暗黒

消えゆく街

ダットが街に着く数時間前…
タツが慌てふためいた様子でルキの元へやってきた

「ルキ！奴らが大群で…！」

それを聞いたルキが、顕微鏡に構いもせず勢いよく立ち上がる

「なんだと⁉︎本当なのか‼︎こんな時に…….くそっ！」
「もう街の半分はやられてる！ダットは⁉︎」
「まだ帰ってきてない…くそ、とにかくすぐ持てるものだけ持って逃げるぞ‼︎」

ルキとタツは慌てて荷物をまとめ、地下道を通って街の外へ出た。

「街が消えていく…」
「…なぜ……なぜ奴らはここを通ったんだ…」

今までの研究で、奴らが通らない所に街を作ってきたダット達だったが、何が起きたのか、ガルバの群れが突如となく表れ街を消し去ったのだ。
しばらくして遠くのほうから
ゴギャーーーーー
何かの鳴き声のようなものが聞こえた、それに聞き覚えのあったルキが

「ダットだ！向こうの方に居るぞ！急いで伝えに行こう！」

そして2人は獣声のする方へ向かった。しかしすれ違いでダットは街についてしまったのだ…

－現在－

ダットを待ち受けていたのは瓦礫と化した街だった。

「なんだこれは…一体何が…ルキー！タツー！」

2人を呼ぶが、返事はない。ふと後ろに気配を感じ、振り返りざまに“ソレ”を構える。

「撃つなダット！」

そこに居たのは街の人間だった。

「街の生き残りか！」
「あぁ、ルキとタツなら、あんたが持ってる“ソレの”声を聞いてどっかへ行っちまったよ」
「なんだって！」

途方に暮れ、瓦礫と化した街を眺めていると

「ダットー！ダットー！」

遠くの方からタツの声が聞こえた。