!」
らしい。
いや、女もいたのに食べられるわけねぇやん、とは言えない。
どうやら朝の一件でプリプリしてるらしいサクヤはそっとしておくのが一番だ。
「恭ちゃぁぁぁぁぁん」
「あ、トモ来た…んぐっ」
ラグビー選手もびっくりするタックルをかまされて危うく朝食べたものが逆流しそうだった。
「ちょ、トモ…痛い痛い痛い。締めつけんな。吐く」
「ぎょうぢゃんっざみじがっだ!!」
「うわ汚っ」
「分かった。分かったから顔を拭け!!」
もしかしたら兎よりも寂しがりやかもしれないトモは俺の渡したハンカチで顔を拭いている。
てかこいつ家に帰る時とか帰った後ってどうしてんだよ。
「ほら、早くお店入ろ!!」
「ゔんっ」
…………早く糖分補給したい…
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