転生蒼竜チート無双記

れおさん

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26話 「ぶつかり合う時_」

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 「……」

 俺のことを奴が見えいることは空高い位置からでもよくわかった。
 セリアや、エルミーユをあっさりと見逃したあたり、まるで興味がない。
 本当に興味があるのは俺とティナのことだけ。戦闘の結果など、やつは俺にさえ勝って潰せたらそれでいいのだろう。
 そんなことは前から分かっていた。
 気になるのはあの斧だ。
 俺が先ほど竜たちのブレスを受けて俺の鎧を伝って剣に竜たちのエネルギーが蓄積された様子に似ている。

 「やつの斧も同じようになっている。ということは奴の斧の効果を見る限り属性攻撃でもできるようになったのか……?」

 だとしたらなおさら竜たちの行為が謎だ。俺の剣が属性効果を持つようになればなおさら相手にとって都合が悪そうなものだが……。

 「いつまで考えていても仕方がない。みんなと合流して奴と本格的に対峙するしかないな」

 俺はヴィルシスにらみ合うことをやめて踵を返してみんなが集まる場所まで戻ることとした。

 そのころ、他の四人と軍勢はすでに集まっていた。
  
 「やっぱり、勝手に出てたんですね……」

 「うう……ごめんなさい……」

 ティナがセリアをじっと見ながらそういうともじもじと縮みこまった。

 「でもちゃんと無理せずに帰ってくださったので私は嬉しいです」

 「ですね、いつものセリア様だったらずっと最前線で無茶してますもんね」

 そんな話をしながら落ち着いた後、セリアとエルミーユが目撃したヴィルシスの内容について見たことを丁寧に説明した。

 「そんな武器をもっているのですか……彼は」

 「うん、当たれば即死もあるかも。しかも……」

 「”同じような武器でしか対抗もできないし、破壊もできない”って言っていたのが気になるな。どういう意味か分からない」

 エルミーユが言う通り、ティナからしても全く意味が分からない。同じようなとはどういう意味か。同じような斧を持つべきなのか、その謎の属性攻撃をできるような武器を持って戦えということなのだろうか。
 しかし、そうだとしたら完全に詰んでしまう。

 「もし、同じように属性攻撃が出来なきゃいけないとしたらその技術は我々には分かりかねますし、リースですら分かっているかも分かりません。もし分かっていたとしても対抗手段の制作にはかなりの時間が要されるでしょうし……」

 そんな話が進められているときにちょうど俺が戻ってきたようで……

 「やつ色々と変な細工してきたらしいな。それに最初からドラゴンどもはよくわからん行動をするし、どうなってんだ」

 「やはり、実際に向き合ったシュウも違和感を感じていたか……」

 「ま、ともかく最初からケガとかの危険性がなくなったのはよかったね」

 と、セリアが俺の方を向きながら言ったその時だった。

 「あ!これは……!」

 セリアの目線は俺の剣にへと向けられていた。
 そのセリアの声を聴いてみたエルミーユも同じ反応をしていた。

 「これは……ヴィルシスの持っていた斧と全く同じような状態だな……」

 「やはり似ていると思ったがそうだったか……」

 実際に目の前に見たセリアとエルミーユの反応からして同じようなことが俺の剣にも起きているということが確定した。

 「こ、これ……どうやったの……?」

 「どうやったも何も、ドラゴンどもの色んな属性ブレスを吐いてきたからリースの用意してくれた防具でガードしたら、分散して弾けて俺の鎧を伝って剣に伝わって剣に蓄積してこうなった」

 「あの意味のよく分からなかったあの行動がヴィルシスと同じような武器に変わった……?」

 しかし、この話を聞いてヴィルシスへの対抗できるかもしれないという可能性が出来た。
 どうしてこうなったか分析するのは後だ。今は目の前に迫りくる相手と対峙すること。

 「どうであろうと対抗できるかもしれません。終わった後から色々調べればいいだけです。今は目の前の敵に集中しましょう!」

 「ティナの言う通りだな。俺がまず奴とやる。ティナは俺と奴が戦っているのを見ていてくれ、苦しいかもしれんがな」

 そう俺が苦々しく言ったが、彼女の目に曇りはない。

 「もう迷いませんから。セリア様、メオン、エルミーユはみんなを指揮してあとの相手兵士を叩いてください」

 『了解!』

 そう皆が作戦を確認して気持ちを決めて向かうべき方向を向くと___。

 「準備はできてるようじゃねぇか」

 ヴィルシスと逃げることのなかった兵士たちがゆっくりと戦いの場にたどり着いてきた。

 「今日のお前の相手は俺だ。どうせお前は俺にしか興味がなさそうだからな」

 「ふん。うぬぼれるな。お前がティナをたぶらかしているから腹が立って殺したくてたまらないからという理由だけだ」

 俺とヴィルシスが一歩ずつ踏み出す。
 そして今にも戦闘が始まりそうなとき__。

 「シュウ!」

 その声は今回俺が守るべき少女の声で___。

 「信じてます。私と一緒に勝たなければなりません。負けたら一か月お説教ですからね?」

 「任せろ。一緒に勝つ。今回はそれが俺らの達成しなければならん目標だからな。俺は目標達成でいないことが大っ嫌いだからな。安心しろ」

 そう俺がいうとティナは少し笑って___

 「私も負けたり、目標達成できなのは大嫌いです。なのでやり遂げましょう」

 「ああ、必ず」

 駆け寄ってきたティナの指と俺の大きな爪の生えた硬い指を絡めて指切りをした。
 
 その姿を見てヴィルシスが何も感じないわけがない。だが……怒ることはなかった。
 かつて自分が築いた信頼関係。それが目の前で違うやつが築いている。
 最もこの世で恐れていたこと。それがいま目の前で___。

 「もうどうでも……いい」

 そう小さく呟くと斧を握る手をグッと力を込めてさらに一歩。
 俺もそれに合わせてティナが俺から離れたのを確認してからまた一歩。
 もういつでもお互いにスタートを切れば戦いを始められる間合いだ。
 両軍が大きく俺らを囲んでバトルフィールドを形成しているからだ。

 「覚悟しろおおおおおおおおおおおお!この青いケダモノがあああああああ!」

 「そっちこそ覚悟しろ。もうこれで終わらせる。ティナにもう付きまとわせない。もうあの子が苦しむ必要はない。お前はあの子を苦しめていた認識を惨めに地獄で見るといいさ」

 俺も剣を抜いた。
 それを見てヴィルシスは驚きに目を見開いた。

 「貴様……!どうしてそのエネルギーが!!!」

 「さぁな、どうやら色々あったらしい。セリア達の話からして同じような武器じゃないとお前の斧を壊せないんだってな。なら俺が攻撃して潰す。そしてお前はここで終わる。そうすればあの子も解放される」

 「どこまでもお前は俺をコケにして……俺の努力も何もかもを!」

 「知らねぇよ。もう罵倒のし合いはだるいし、やり合おうぜ」

 俺は構える。そうするとヴィルシスも構えて

 「覚悟しろおおおおおお!お前も地獄に落としやる!」

 「落ちるのはてめぇだけで十分だ」

 その言葉最後にお互いにスタートを切った。
 次の瞬間___。

 ものすごい金属音とバチバチとすごい音を立ててぶつかり合った。
 金属がぶつかりあうときに発生する火花と属性干渉のスパークが弾け合った。
 その様子をティナは祈るように見ていた。

 ここにシュウとヴィルシスの死闘が始まった。
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