転生蒼竜チート無双記

れおさん

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4話 「王国と主のすごさ?」

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 クレマリー王国。そこはこの世界では小さな大陸ながらとても立派な街であった。

 「これが数年前までなかったって言うのは本当なのか……!?」

 素直に俺は感嘆の言葉を上げた。
 城壁は高く、見上げるとボウガンのようなものが設置されている上にきっちりと兵が配備されている。
 セリアを一目見るとみんなが待ちかねたように声をおげて何があるわけでもないのに、走り回っている。

 「まるで何年かぶりに帰還した国の英雄みたいな出迎えられ方しすぎじゃないか?」

 「えへへ、みんなありがとー」

 セリアの人望は計り知れない上にこの過剰ともいえる防衛配備。いくらバリケリオス竜騎兵でも簡単には略奪破壊行為は出来るはずもない。
 この配備を考えているのはたぶんティナなんだろうがさすがとしか言いようがない。この主が無能とは言わないが、こんな統率の取れた民衆を率いられるのは人望があって尽くしたいと思わせるか、ティナのような優秀な人材を引き入れることができなきゃこんなことは出来ないだろう。
 つり橋が下ろされて街に入るのだが……。正直足がすくんだ。

 「堀どんだけ深くしてるんだ。そこ見えないんだけど」

 「簡単な堀だとあなたやバリケリオスのような竜が街を襲ったときにここに叩き落したり、ここで進軍を防いだとしても浅いと攻撃が出来てしまったり完璧に仕留めそこなうことがあるのでね」

 「竜ってどんだけ規格外なんだ……」

 「それあなたが言うの?」 「それあなたが言います?」

 セリアとティナに一斉に突っ込まれた。まぁその規格外倒したの俺だったんだっけ。俺やべーやつじゃん。もうそろそろ自覚してきてるけどさ……。

 そして門をくぐって街に入るとそこは__活気にあふれた街だった。そして俺をもう一つ安心させる材料が現れたのだ。

 「おそらく俺と同じような見た目をしたやつが歩いてくれていることにとてつもない感動を俺は感じています!」

 「あはは」

 「本当に何も知らなかったんですね……あなたのようなタイプの人も多くはいませんが普通に存在します。何かの能力に優れていることが多くて私達の国でも多くのところで役に立っていますよ」

 なるほど、俺が普通の見た目していたらたぶん消し炭だったんじゃないかな。この見た目だから逆に助かった!?だからといってこのまだ自分で鏡を通してみてない俺の顔に感謝なんてしないんだからな!

 「うわぁ……。なんかすっごく気持ち悪いこと考えてませんか?」

 「そんなに察しが良くなくていいですから……」

 相変わらず恐ろしい読みだ。こんなのばっかりセリアのバックについてたらそりゃ発展もするわ。

 「そんなことよりこのすごい街の中の説明頼む」

 「はい。この街は大陸は小さいこの王国ですが、街の大きさや商業、工業規模は世界一番だと断言しても構わないと思います」

 「そんなに自信あるのか。確かにあれがセリア達がいる城だろ?確かに前と左右はこんなに堀と城壁、防衛兵でガチガチ。城の後ろは天然の大きな山が自然の城壁っていうことはわかるんだけどね」

 正直これで落とされたらもうどうしようもないってくらい完璧な防御力って言うのは分かる。

 「ちなみにボウガンって分かります?」

 「ああ。城壁に設置してるやつだろ。知ってるけど」

 「あのボウガンの威力と性能はこの世界で一番のものですよ。あのバリケリオス竜騎兵のドラゴンに突き刺すくらいの威力です」

 なるほど、ならこの街を攻め落とすのは出来るはずもない。だから街から離れたところでちょっかいを出して挑発じみたことをしていたということだろう。

 「なんでそこまで技術や商業レベルが高い?単純に考えてこの王国は偏狭なんだろ?大抵こういうのって交通の便がいいところとか大陸の規模が大きいところになるくないか?」

 「それもお嬢様の実力ですよ?人望と一言で簡単には片付けならてしまいますが、計り知れません。実質細い街道を危険を冒してでも通ってこちらに移り住んでくるという人も多いのです」

 ティナ自身もセリアの人望には恐れ入るといったところか。まぁ本人もそれに引かれた身だろうしな。

 「その中でもみんな工業チームとしてみんなで開発してますからね。商業も発達してくれている分、そこに資金がたくさん回せるので得られることが多いです」

 俺としてもそこは素直に評価したい。結果が出るか分からない研究に多額の資金を投入というのはなかなか勇気がいることだろう。しかし、そこをためらわないあたりが今のいい結果を生んでいる。

 「ここがその工業関連が集まっているところだよー」

 うん、技術の成績が芳しくなかった俺からしたらどんな施設だとか全然分からない。俺は技術より家庭科圧倒的に出来るやつだったし。

 「工場長に顔出しておくね、ティナ」

 「はい、お願いします」

 天然なのかあほなのか分からないセリアだが、やるべきことをしっかり理解しているようでそのセリアの言葉に笑顔になるティナ。オンオフでこういうキャラなら相当やり手だけどどうなんだろ。

 「やっほー、リースたんはかどってるぅ?」

 やっぱり公務って感じの態度ではないな、うん。

 「おー、セリアお嬢様。お帰りですか。まぁボチボチですね。今あのボウガンを手持ちや簡単な装備サイズにしていかに威力を落とさずに運用できるか限界を探ってます。あと一発で複数本矢を飛ばしたり、属性効果乗せられるか試してみてます」

 真面目そうな女性の声。防塵マスクとゴーグルをはずして挨拶をした。

 「うーん、暴発が危険だね。まぁ言うだけ余計なお世話かもしれないけどそこ注意ね」

 「はい、我々のような者にご心配してくださるとはありがたい限りです。慎重に進めるのでもう少し時間がかかるかと思われます」

 「うんうん、損害ないし利益ばっかり毎回出してもらってるからね。ゆっくりやっちゃって」

 やっぱりこいつオンオフできるらしい。今のところ君主っぽい。今のところは。

 「ん」

 リースと呼ばれる工場長がこちらを向いたとき俺は背中に嫌な感覚が走った。
 漫画とかでよく目がキラーンと輝く演出があるだろう。まさにそれだった。
 俺でも反応できないスピードで間合いをつめると背中に回りこんで

 「ねぇ!この大剣何で出来てるの!?重そうな素材ながら打撃攻撃用にも見えないし、触っただけでものすごい傷を負いそうな切れ味……!うん、是非とも調べてみたい!」

 「あ、それ私も気になってたんですよ」

 といわれても俺も全く知らない。もともと持ってました。こんな言い分通用しないんだろうけど。

 「驚かないでリース。彼がこの剣であのバリケリオス竜騎兵の竜のしかもあの一番固い頭の部位を真っ二つに切り落としたの。しかも二体とも」

 そのセリアの言葉に信じられないとばかりに俺の大剣に今度は震えながら再び触れる。

 「信じられません。やつらにはどんなに頭を使ってもその倒し方だけはできないと思っていました」

 そう言うと俺のほうに改めて向き直り、こう言った。

 「二本とは言いません。一本だけでいいので貸してもらえませんか?」

 「ああ、いいぞ。役に立てられるなら使うといい。その言い草じゃ適当に実験しても折れたりしないだろうしな」

 「あ、ありがとう……!」

 涙を滝のように流して号泣。これくらい何事にも気になったことはとことん追求する気になるからこその今の最先端を走る所以か。
 このときはまだ知らなかった。このリースの技術が俺の戦闘能力を格段に飛躍させ、考えられないような効果を引き出す武器を数多く作り出していくということに。

 「血がついてて汚れてるからな一本は。きれいなほうがいいか?」

 そう言ったがものすごい形相でリースは

 「もちろん汚れているほうをいただきます!なぜかって!?その血はバリケリオス連中のあのかったい頭の中の血なのでしょう!?それは化学部門に回してすぐに分析です!」

 「おお、なるほどな。ならこっちを預けるわ。好きにするといいぜ」

 「本当に感謝です!」

 「いいの?そんなあっさり」

 セリアは心配そうにそう尋ねる。ティナも同意見といった目つきだ。

 「いいよ。どうせ一本しかその時使ってないし。こういう大きな剣ってなれないと二刀流はきつい。むしろ一本のほうが高い戦闘能力発揮できるしな」

 多く持てばいいというわけではない。転生前剣道をしていた俺からしたらその経験則だ。スタイルは色々ある。普通の構えの中段から下段上段、二刀流と。しかし大抵の人がオーソドックスな中段しか使わない。なぜかというと取れる戦闘スタイルが中段のほうが多い。二刀流なんて見たらものめずらしくてそれだけで観戦ギャラリーが出来るくらいめずらしいのだ。
 もちろん慣れたら話は別だけど何でもかんでもいっぱい持てば強いというのはロボット理論。生きているやつには動かせる筋肉や体力があってロボットのように稼動域という話だけじゃないのだ。

 「うう、なんかなんかまた私ディスられているような気がする……」

 またしょぼーんと落ち込むセリアだが、その意味が今回はよく分からなかった。

 「え?なんで?」

 「お嬢様は何本も剣を持って戦うスタイルなのです」

 「いやいや」

 戦闘スタイルとかその際どーでもいい。もっと突っ込みたいのは

 「積極的戦いのスキル身に着けて最前線で戦うやつかお前はまさか……」

 「うん?もちろん」

 「おう、ティナ。お前作戦立てるときしんどいし、戦闘中毎回寿命縮んでるんじゃね?このバカ君主のせいで」

 「分かっていただけますか……」

 これはティナが過労でぶっ倒れるのも時間の問題なのでは?また悪口を言われていじけているセリアだが戦闘スタイルに関しては否定するつもりはなかった。

 「お前の剣はそんなに大きくないやつだし問題ないだろ。俺のは俺の身長から頭の長さ分引いたくらいの長さがあるからちょっとなっていうだけで」

 「でしょ!よしよし!」

 ガッツポーズしているが俺とティナは__

 「その前に積極的に戦うな!」 「よくありませんよ!」

 「ふぇっ!?」

 そんなやり取りをしている間。リースは俺の大剣を撫で回していた。
 この街にいたら退屈することがなさそうだな。

 そう今の周りの状況を見ながらそう思うしかなかった。
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