日常をつづったもの

くきはきく

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創作登山

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思うように筆が進まない。
書きたいものが多ければ多いほど、何を書けばよいのかが分からなくなる。
頭の中で霧がかかっているようだ。

山頂に登ればすべてが晴れ上がった空がすべて見えるのに、
道半ばじゃ何も見ることができない。
その矛盾した、ジレンマが人を創作に駆り立てるのかもしれない。

乾いた、うるませた目で見るパソコンの画面はいつもよりも少し暗く見えた。

馴染みのない言葉を頭から引き出して、霧を必死に追い払おうと思考を回す。
頭のなかで、思考が回り切り、意匠が、脳が肥大する。
頭が疲弊して、息が詰まりそうになる。
そして、考えるのをやめたくなる。
でも、それでは山頂に登った後の景色は見れなくなる。
未だに満足したものは見られていない。

だからこそ、考える衝動に積極的に従うほかない。
雲が床になった美しい月と星を見るために。
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