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――どうしてこんなことに。
頭がクラクラして、まともな思考ができない。ぼうっとしながらルークを見ると、さらにその瞳に劣情が宿ったのが見えた。
「天使様とこんなことできるなんて、夢みたいです……」
ルークはうっとりと呟くと、僕の服に手をのばす。
その瞬間はっとして、今後こそ身をよじり、抵抗しようとする。
「ま、待って、なんでこんなこと」
僕の抵抗も空しく、纏っていた衣服は剥がされ、上半身が露出した。
ルークはそっと指先で僕の鎖骨をなぞり、首筋に顔をうずめる。
くすぐったさに戸惑っていると、突如として薄い皮膚に吸い付かれ、そこからゾクゾクとした感覚が走った。
僕の存在を確かめるかのように、腹部を優しく手で触れながら、時には肌に吸い付かれ、胸の突起を舌先で撫でられる。
「は……、あッ……」
溢れ出した声に引き寄せられるように、ルークが再び口づけを落とした。
段々と力が抜けてくる。それに気づかれたのか――ルークの手が下へと降りてきて、残っていた部分の服を脱がされた。
下半身も晒され、ルークの手が僕の陰茎を包み込むように触れた。
「あ……、やめ……!」
「あれ……ここ、ちょっと固くなってますね。俺に触られて、感じちゃったんですか?」
「ち、ちが……」
最初は優しく、段々と激しく指の腹で擦り上げられると、先走りが滲み出してしまう。
それをわざと塗り付けるように亀頭部分も愛撫され、刺激に身体が打ち震える。
「あっ……ん、んっ……ぁ」
「天使様、かわいい……一度イっても良いですよ」
――快感がせり上がってくる。
容赦なく上下に激しく擦られ、濡れた水音が響く。
「ァ、もう、ダメ、――……っ!!」
その刹那、頭が真っ白になった。
ビクッと身体が跳ね、ルークの手のひらにあっけなく精を吐き出す。
「…………は……」
……僕は吐精後の弛緩した身体を、床に預ける。
恥ずかしさといたたまれなさで、ルークの方を見ることができない。
ルークは相変わらず、蕩けるような視線で僕を見つめている。
僕は、ルークの視線から逃げるように、顔を横に向けた。
――しかしその瞬間、僕は目を疑った。
真っ白だった自らの羽の先端が、黒く染まり始めていたのだ。
「えっ……なに、これ……」
天使の羽が黒く染まる――それは、堕天しかけていることを表していた。
その刹那、脳裏によぎったのは、かつてルークが読み上げてくれた本の一節。
“中には人間と身体を交わらせ、堕天してしまった天使もいたようです”
――まさか。ルークは僕を堕天させようと……?
バッとルークを見ると、うっとりと嬉しそうな笑みを湛えていた。
僕が何かを言うより先に、ルークは僕の耳元で囁く。
「天使様、ごめんなさい。許してくれとは言いませんから……あなたの全部を、俺にください」
「えっ……?」
ルークは僕の膝を立たせると、白濁塗れになった自らの手を……僕の後孔へと寄せた。
再び抵抗をするにも、ぐったりとした身体ではうまく力が入らない。
「あっ、ルーク、そこは……っ」
後孔を中指で優しく撫でるようにしてから、つぷっと指を潜り込ませる。
「天使様、痛くないですか……?」
――強引な行為のはずなのに、いたわるような優しい声に、頭が混乱する。
甘い響きに、僕の思考までも溶かされていくような気がした。
「い、痛く……ない……」
「……良かった」
ルークは美しく微笑むと、僕の指をさらに奥へ押し進めた。
何かをまさぐるような動作に少し戸惑っていると、指の腹がある一点を掠めた途端、ゾクッとした感覚が全身を駆け巡った。
「――あッ!」
僕の反応を楽しむかのように、続けてそこを指で撫でられる。
断続的に続く快楽に、声が抑えきれない。
「んッ、そこっ……だめ、だってッ」
「そんなこと言って……腰、揺れてますよ? 指も、もう三本入っちゃいましたね」
気が付けば、僕の後孔はルークの指をすっぽりと飲み込んでいた。
「そろそろいいかな」
ルークはそう言うと、自らの陰茎を露出させ、熱くなったそれを僕の後孔へ当てる。
思わず力んでしまった僕の様子を察したのか、再び僕の亀頭部分に触れて、擦り始めた。
敏感な部分を愛撫され、ビクビクと震える身体。
そこへの刺激へ意識が集中し、力が抜けた瞬間を見計らって――彼のものが一気に僕の中へ入ってきた。
「ン、あぁッ――!」
異物感と衝撃に身体がのけ反る。逃さないとばかりに腰を押さえつけられ、容赦なく責め立てられる。
「はッ、アァ、ゃ、んんッ!」
「天使様のナカ、ぐちゃぐちゃで、気持ちいいです……ッ!」
「い、いわなぃ、でッ」
古びた二人きりの教会に、ぐちゅぐちゅという水音と、僕の喘ぎ声が響く。
神様に祈りを捧げる場所で、幼いルークと出会った場所で――こんな淫らな行為をしている。
背徳感が這いあがり、それすらも快楽へと変換されてしまう。
「あぁ、天使様! 愛してます……ッ! ずっと会いたかった……っ」
ルークは激しい律動を止めないまま、僕の顎を優しく掴み、強制的に自らの方へ向けさせる。
ドロドロとした視線が混ざり合い、そして視界の隅に……真っ黒な羽が舞っているのが見えた。
「ルー、ク……、あッ――、ぼく、天使じゃ、なくなっちゃう……!!」
熱に溶かされた思考と潤んだ視界で必死に懇願するが、途端に、ルークのモノが一層大きくなる。
「あぁ、はァ、そうですよ、天使じゃ、なくなってしまえばいいんです……っ!
あなたは、俺の……!!」
一番奥を激しく突かれ、快感が駆け上り、頭がチカチカする。
「んッ、だ、だめ、ルーク、アァ、いッ、イっちゃ」
「は、はァ、おれも……ッ、いっしょに――」
「ンッ――あ、あああアァ!!」
視界が、爆ぜた。
――絶頂に達した僕の中で、ルークの熱い精が放たれたのを感じる。
ルークが自らのモノを引き抜くと、僕の後孔からどぷりと精液が溢れ出した。
――快楽の余韻と気怠さに、全身の力が抜ける。
ルークはそんな僕の上半身を優しく抱き起こすと、真っ黒になった羽にそっと触れる。
こんな状況なのに、僕の羽を真っ白できれいだと言ってくれた、幼い頃のルークを思い出した。
「俺のせいで完全に羽、真っ黒になっちゃいましたね。でも、すごくきれいです。天使様……」
ルークの瞳の奥には、あの頃とは違う、執着と欲望の色が宿っている。
しかし同時に、僕が今まで見たことがないくらいに……ルークは幸せそうな笑顔を浮かべていた。
僕はルークの頬に手を添え、掠れた声で告げる。
「……ミア、って呼んで」
「――えっ?」
「僕の名前。もう、天使じゃないから」
――僕は、ルークのせいで堕天したというのに。
彼の幸せそうな笑顔をみた瞬間、全てを許し、受け入れてあげたくなった。
「会いたかったのは、君だけじゃないよ。
僕だって、ずっとここで見てたんだ。
……今まで、よく頑張ったね。ルーク」
ルークは目を見開くと、少し泣きそうな表情をして、僕を強く抱きしめる。
「ミア……」
ルークが、初めて僕の名前を呼ぶ。
切実なその声に、じんわりと温かな気持ちが込み上げた。
胸いっぱいに広がる感情。
……もしかしてこれが、人間が言う「愛している」という感情なのかもしれない。
僕はルークの腕に抱かれながら――出会った頃のように、彼の頭を優しくなでた。
頭がクラクラして、まともな思考ができない。ぼうっとしながらルークを見ると、さらにその瞳に劣情が宿ったのが見えた。
「天使様とこんなことできるなんて、夢みたいです……」
ルークはうっとりと呟くと、僕の服に手をのばす。
その瞬間はっとして、今後こそ身をよじり、抵抗しようとする。
「ま、待って、なんでこんなこと」
僕の抵抗も空しく、纏っていた衣服は剥がされ、上半身が露出した。
ルークはそっと指先で僕の鎖骨をなぞり、首筋に顔をうずめる。
くすぐったさに戸惑っていると、突如として薄い皮膚に吸い付かれ、そこからゾクゾクとした感覚が走った。
僕の存在を確かめるかのように、腹部を優しく手で触れながら、時には肌に吸い付かれ、胸の突起を舌先で撫でられる。
「は……、あッ……」
溢れ出した声に引き寄せられるように、ルークが再び口づけを落とした。
段々と力が抜けてくる。それに気づかれたのか――ルークの手が下へと降りてきて、残っていた部分の服を脱がされた。
下半身も晒され、ルークの手が僕の陰茎を包み込むように触れた。
「あ……、やめ……!」
「あれ……ここ、ちょっと固くなってますね。俺に触られて、感じちゃったんですか?」
「ち、ちが……」
最初は優しく、段々と激しく指の腹で擦り上げられると、先走りが滲み出してしまう。
それをわざと塗り付けるように亀頭部分も愛撫され、刺激に身体が打ち震える。
「あっ……ん、んっ……ぁ」
「天使様、かわいい……一度イっても良いですよ」
――快感がせり上がってくる。
容赦なく上下に激しく擦られ、濡れた水音が響く。
「ァ、もう、ダメ、――……っ!!」
その刹那、頭が真っ白になった。
ビクッと身体が跳ね、ルークの手のひらにあっけなく精を吐き出す。
「…………は……」
……僕は吐精後の弛緩した身体を、床に預ける。
恥ずかしさといたたまれなさで、ルークの方を見ることができない。
ルークは相変わらず、蕩けるような視線で僕を見つめている。
僕は、ルークの視線から逃げるように、顔を横に向けた。
――しかしその瞬間、僕は目を疑った。
真っ白だった自らの羽の先端が、黒く染まり始めていたのだ。
「えっ……なに、これ……」
天使の羽が黒く染まる――それは、堕天しかけていることを表していた。
その刹那、脳裏によぎったのは、かつてルークが読み上げてくれた本の一節。
“中には人間と身体を交わらせ、堕天してしまった天使もいたようです”
――まさか。ルークは僕を堕天させようと……?
バッとルークを見ると、うっとりと嬉しそうな笑みを湛えていた。
僕が何かを言うより先に、ルークは僕の耳元で囁く。
「天使様、ごめんなさい。許してくれとは言いませんから……あなたの全部を、俺にください」
「えっ……?」
ルークは僕の膝を立たせると、白濁塗れになった自らの手を……僕の後孔へと寄せた。
再び抵抗をするにも、ぐったりとした身体ではうまく力が入らない。
「あっ、ルーク、そこは……っ」
後孔を中指で優しく撫でるようにしてから、つぷっと指を潜り込ませる。
「天使様、痛くないですか……?」
――強引な行為のはずなのに、いたわるような優しい声に、頭が混乱する。
甘い響きに、僕の思考までも溶かされていくような気がした。
「い、痛く……ない……」
「……良かった」
ルークは美しく微笑むと、僕の指をさらに奥へ押し進めた。
何かをまさぐるような動作に少し戸惑っていると、指の腹がある一点を掠めた途端、ゾクッとした感覚が全身を駆け巡った。
「――あッ!」
僕の反応を楽しむかのように、続けてそこを指で撫でられる。
断続的に続く快楽に、声が抑えきれない。
「んッ、そこっ……だめ、だってッ」
「そんなこと言って……腰、揺れてますよ? 指も、もう三本入っちゃいましたね」
気が付けば、僕の後孔はルークの指をすっぽりと飲み込んでいた。
「そろそろいいかな」
ルークはそう言うと、自らの陰茎を露出させ、熱くなったそれを僕の後孔へ当てる。
思わず力んでしまった僕の様子を察したのか、再び僕の亀頭部分に触れて、擦り始めた。
敏感な部分を愛撫され、ビクビクと震える身体。
そこへの刺激へ意識が集中し、力が抜けた瞬間を見計らって――彼のものが一気に僕の中へ入ってきた。
「ン、あぁッ――!」
異物感と衝撃に身体がのけ反る。逃さないとばかりに腰を押さえつけられ、容赦なく責め立てられる。
「はッ、アァ、ゃ、んんッ!」
「天使様のナカ、ぐちゃぐちゃで、気持ちいいです……ッ!」
「い、いわなぃ、でッ」
古びた二人きりの教会に、ぐちゅぐちゅという水音と、僕の喘ぎ声が響く。
神様に祈りを捧げる場所で、幼いルークと出会った場所で――こんな淫らな行為をしている。
背徳感が這いあがり、それすらも快楽へと変換されてしまう。
「あぁ、天使様! 愛してます……ッ! ずっと会いたかった……っ」
ルークは激しい律動を止めないまま、僕の顎を優しく掴み、強制的に自らの方へ向けさせる。
ドロドロとした視線が混ざり合い、そして視界の隅に……真っ黒な羽が舞っているのが見えた。
「ルー、ク……、あッ――、ぼく、天使じゃ、なくなっちゃう……!!」
熱に溶かされた思考と潤んだ視界で必死に懇願するが、途端に、ルークのモノが一層大きくなる。
「あぁ、はァ、そうですよ、天使じゃ、なくなってしまえばいいんです……っ!
あなたは、俺の……!!」
一番奥を激しく突かれ、快感が駆け上り、頭がチカチカする。
「んッ、だ、だめ、ルーク、アァ、いッ、イっちゃ」
「は、はァ、おれも……ッ、いっしょに――」
「ンッ――あ、あああアァ!!」
視界が、爆ぜた。
――絶頂に達した僕の中で、ルークの熱い精が放たれたのを感じる。
ルークが自らのモノを引き抜くと、僕の後孔からどぷりと精液が溢れ出した。
――快楽の余韻と気怠さに、全身の力が抜ける。
ルークはそんな僕の上半身を優しく抱き起こすと、真っ黒になった羽にそっと触れる。
こんな状況なのに、僕の羽を真っ白できれいだと言ってくれた、幼い頃のルークを思い出した。
「俺のせいで完全に羽、真っ黒になっちゃいましたね。でも、すごくきれいです。天使様……」
ルークの瞳の奥には、あの頃とは違う、執着と欲望の色が宿っている。
しかし同時に、僕が今まで見たことがないくらいに……ルークは幸せそうな笑顔を浮かべていた。
僕はルークの頬に手を添え、掠れた声で告げる。
「……ミア、って呼んで」
「――えっ?」
「僕の名前。もう、天使じゃないから」
――僕は、ルークのせいで堕天したというのに。
彼の幸せそうな笑顔をみた瞬間、全てを許し、受け入れてあげたくなった。
「会いたかったのは、君だけじゃないよ。
僕だって、ずっとここで見てたんだ。
……今まで、よく頑張ったね。ルーク」
ルークは目を見開くと、少し泣きそうな表情をして、僕を強く抱きしめる。
「ミア……」
ルークが、初めて僕の名前を呼ぶ。
切実なその声に、じんわりと温かな気持ちが込み上げた。
胸いっぱいに広がる感情。
……もしかしてこれが、人間が言う「愛している」という感情なのかもしれない。
僕はルークの腕に抱かれながら――出会った頃のように、彼の頭を優しくなでた。
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