【短編】美形魔王の重過ぎる溺愛 R18

蓮恭

文字の大きさ
3 / 4

後編

しおりを挟む
 ファブリスの命に従順に従うサーシャは、ゆるゆると起き上がって寝台の上にぺたりと座る。そして寝台に膝をついて立つファブリスの下履きを緩めて、禍々しいほどの勃ち上がりを見せる太い杭を取り出した。
 それを真っ赤な舌で優しく舐めたり、口いっぱいに頬張ったりして愛撫するサーシャを、ファブリスはあまり感情の見えない顔で見下ろす。しかしそのうち上半身が破れたサーシャの衣服を剥ぎ取るようにして裂くと、そこにふるんと現れた真っ白で形の良い尻を強く掴んだ。

「や……ぁん……っ」
「手を止めるな」
「ふぁ……い、けど……そこ、触られると……」

 尻から太ももに手を滑らせるファブリスに、サーシャは思わず奉仕を中断する。

「サーシャ、止めるな」

 そう言うと思い切り腰を突き出したファブリスの杭がサーシャの喉奥へぶつかった。苦しげに涙を流すサーシャは、それでも恍惚の表情で舌を懸命に絡ませている。

「んん……っ!」

 そのまま何度も激しく抽送するファブリスの切っ先は、サーシャの喉奥にある柔らかな粘膜を犯した。苦しそうにしつつも喉奥まで感じる熱い昂りに喜ぶサーシャは非常に淫靡だった。何度も強く押し付けられ、やがて大量の熱い飛沫がほとばしって喉に流れ込んでくると、サーシャはゴクリと喉を鳴らした。

「く……ッ」

 短く唸るファブリスから、大量の魔力がサーシャに流れ込んでいく。サーシャはその魔力を受け入れながら、恍惚の表情で最後の一滴まで綺麗に飲み干した。

「はぁ……っ、ファブリス様、少し楽になりましたか?」
「ああ、随分とな」
「良かった……ぁ」

 ファブリスの強大過ぎる魔力は、溜め込み過ぎると本人にすら苦痛を伴う。その魔力を交わりによってサキュバスのサーシャが吸い取っているのだ。それだって、サーシャで無ければ流れ込んでくる魔力が多すぎて死んでしまう。だが、何故かこのサーシャは多くの魔力を吸い取っても平気な体質なのだった。むしろ、サーシャも定期的に大量の魔力を吸い取らねば死んでしまう厄介な身体であったのだ。

「サーシャ、まだ足りぬ」

 そう言うとファブリスは、テラテラと濡れて光りつつまだ勢いよくいきり勃つものを己の手で扱く。そしてやや乱暴にサーシャを押し倒し、ほとんど破れて意味をなさぬ衣服を全て破り捨ててその美しい身体を露わにさせた。両の脚をぐいと広げ、サーシャがか細い悲鳴を上げるのを聞く。

「何もしていないうちに、もう濡らしているのか」
「は……ぁッ、だって……」
「もう触らずとも入りそうだが」
「ファブリス様の……お好きなように……」

 赤の瞳を潤ませてそう答えるサーシャを見下ろすファブリスは、その美しいかんばせに壮絶な笑みをたたえた。
 羞恥を感じているのか、大きく開かれた太ももは細かく震えている。ファブリスは薄い下生えをするりと撫で、可憐なあわいへいきなり二本の指を挿し入れた。濡れそぼった蜜壺の内部の襞はキュウキュウと指を締め付けてファブリスからの刺激を喜んでいる。

「はぁ……ッ……んんっ!」
「もう充分に受け入れられそうだが?」
「ファブリスさま……、もう……サーシャにお情けをくださいませ。我慢するのが辛いのです……」
「それは重畳ちょうじょう

 サーシャが己の両脚を開き、それでも羞恥に頬を染めて強請る。よく見えるようになると尚更に愛蜜がおびただしく溢れるあわいへ、ファブリスは自身の猛りの切っ先をあてがう。ただそれだけで快楽ににビクリと身体を震わせるサーシャ。そしてその蕩けるような表情をさも愛おしそうに見つめたファブリスは、一気に蜜壺の奥へとその身体を貫いた。

「んぅ……っ! や、やぁ! あっ、あぁ……ッ!」

 激しい抽送に合わせて高い嬌声を上げるサーシャは、まなじりからどんどん溢れる涙でシーツを濡らす。ファブリスは抽送に合わせてぷるんと揺れる柔らかく豊かな乳房を両手で掴みながら、刺激で赤くなった突起を爪先で弾く。そうするとサーシャの背中は弓形になって悦んだ。

「あっ、あぁ……っ! そこ、したら……っ、身体……へん……っ! や……っ」
「は……っ、俺も……今宵は優しくしてやれん……っ」
「ファブリス……っ、いい……のぉ!」

 黒髪を乱しながらガツガツと荒々しく腰を打ち付けてサーシャを穿つことで、ファブリスの美しい顔にも汗が滲んだ。それにそっと手を伸ばすサーシャは、苦しそうに喘ぎながらも愛おしげに同じ色のその瞳を見つめる。目を細めたファブリスは、二人が交わっている部分の上にある楚々とした蕾を指で摘んだ。

「やっ、あァァ……ん!」

 ぎゅうぎゅうと締め付ける蜜壺と複雑にうねる襞の刺激に堪えきれず、ファブリスは苦悶の表情を浮かべる。

「サーシャ……っ」
「い、あァァ……っ、イクぅ……っ」

 サーシャのナカでいきり勃った凶暴な肉杭はビクビクと痙攣し、やがて大量の熱飛沫と膨大な魔力を同時に放出する。ファブリスの有り余る強大な魔力はサーシャへの中と吸い込まれていく。
 この交わりによって余分なファブリスの魔力はサーシャへと移り、ファブリスは豊か過ぎる魔力の制御による苦痛から解放されるのだった。

「は……ぁっ、はあ……」
「サーシャ……、愛している。俺のそばにずっと居てくれ……」
「ファブリスさま……」

 未だ熱く火照るサーシャの身体を抱きすくめてそう告げるファブリスに、サーシャは愛しげに名を呼んだものの、困ったような顔をするばかりで何も答えなかった。
 これも毎度のやり取りなのである。交わりの後の微睡の中で、切なげに愛を囁きそばにいて欲しいと願う魔王に、半端者と呼ばれるサーシャは決して応えない。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

暴君幼なじみは逃がしてくれない~囚われ愛は深く濃く

なかな悠桃
恋愛
暴君な溺愛幼なじみに振り回される女の子のお話。 ※誤字脱字はご了承くださいm(__)m

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

【短編】淫紋を付けられたただのモブです~なぜか魔王に溺愛されて~

双真満月
恋愛
不憫なメイドと、彼女を溺愛する魔王の話(短編)。 なんちゃってファンタジー、タイトルに反してシリアスです。 ※小説家になろうでも掲載中。 ※一万文字ちょっとの短編、メイド視点と魔王視点両方あり。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...