ペットとして育てた魔物が「お姉ちゃん魔物娘」になって困惑するショタの話

ドライパイン

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ペットとして育てた魔物が「お姉ちゃん魔物娘」になって困惑するショタの話

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 子供用ベッドで目を覚ます、水上翔みなかみ かける。小学校の中学年に上がったばかりの少年。彼は──とても困っていた。目が覚めると、2人の女性に抱きしめられていたから。昨日の夜は一人で眠っていたはずなのに、いつの間に。
 
「ふふっ、おはよう、御主人様♡」
「あらあら、起きちゃったのね、かーくん♡♡」
 
 片方は、ツリ目に伊達メガネと、クールな表情をした銀髪ロングの女性。そしてその頭頂部には──彼女が人間とは違う、銀色の犬耳が存在している。
 もう片方は柔らかい感触だが、カケルの触れた部分が僅かに凹み、透明化している。緑髪の彼女はにへら、とだらしない笑みを浮かべている。
 彼女たちは──カケルに育てられた『元魔物』。そして育った『魔物娘』たちだった。
 
 「朝起きるのは辛いものね……このまま、私とキスして遊ばないかい?」
 
 揺れる犬耳、尻尾が興奮して震えている。犬耳娘のモモは、かつてそうしたように御主人様であるカケルの唇をペロペロと舐める。だが、無邪気だったかつてのペロペロというよりは、カケルを味わいたいという欲求が見え隠れするような焦れったいキスで。
 
 「そうですね♡♡ ボクたちと今日は1日中遊びましょう♡♡」
 
 スライム娘のラムは、カケルの身体を包み込むように抱きしめる。背中の一部がスライムに沈んでしまい、このまま人をダメにするベッドのように包んでゆく。
 耳元から囁かれる、優しい毒。
 
「おや……御主人様♡♡ 私たちで喜んでくれるんですね♡♡♡」
「わぁ♡♡ おちんちんが立派におっきくなってる♡♡」

 否が応でも、こんな状況下に陥ってしまっては。まだ少年であるカケルにも、性の目覚めというものがあって。無意識に肉棒が反応してしまう。
 慌てて飛び起きたカケルは、ベッドを抜け出し2人から飛び跳ねるように離れた。
 
「きょ……今日から学校があるんだって! 早くご飯食べないと遅刻しちゃう!」

 その一言に。犬耳娘のモモはしゅん、と耳を垂らす。スライム娘のラムは肩を落としていた。
 流石に気の毒に想ったカケルは、言葉を継ぐ。
 
「わ、分かった……学校が終わったら、一緒に遊ぼう!」

 2人の目がすぐにキラリと輝き。『遊び』を楽しみにしているのが見て取れた。
 
 ────────────────────────
 
 『魔物娘』。人間とDNA配列がほぼ同じでありながら、人間とは異なる存在。その元となる『魔物』がこの世界に出現したのは、30年程前の事だった。人間とは異なる存在であると、魔物を排斥する動きが当初盛んだった。
 
 しかし、『魔物』は人間と歩み寄り、『家族や仲間』になりたいと申し出たことによって異種族間での対立は自然と沈静化していった。『魔物』は人間とは全く違う姿、獣やスライムなどの形を取る。人間型を取らない魔物の多くは、人間に飼育されることで存在していた。
 だが──人間型をとらない『魔物』が、時として成長し『魔物娘』になる事例が報告される。多くの場合は、『魔物』でいた時に世話をしてくれた人に非常になついて『奉仕したい』と欲求を持つ。
 
 ……ちょうど、そんな授業を今日の社会科の授業でカケルは習っていた。
 
「そうそう、私のごしゅ……結婚相手も初めは弱っていた私を必死に看病してくれてね……」

 長い黒髪の先端が、タコのような触手になっている田辺先生。彼女がのろけ話をするのは珍しい。先生もまた『魔物娘』であり、水棲魔物だったらしい。そんな彼女も教鞭をとるぐらいに、魔物と人間の関係はすぐ近くにある。
 
 ──カケルは思い出す。幼い頃に犬型魔物であるモモと一緒に遊んで、喜んだモモはしょっちゅう口をペロペロしてきたこと。
 森で遊んでいたとき、偶然弱っていたスライムを拾って、保護したこと。
 あの頃はボクよりも小さくて可愛かったのに……と想った。
 
 だが、思い返す。今のモモが舌をペロペロさせるキスを毎日要求したり、スライムのラムも抱き枕のように抱きしめていたり。やたらとベッタリくっついて遊んでいたのが、
 『魔物娘』になった今でも同じような感覚で遊んでいるのかもしれない。
 今日、帰ったら聞いてみよう。カケルはそう決めた。
 
 ────────────────────────
 
 「ただい……むぎゅ!?」
 「わ~い♡♡ かーくんだ~♡♡」
 「ラム、はしたないぞ……お帰りなさいませ、御主人様」
 
 カケルは度肝を抜かれる。お硬い口調のモモだったが、胸元の谷間を強調するようにそこだけが開いたフリルドメイド衣装。一方、抱きついてくるラムは──裸エプロン。
 
 「今日もお父様とお母様は仕事で遅いとのこと。代わりに、私達が『ご奉仕』しても良いという許可を得ました」
 「えへへ、夜までボクたちと一緒だよ~♡」
 「むぐぐぐ……抱きつくチカラが強いよぉ……『ご奉仕』って、授業でも聞いたけど何なの……?」
 
 そうか、とカケルは思い出す。この姿になってから、ちゃんとペット達と遊んでいない。
 いつものフリスビー遊びや、抱きかかえて滑り台を滑ったりも出来ていない。
 
 「2人とも、久々に外に出て遊ばない? 大きくなってから、一緒に遊べなかったからさ……」
 
 だが。以前なら喜んで散歩に出掛けようとする2匹の反応はというと。
 
「むぅ~……だめだよぉ?」
「御主人様……『ご奉仕』の内容は学校では教わらなかったのですね?」
「あ、あれ?」

 ラムの抱きしめる力が、少し強くなるのを感じた。メイド服のモモは、咳払いをして。
 
「コホン……そうでしたか。御主人様が知らないまま話を進めるわけにはいけません。ひとまず、お部屋にあがりましょう」

 状況が分からないまま、カケルは自分の部屋に入る。一緒に入ってきたラムだったが──
 
「えへへ……えいっ♡♡♡」
「う、うわわっ!?」

 カケルの身体がスライムに包まれたかと思うと、そのままベッドまでスライムごと吹き飛ぶ。衝撃は一切なかったが、突然の出来事にカケルは驚く。
 
「どうしたの、ラム……えっ……!?」

 カケルは。自分に馬乗りになったラムの目に視線が吸い込まれる。ギラギラと、カケルを狙うように緑色の瞳が輝いていた。
 
「この日を、ずっと、ず~っと待ってたの……♡♡ ボクの事を助けてくれた『かーくん』に、『御主人様』に、気持ちを伝えられる日を……♡♡♡」

 森の中、野生の鳥型魔物についばまれていたスライム。そこから助け出し、水と餌を与え始めたのがカケルだった。
 意思表示が出来なかったものの、ずっとずっと、そばに居た。
 一緒に遊んでくれた。一緒に暮らしてくれた。大切にしてくれた。
 その思いが──ラムの中で、ずっと爆発寸前でギリギリだった。
 
「学校の低学年の間はお父様とお母様に禁止されていたけど……高学年になったら、『ご奉仕』してもいいよって言われたんだ♡♡」
「ご、『ご奉仕』って何なの……?」
「それはね……」

 柔和な笑みを浮かべたまま。ラムは、カケルの穿いていたズボンに手をかけて。スルリと脱がす。
 
「ちょ、ちょっとっ!? 恥ずかしいよっ……!」
「──ぁ♡♡ かーくん、そんな表情もするんだ……♡♡♡ 可愛すぎてちょっと抑えらんないかも……♡♡♡」

 そのまま、パンツすら脱がされる。混乱したカケルは、身動きが出来ない。
 
「『ご奉仕』はね……かーくんを気持ちよくさせてあげること♡♡ ボクがおちんちんを握るから、身体の力を抜いてリラックスして……♡♡♡」
「え、ええぇ? ──ん、ぅうっ???」

 ラムの柔らかい手のひらが、カケルのおちんちんを包み込む。ぎゅ、と僅かに締め付けられる感覚とともに、敏感なソコが伝えてくる感覚は。
 あたたかい。きもちいい。とろんとしていて、すき。
 
「どう……なってる、の゛っ……♡♡」
「えへへ~♡ ボクの身体は変幻自在! かーくんが一番気持ちよくなれる膣の形も作れるんだよぉ♡♡ こす、こすっ♡♡♡」
「ひゃぅっ♡♡ らむっ……て、手を動かすと、はふっ♡♡」

 恥ずかしいところ。自分しか、トイレでしか触らないようなところ。そんな部分を、ラムは笑顔で握って、くちゅくちゅと弄ってくる。
 汚いところなのに、満面の笑みで。背筋にゾクゾクする感覚が走る。ジェットコースターに乗ったときのような。
 だけど、怖いと言うよりも。もっとこの感覚を味わいたいと、カケルは想ってしまう。
 
「どうかな~? ボク、御主人様を気持ちよくできてる~?」
「ら、ラムっ……♡♡ なに、これっ……♡♡♡ しらないのに、ぞくぞくしてっ♡♡♡ おちんちんがキュってなるっ♡♡♡」
「もっと、も~っと♡♡ ボクに身体を預けて♡♡ 安心していいよ♡♡♡」

 スライムによる、カケルへの手コキ。ラムの右手は大きく膨張し、カケルに最適なオナホケースへと変わっていた。それを、的確な温度と締め付けで管理しながら、上下に擦る。ビクン、と彼の身体が跳ねる。
 
「ど、どうしよぅっ……! トイレ、行きたい……おしっこ、でそうなのっ♡♡ さっきまで何も、無かったのにっ♡♡♡」
「あははっ♡♡♡ それはオシッコじゃないよ♡♡ かーくんが気持ちよくなったら、分かるよ♡♡♡」

 カケルは。まだ射精と排尿の違いが分からない。ただ、下半身に来る衝動が抑えられなくて。
 
「もらしちゃ、ぁぁぁっ♡♡♡ だ、だめっ♡♡♡」
「オシッコでも、せーえきでも、どっちでもいいよ♡ ぜーんぶボクの膣内なかに出してっ♡♡♡」
「ぁ、ぁあああ゛っ♡♡♡♡♡」

 びゅくっ、と濁った音と共に。スライムで作られたオナホに、べっとりとカケルの精が吐き出される。スライムオナホに溜まった白濁液は、すぐに彼女の腕を通り、ごくりと飲み込まれ。ラムの腹に大事に保管された。
 
「────ぁああああ!! ラム、あんたねぇ!! 一番を取るなんてっ!」
「えへへ……ゴメン、我慢できなかった♡♡」

 その時。ドアを開いて現れたのは、銀髪犬耳のモモ。彼女はひどく憤慨していた。
 一番初めにカケルに奉仕するのは自分だと息巻いていたから。
 
「全くもう……大丈夫ですか、御主人様?」
「うぅ……モモにも、恥ずかしいところ見られちゃった……」

 顔を赤らめ、羞恥心に悶えるカケル。少年で、御主人である彼のその顔を見て────モモの中で我慢していたものが、弾け飛んだ。

「御主人……さま……? そんなムラつく表情かおしないでくださいよ……♡♡♡ 見てるだけで濡れてきちゃったじゃないですか……っ♡♡♡」

 彼女の言葉通り、モモは興奮して震えている。あまりに──御主人様が可愛いから。
 ゆっくりと身体を近づけ、口惜しそうなラムが下がるのを確認しながら。
 いつもと同じように、カケルと一緒のベッドに寝そべる。
 
「もう……じゅるっ♡♡♡ ごひゅじんひゃまったらっ……♡♡♡♡ れろっ♡♡♡♡」
「むぐ、むぐぐっ……?」

 まだ、子犬のような魔物であったときと同じように。モモはカケルの顔を舐める。
 愛情表現でもあり、御主人様を独占したいというマーキングでもあって。
 彼を傷つけないように、だけどカケルへの愛情が止まらなくて、何度も何度もペロペロする。されるがままのカケルが、蕩けた表情で自分を見つめてくることに──モモは、耐えきれなくなった。
 
「そ、そうですね……一番を譲ったのは事実です。でも……ホンモノは、まだ御主人様も味わったことが無いはず……」

 先程までのメイド服とは一新して。ミニスカのメイド風に着替えていた彼女は。
 既に受け入れる準備のできている膣に、勃っていたカケルの肉棒をくわえこむ。
 
「ぁあっ♡♡♡ な、なにっ♡♡♡ なんなの、あったかくてっ、ぬるってしててっ♡♡♡」
「カケル様……♡♡ どうか下賤なメイドの身に、貴方の精をくださいましっ♡♡♡♡」
「も~、モモちゃんったら雰囲気づくりが大好きなんだから」

 外野ラムから何かを言われた気がするが、関係ない。自分の膣内に、大切な家族で
 大好きな人のモノが入ってくる。そのことだけでモモは、たまらなく嬉しかった。

「ふふっ……♡♡ 大好きです、御主人様っ……♡♡♡ ぺろ、ぺろっ♡♡♡」

 大好きなヒトに貫かれながら、大好きな御主人カケルの唇を奪う。
 全身が、愛するヒトの匂いに包まれていて。モモは幸せだった。
 
「今日は待ちに待ったちぎりの日──貴方様の精を頂き、本当の意味で貴方様と家族になれるんですっ♡♡♡」
「ん、んんんん゛っ♡♡ はふぅっ……♡♡♡ モモ……♡♡♡」
「……っ♡♡ ──もっと、名前を呼んでください。私めの名前……御主人様がくださった名前を♡♡」
「モモ……モモっ……♡♡♡」
「ぁ♡♡♡ ぁああ゛っ♡♡♡ 御主人様っ♡♡♡ そうですっ♡♡♡ 私めのおまんこ、どうぞ好きに使ってくださいっ♡♡♡♡」

 性的知識が疎くても、本能がそうさせるのか。カケルの腰が、もっと気持ちよくなりたいと動く。名前を呼ばれること、自分を使ってくれること。モモの興奮は、尻尾が思いっきり揺れるほどに隠せていない。
 
「で、でちゃうっ♡♡♡ ま、またお漏らししちゃうよぉっ♡♡♡♡」
「はいっ♡♡♡ 御主人様っ、私めの膣内に、おしっこでもなんでも、注ぎ込んで──♡♡♡」

 二度目の射精は、勢いは無かった。だが──それが自分の膣内に注ぎ込まれたということ。
 その事実だけでモモは、絶頂を味わう。
 
「あ゛っ──♡♡♡」
「んひゅっ♡♡♡ んぅぅぅぅゔ♡♡♡♡♡ き、きたっ♡♡♡ 御主人様の精っ♡♡ 注がれてるっ……♡♡♡♡」

 すると──ラムとモモ。2人の魔物娘に変化が起きる。彼女たちが取り込んだ『御主人様』の精液。それに彼女たちが魔力を込めると。腹部の表面に、薄い桃色の紋様が浮き上がる。
 
「えへ♡♡ えへへへっ♡♡♡ 契りの印……♡♡ ボクラムと御主人様の、契約婚約の印っ……♡♡♡」
「あぁ……♡♡♡ 御主人様……♡♡♡ モモは、この日を一生忘れはしませんっ……♡♡♡♡」

 彼女たち魔物娘の腹には。ピンク色に光る、ハートを模った紋様が描かれていた。
 魔物娘が、契りを結んだヒトが居る証。そのヒトの使い魔になった証。
 この日──同じ少年に恋をした2人の魔物娘は、少年のモノに自ら成り下がった。
 とても、幸せだった。

 ────────────────────────
 
 季節は初夏。学校のプールの授業で、カケルは泳ぎが上達せず、息継ぎの仕方が分からないままだった。その事を両親に相談すると、土日でプール遊びに行ってくるようアドバイスを貰う。両親曰く「習うより水に慣れろ」とのこと。しかし土日は両親も別の用事があるとのことで。
 
「カケル様、私達はこちらで着替えてきます」
「またね~」

 家族同然とはいえ。数ヶ月前は子犬、自分が抱えられるほどのスライムだった彼女たち。
 それが、自分よりもオトナになって。それに、以前よりも激しくスキンシップを求めてくるのだから……
 
「むむぅ……」

 服から短パン水着に着替えながら、カケルは悩んでいた。家の中でも、2人の『ペット』は、今や両親と普通に難しい会話をしているほどで。それなのに、ボクだけの前ではおねだりや、甘えてくる仕草を見せるのだから。どんな風に接したらいいのか、よく分からなくなってきた。自分よりお姉さんに見えるのに、昔みたいにペロペロ舐めてくるときもある。
 カケルの身体の上でぼよん、ぼよんと跳ねてはしゃぐスライムも、昔と同じで。
 だけど、違うことといえば────
 
「お待たせしました、御主人様」
「かーくん、今日は頑張ろうね~」
「…………!?」

 2人を見上げる。
 銀髪ロングヘアのモモは、身体のラインがぴっちり浮き上がるような競泳水着で。
 緑髪ポニーテールのラムは、大事なところをギリギリ隠すようなマイクロビキニで。
 ──彼女たちの水着姿に、カケルは言葉を失った。

「……ちょっと恥ずかしい、かも……♡」
「いや、貴女が一番水着選びに悩んでいたじゃない、ラム……」

 過激な衣装に気を取られ、カケルはある事実に遅れて気がつく。
 
「あれ……ラムのお腹の紋様、消えてる……?」
「ううん、隠してるだけだよ~。『使い魔の紋様』は余り他のヒトに見せるものじゃないからね~」
「……他の魔物娘を刺激しないために必要な処置です。誰が誰と付き合っているか、結婚指輪のようなものです。
 まだ『仕えるヒト』を見つけてない魔物娘が積極的に逆ナンするのを止めるため、全員で紋様を隠す決まりとなっています」
「そ、そうなんだ……で、でも。ボクなんかに仕えたいなんて魔物娘の人、居るの……?」
「甘いです、普段の襲われている時の御主人様の表情ぐらい甘々です。2人も魔物娘を連れている人間。これはモテモテのサイン、『使い魔紋様』を持っていない魔物からすればすぐにでも告白したいぐらいなんですよ!」
「そ、そう……」

 あまり良く分からなくなってきたが、カケルはひとまず納得する。
 
「それではまず、息継ぎの方法練習から。私が手を引きますから、普段通りバタ足で泳いで息継ぎの練習です」

 ────────────────────────
 
「ぷはっ、ごほっ、うぇ……水が鼻の中にっ……頭がツーンってする……」
「最初は水に慣れる事が必要みたいですね……」

 泳ぎ方を陸で教わっても、水中で実際に泳ぐのとは訳が違う。水中で鼻から息を吐き続け、苦しくなったら片方の顔を傾けて息を吸う。言葉にすれば簡単なのだが、慣れないままにカケルが泳ぐと、どうにも溺れそうになってしまう。
 結果、足台の有るプールの側溝で何度も咳き込むことになるカケルであった。
 
「うへぇ……ごほ、ごほ……」
「落ち着いて~って言いたいけど……すぐに出来るようになるのは難しいよね~」

 周りを見てみれば、夏のプール。泳げる子供たちは波のプールや、循環する流れるプール、ウォータースライダーなどにも乗って楽しそうだ。
 自分があそこに行ってみれば、すぐに溺れてしまうだろうとカケルは想像する。でも……泳げるようになりたい。
 
「モモ、ラム……もう一回だけやらせて!」
「その意気です、ご主人様!」
「うんうん、きばっていこ~」

 身長が低く、まだプールの床に立てないカケルだが、再びモモの手を握り泳ぎ始める。両足で必死に水をかき、逆流しないよう鼻で息を吐く。苦しくなったら、右を向くようにして息を吸い込む。
 そうして──カケルの指先が、ついに何かにぶつかる。プールの端から端まで泳ぎ切ったのだ。そう確信したカケルが顔を見上げると────
 
「も、もうっ♡ ご主人様ったらっ……♡♡♡」

 カベにしては異常に柔らかかった。その事に遅れて気が付き。単に自分がモモの胸に触れてしまったのだ。冷たいプールの水の中で、カケルの体温がカッと上がった。そういうつもりじゃなかったのに、という思いと──
 普段、両親に隠れて2人と『遊んで』いるときの感覚を思い出してしまう。
 
「ふふっ、かーくん♡♡ 真っ赤になってる~♡♡ ……思い出しちゃった?」
「これでは、泳ぐことに集中できないでしょうね……」

 まだ泳ぎたい、と喋ろうとしたが──自分の半パンの下からでも、自分の肉棒が反応してしまっている事にカケルは気づいてしまう。こんなにたくさん人が居るところで勃起するなんて。カケルは今すぐにでも何処かに隠れたいと思ったが。
 
「いったん休憩しましょう。いい場所があるんです」

 水から引き上げられたカケルと手を繋ぎながら、2人の美女が道を行く。その姿に見惚れる男は居たが──すぐに目線を反らす。ナンパ目的で声を掛ける事はプールで禁止されている。もしも破ろうものなら、監視員がすっ飛んでくる。
 魔物娘の居る空間で、安易にそんな事をする事は本当に危険である。
 そうして連れてこられたのは──【専用休憩室】と書かれたエリア。
 
「すみません、3人部屋をお願いします」
「はい。ピルは必要ですか?」
「お願いしま~す、2錠で!」

 受付の人に話しかけるモモとラム。会話の内容はよく分からなかったが、部屋の中は旅行で泊まったホテルの様に、何個もドアがある部屋。モモとラムは受付から何かを貰い、すぐに飲み込む。カードキーを受け取った後、3人は一緒の部屋に入り込む。
 部屋の中は、ドライヤーやシャワーなど本当にホテルのような空間で──ただ、窓だけがない。煌びやかな天井の照明に、カケルは圧倒された。
 
「すっごい、キレイ……でも、なんで大きなベッドがあるの?」

 水着で濡れている自分達が寝るには、豪華なベッド。家族旅行で行った時のホテルとは打って変わって、丸型に回転している。疑問に思うカケルだったが。
 
「御主人様、先にお風呂に入りましょう。身体を一度温めておいたほうが良いです」
「脱がせあいっこしよ、え~い♡」
「わ、わぁ! 自分で脱げるってば!」

 あれよあれよという間に、カケル達は大きな浴槽に一緒に浸かる。もちろん、魔物娘に成長した彼女たちと一緒に風呂に入るのは初めてで。まだ魔物の幼体のときならば、無邪気に頭を撫でたり、一緒にラムとぷかぷか浮いたりも出来たのだが。
 
(う、ぅぅ……)

 母親とだって一緒の風呂に入るのは、入学してから無かったというのに。
 色香を漂わせた2人が同じ風呂に居ると、なんだかむず痒さを覚えるカケル。
 
「少し温まったので、お身体を洗わせていただきますね、御主人様」

 カケルの顔が赤くなったのを、温まったのかと認識したモモ。風呂用の椅子に座らせ、カケルの頭を洗う。指先の柔らかい感覚と、頭を揉まれている感覚。──だが。背後には、なにか柔らかいものが当たっている感覚。
 
「も、モモ……そ、その……もうちょっと離れてくれると嬉しいなって……」
「分かりました……でも。お身体はキチンと洗わないと、ですね♡♡」

 お湯でシャンプーを流した直後──モモは。ボディーソープを手に取り、カケルの勃ちかけの肉棒を優しく撫でる。ビクン、とカケルの身体が跳ねた。
 
「ひゅぃっ!? だ、ダメだって、そこは、んっ♡♡」
「御主人様のお身体ですもの、徹底的にキレイにしなくてはなりませんから♡♡♡」

 そう口実を作りながら。彼のペニスをわざと興奮させるように、ゆっくり、ゆっくりと手を上下させる。自分の手のひらの中で硬く、熱くなってゆくペニスを見て、モモは興奮を隠すことが出来ず。
 
「……ッ♡♡」
「あ~モモちゃんずるい~」
「初めては譲ったでしょう、今日ぐらいは……」

 ドキドキして動けないカケルの、正面に回って。
 
「それでは……今日の『ご奉仕』をさせていただきますね♡♡♡♡♡」

 カケルの股下まで座ったモモは。ゆっくりとキスするように、肉棒を咥える。
 そして、ざらつく舌先でチロチロ、と舐め取る。
 いつもは顔にされてきたキス。幼い子犬だった時の彼女を、一瞬カケルは思い出す。
 ──だが。
 
「じゅぅぅっ♡♡♡ れろっ、れろっ♡♡♡♡ はふぅっ♡♡♡♡ 」

 何故だろう。同じことをされているはずなのに、カケルはひどく興奮していた。
 『ご奉仕』のたびに感じるゾクゾク。まだ小さな魔物だった時の姿と違って、オトナになった彼女たちにされる行為に……ドキドキが止まらなくて。
 
「も、モモってばっ……♡♡ やめ、んっ♡♡♡」

 亀頭を舐めながらも、愛おしそうにモモはカケルの竿を扱く。まだ少年でありながら、彼はこの感覚を覚えてしまった。このままだと、射精してしまう。大事な家族の、口の中で。我慢しなきゃいけない。
 
「はぁ、ん゛っ♡♡ ぅ、ぅうう……♡♡♡♡」
「じゅるるっ♡♡♡ ちゅぅ、ちゅぅ♡♡♡♡」

 だが、そんな願いは届くことはない。御主人カケルの望みは、従者モモの願いと正反対で。
だしてほしい。口の中、身体の中。ごしゅじんさまのもので、ぜんぶ染めてほしい。
 
「でちゃぅ……♡♡♡ だ、めっ♡♡♡♡♡」

 トドメとばかりに、扱く動きを早める。ドクン、と未発達なカケルの生殖器が本能のまま暴れる。
 次の瞬間。
 
「──ッ♡♡♡♡ んぅぅぅぅゔ♡♡♡♡♡♡」
「ん゛ぅぅぅっ♡♡♡♡♡ ……ごく、ごくり♡♡♡♡♡」

 モモの喉奥まで犯すような白濁。その濁りが、御主人にマーキングしてもらったことが嬉しくて。モモの女性器が疼く。
 
「……また、洗い直さなきゃ、ですね♡♡♡」

 汚すキッカケを作った当の本人は、悪戯っぽく笑った。
 
 ────────────────────────
 
 ようやく風呂から上がった3人。ただし、一人はのぼせたようにフラフラしている。カケルは、ラムが抱えたまま円形のベッドに寝かせられた。
 
「もう、モモちゃんったらはしゃぎすぎでしょ~。こんなにぐったりしちゃってるじゃない、かーくんが」
「……ごめん、耐えられなかった。この身体になってから気づいたのは……ニンゲンの発情期って季節によるものではないんだなと」
「そうそう、ずっと悶々としちゃうよね~♡♡」

 横になったカケルの隣に、ゴロンと寝そべってきたのはラムだった。風呂上がりで何も着ていないまま、カケルの身体を抱きしめる。
 
「よ~しよし……♡♡♡ ごめんね、急に成長して、御主人様に迷惑だよね……」
「そ……そんな事はないよ……ただ、どんな風に接したらいいのか、分からなくって……」

 今だって、自分より一足先に成長したようなラムに、頭を撫でられていて。今までは逆だったのに──こうされると、温かい気持ちになって。
 
「かーくんが大好きって気持ちが抑えられなくて……こんな風になっちゃうの」
「そっか……でも、急に2人が成長したみたいで、何だか不思議な感じで……」
「……そうだ!」

 すると、ラムが何かを思いついたように声を上げる。ぶる、と彼女の身体が震えたかと思うと──ラムの身体がスライムに変わる。そして、2つのスライムの塊に分かれて。数秒後、そのスライムから飛び出すように、2人の少女が現れた。
 
「かーくんと同じぐらいに『自分を分ければいい』んだね、お姉ちゃん♡♡」
「かーくんと同級生みたいになったらちょうどいいね、ラム♡」

 緑髪の、カケルとそう背丈や年齢も変わらないぐらいの少女。しかし、胸元はその幼さとは無関係に大きい彼女たち。カケルは思わず。
 
「そ、そういうことじゃなくって……! あ゛ぅっ」
「えへへへ~♡♡♡ スライムおっぱいの感覚はどうかな、カケルお兄ちゃん♡♡♡」
「じゃぁアタシは、モモお姉ちゃんのマネする~! ちゅぅ♡♡ れろ、れろっ♡♡♡♡」
「アンタねぇ……」

 片方の少女は、自分のEカップおっぱいを部分的にスライム化させる。そして、右乳だけをぱちゅん、ぱちゅんと上下させてカケルの肉棒を扱きはじめ。もう片方の少女は、たどたどしいものの積極的にカケルの唇を求め、ぺろぺろと舐め取る。
 
「アタシのおっぱいまんこ、どうかな~♡♡♡ どんどんおっきくなってるの、わかるよ♡♡♡」
「好きっ♡♡♡ りゃいひゅきっ♡♡♡♡ ちゅうぅぅう♡♡♡♡」

 オトナの余裕を持った少女と、恋に夢中な少女の2人。同時に攻め立てられて、さっきイったばかりなのにカケルの身体はすぐに反応してしまって。

「ぁ、ぁああ゛っ~~♡♡♡」
「んひゅっ♡♡♡ あ、きたっ♡♡♡♡ アタシのおっぱいまんこが、カケルお兄ちゃんのでっ♡♡♡♡」
「こ、こっちにもきてりゅっ♡♡♡ ぁ、ぅぁぁ♡♡♡」

 ……当初の、水泳が上手くなるための練習はどこへやら。
 いつの間にか発生した、『体力増強』の練習は何時間も続けて行われていった。

────────────────────────

「懐かしいわね、あの子達の様子」
「……あんな感じだったっけ?」
「そうよ。…………それとも、昔のような口ぶりのほうが思い出すかのぅ?」

 プールから帰った家族たちが、家の二階で『ご奉仕』しているだろう事を、父と母は話していた。
 
「いやはや、あの子に『ペットの躾ができない』と相談されたとき。丁度お主の母上にも同じことを相談しておったな?」
「毎日は流石に無理だよ。人間の身体はソコまで体力が無い」
「ん~? そうじゃったかの。妾とお主で毎日ヤっておった気がするが。妾の血を引いてるのじゃ、いずれ絶倫間違いなしじゃ♡♡」

 両親にとって、カケルと2人の魔物娘の交わりは特別なものではない。
 何故ならば──この夫婦も、同じように交わったから。
 普段はおっとり美人の母親が──金髪碧眼の狐娘へと変わっていた。
 ツリ目に妖艶な笑みが宿る。

「しかし、お主ともご無沙汰じゃのぉ……『御主人様』?」
「そんな風に呼ばないでよ、葵ちゃん。夫婦になったんだから」
「でものぅ……こうやって呼ぶ方が、ここの紋様が疼くのじゃよ♡♡♡」
「それは知らなかった……ごめんね」

 うずうずと、待ちきれないかのように。
 狐娘の尻尾が落ち、そこから何人もの少女の姿が現れる。
 
「どうじゃ、今宵は久々に……」
「私と、交わってくれませんか?」
「あたしに、えっちなこと、教えて下さい……♡♡」
「ぱぱと一緒に、いろいろシたいなぁ♡♡♡」

 ふぅ、とため息をした「カケルの父親」。
 
「…………日が昇るまで寝かせねえぞ」
『きゃんっ♡♡』

 ──その日は夜通し、2つの部屋で嬌声が響き続けたそうな。
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