真面目だと思っていた幼馴染は変態かもしれない

火野 あかり

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第十一話 ハートに火をつけて

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 家に帰り、待ちに待ったサクヤとのセックスが近づく。
 もはや両親は何のリアクションもしない。堂々と机の上に置いてあるコンドームの箱が、毎日ひと箱ずつ減っていくのを生暖かい目で見ているようだった。
 なにせ最近はどちらかの家で寝ていることが多い。行為を終えて、そのままシャワーを浴び、二人で寝ているのだ。俺はあの時間が好きだった。小さい頃を思い出すというか、安心するのだ。寝るときと朝起きるとき、隣に誰かがいるというのは思ったよりも幸せなことだった。

「母さん、夕食までというか、俺たちが下りてくるまで部屋に来ないでくれると助かる」

「珍しいわね。帰ってすぐなんて。でもほんと、お盛んね。ちゃんと避妊しているようだけど気を付けなさいよ」

 ──返答はせずに部屋に上がる。
 親に対してどう答えればいいのか、未だ俺にはわからない。
 部屋に入ると、サクヤがいない。そう思っていると、突然後ろから抱き着いてくる。意外にも強い力だった。

「ど、どうした?」

「…………」

 サクヤは何も答えない。ただ俺の背中に顔を押し付けていた。

「嫉妬よ──今日サユリに言われたことが気になって、気になって仕方がないの」

 俺がかっこよくなったとか、そんな与太話を信じているらしい。確かに体つきは変わってきているかもしれないが、別に顔までは変わらない。

「心配するなよ……」

 俺がサクヤのほうを向こうとして振りほどこうとすると、それよりも強い力でしがみつく。

「見ないで、今の顔は見られたくないの」

「別にどんな顔でも嫌いになったりしないよ。というより見たいんだ。俺なんかのために嫉妬してくれてる顔を」

 サクヤの腕の力が緩み、俺はその隙に振りほどく。そして俺の正面に抱き着くような、そんな形にする。
 俺はサクヤの頭を撫でながら、その顔を見る。
 初めて見る、泣きそうな、そんな不安を浮かべた表情だった。

「ど、どうしたんだよ。大丈夫か?」

 俺はおろおろとしてしまう。
 普段勝気なサクヤがそんな表情をしているところを見たことがなかった。
 少しだけ目を潤ませて、口をへの字というか、そういう形にしていた。歯を食いしばっているような、そんな顔だ。

「不安なの、不安なの。怖いの……」

「だから──」

 俺の返答を待たずしてサクヤは続ける。

「今はそう言ってくれていても、サユリみたいな可愛い子に言い寄られたら、わからないじゃない」

 正直全然可愛いとは思っていない。それは本心だ。
 いや、可愛いのかもしれないが全然興味がなかった。

 俺はサクヤの両肩をつかみ、そのままキスをする。
 最初は強張っていたが、少しずつ力が抜けていく。
 口を離すと、とろんとした表情に変わっていた。

「……落ち着いた?」

「うん……ごめんなさい。最近すごく嫉妬深いの。醜いのはわかっているんだけれど」

「いや、嬉しいよ。俺なんかのために嫉妬してくれてさ。でも本当に安心していい。サクヤ以外なんて顔すらろくに覚えられないくらいなんだから」

 女子に限れば、ではあるけど。興味がなさ過ぎて名前すら覚えていない人も多い。それは美醜に関わらない。興味がないのである。
 俺の精神はだいぶ歪んでいるらしく、サクヤが比較対象で、サクヤだけが興味の対象のようだった。
 ずっとずっとサクヤに見てほしくて頑張ってきたのだから、ある意味では無理もない。
 ただ、これに気付いたのは最近のことである。

「それでも、ユウの前でくらいは可愛くいたいの」

「それが可愛いんだけどな……ここまで思ってくれて、それが可愛く見えない奴なんて、絶対にいない。いたらそいつがおかしいんだ。現に俺は小躍りでもしたいくらい嬉しい」

「……ありがとう。ユウ、今日は甘えてもいい……?」

「いつだって」

 大歓迎だ。俺はなんて幸せ者なんだろうか。

「えっち。えっちしたいの。仲直りのえっち」

「喧嘩はしてないと思うんだけど……?」

「わがままを言ったからよ。喧嘩はしたくないんだけれど、ちょっとだけ憧れていたの」

「じゃあちょっと喧嘩しようか。サクヤの甘えん坊」

「ん、そうなの、甘えん坊なの」

 小さく笑ってこちらを見つめていた。少しだけ目元が赤い。

「いや、なんか反論してほしかったんだけど……?」

「やっぱり、喧嘩はできないわ」

 俺はあきれたように息を吐いて、サクヤの頭を撫でる。表情はもちろん笑顔だ。
 サクヤはそれに集中するように、目を閉じていた。

 俺は不意打ちのようにキスをする。サクヤは一瞬だけびくっとしたが、すぐに俺の背中に手を回してきた。

「ん、ユウ……」

 サクヤが猫なで声を出す。
 高く、細い声だ。普段とは全く別のベクトルの可愛さである。
 普段からこれならば、俺の未来は最悪のものになっていただろうことを確信させるくらいの可愛さだ。

 甘えているときはこういう声を出す。一種の幼児退行なのかもしれない。普段よりもべたべたとしてくる。

 サクヤの服を脱がしていく。もうすでに何度も繰り返した作業であり、手慣れたものだ。
 この作業の途中サクヤはいつも恥ずかしそうにしている。だが恥ずかしいのは俺も同じだった。
 どうしたって体が目に入り、サクヤが見つめている俺の股間は少しずつ膨らんでしまう。

 そのまま俺も服を脱ぎ、ベッドに二人で移動する。
 すでに限界まで勃起してしまっているため、少し恥ずかしい。

「ひっ!?」

 俺が昨日の使いかけのコンドームを探して、目を離していると、サクヤがいつの間にか俺のチンポを咥えていた。突然の温度と刺激で変な声が出る。

「ん、ん♡」

 うっとりとした表情で俺のチンポを必死で舐めている。

「サ、サクヤ、あんまりされると出ちゃうから」

「だひて?♡」

「いや、サクヤと一緒にイキたいんだ。一緒に気持ちよくなりたい」

「うん……♡」

 ちゅぽっ、と音を立て、口を離す。
 射精寸前だったため、少しだけ名残惜しくも思ったが、それでもサクヤの中でイキたい。
 さっき途中だったコンドーム探しを続ける。もう限界だったのだ。
 ようやく見つけ、いざ装着、と袋を開けようとするとサクヤがそれを止める。

「やだ、やだ、や! そのまま、生がいい!」

「いや、でも、まずいだろ?」

「甘えていいって言ったじゃない! ちゃんと繋がりたいの、一つになりたいの! いちゃいちゃ、らぶらぶのえっちがしたいの!」

 いや、でも、それは、それは。そりゃ生がいい。あの感触を知っていて、我慢などしたくはない。
 さっき甘えていいと言ったからわがままを言っているのかと思うと、やっぱり可愛い。

「ユウ、お願い、お願い……精液欲しいの。見て……もうぐちょぐちょなの、おちんちん欲しいの……」

 サクヤはベッドの上で寝そべり、M字に足を開き、自分のオマンコを広げる。
 照明に照らされ、そこが透明な液体でぬるぬるとしているのがわかる。
 ピンク色の肉がパクパクとして、そこからはとろとろと液体が流れ出していた。
 そしてそれを掬い取り、あろうことか俺の亀頭に擦り付ける。
 温かい。サクヤの手の温度なのか、それとも愛液のそれなのか。

 腰が前に出てしまう。吸い込まれていくように自然に。
 頭がぼーっとする。入れたい、入りたい。それだけで頭がいっぱいだった。

「あ」

 にゅるるるっ

 気づくと俺のチンポはサクヤの中に入っていた。入れてしまっていた。
 パチュンパチュンと音を立て腰が勝手に動く。
 チンポから上がってくるサクヤのオマンコの感触で背筋がぞくぞくする。
 熱く、にゅるにゅるとして絡みつき、全体を締め付ける。

「気持ちいい、サクヤのマンコ、なんでこんな!」

「あ、ん!♡ おっきい、ユウのおちんちん、きもちぃ♡ んあ!♡」」

「はぁ、はぁ! 気持ちいい、我慢できない!」

 サクヤが背中に手を回すので、俺も倒れこみキスをする。
 上も下も繋がる感覚は最高に幸せだ。この世界で一番幸せなのは俺だと断言できる。

 口を離すとサクヤは耳元で囁くように、甘く、かすれたような声を出す。

「おちんちん、チンポ、もっと気持ちよくなって? 小さい頃からユウのことだけ考えてオナニーしてきたの。だからきっと、ユウが気持ちよくなれるようにオマンコ進化してるはずだから、いっぱい気持ちよくなって、いっぱい射精して? せーし欲しいの、精液でいっぱいにしてほしいの」

 足をぎゅっと絡め、俺が離れられないような、そんな体勢になる。
 まずい、中出ししてしまう。そう思っても腰が止まらない。中に射精したくなってしまう。
 サクヤの喘ぎ声がよりそれを増長する。ああ、やばい、結局中出ししてしまいそうだ。
 そんなことを思っている矢先───

「イク、イッちゃう、ん♡ ユウ、好き、好き、愛してる♡ 精液欲しい、精液欲しい!♡ 妊娠したい妊娠したい♡ ユウにおまんこ突かれて幸せぇ♡ あ、は、イク、イキそう! 一緒に、一緒にイキたい!」

「きもちぃ、きもちぃよぉ♡ ユウと子作りするの、きもちよすぎてイク、イク♡ おちんちんきもちぃ、精液欲しくなっちゃう♡ 孕みたくなっちゃう♡」

「ユウ、ぴゅっぴゅして?♡ おまんこの中に精液、いっぱいぴゅっぴゅして?♡ カチカチのおちんちんから、私の子宮いっぱいにぴゅっぴゅして孕ませて?♡」

「おまんこきもちぃ、きもちぃ♡ ユウのおっきいおちんちんでいっぱいで幸せ♡ 射精しよ? 射精しよ? おまんこの中にいっぱいぴゅっぴゅしよ?♡ 一緒にびくびくきもちよくなろ?♡」

「後のことなんて考えないで、無責任でいいから孕ませて? 孕ませて孕ませて孕ませて孕ませて孕ませて孕ませて孕ませて孕ませて孕ませて孕ませて孕ませて孕ませて孕ませて孕ませて孕ませて孕ませて孕ませて孕ませて孕ませて孕ませて」

 耳元で流れる言葉の洪水に、俺の理性も我慢もすべてが流れてしまう。
 サクヤの奥まで必死に突き上げ、びゅるるるっ、と勢いよく精液が放出する。
 脈動がいつまでも止まらない。体の中身がすべて出て行っているのかもしれないと思った。
 体は動かせず、足と腰は痙攣していて、感覚はすべてチンポに集中してしまう。
 あまりの快感に一瞬視界が白く染まったような、そんな幻覚を見た。

「あ! イクイク♡ ユウの精液きた、びくびくしてる!♡ いっぱいぴゅっぴゅされてるのわかる♡ すごいすごい、おちんちんすごい!♡ 孕む、孕む♡ ユウのせーしで赤ちゃんできちゃう!♡」

 絡まれた足に力を入れて、さらに奥へと要求するように俺の腰を押し付ける。
 射精の瞬間の快感が続くような、ろくに息することすらできない状態だった。
 背中に回された手には力が入り、サクヤの爪が食い込んで少し痛む。だがそれを帳消しどころか、おつりすらくれるほどの気持ちよさが続く。
 顔の真横にあるのでサクヤの表情は見えない。けれども先ほどからイキっぱなしなのはオマンコの様子から伝わってくる。
 『孕ませて』というワードに反応してしまい、俺はやはりそういう気持ちがあるのかもしれないと思った。子供が嫌いなわけじゃない。だけどサクヤを奪われてしまうような、そんな恐怖がある。

 ようやく射精も終わり、少しだけ体が回復してきたのを感じる。
 それでも起き上がることはまだ難しい。しがみついたままサクヤが離れないからだった。
 仕方がないので、いまだ恍惚とした表情のサクヤにキスをする。
 それをわかったのか、顔を近づける前に舌を上に突き出している。てらてらとした赤い肉の塊を俺は自分の舌を絡めて口に含む。いつも終わった後はこうする。確認のような、そんな感覚だった。


「それにしてもサクヤ、その、孕みたいのか?」

「ええ、というよりもユウとえっちするとき、いつもあんなことを思っているのよ。言葉にはしなかったんだけれど」

 冷静さを取り戻して、比較的いつも通りのしゃべり方になる。声もしゃべり方もギャップがすごい。
 だがまだ顔も体も赤く、肩で息をしている。

「じゃああれは本心ということか?」

「ええ。孕ませて以外の部分もすべて本心よ。恥ずかしいのだけれど、伝えたくて。気づくとすべて言ってしまっていたの」

「前の時も思ったけどあれはずるいぞ。生の時にあんな本気出されて我慢できるわけないだろ」

「我慢しなくてもいいのに。言ったでしょう? ユウの精液が欲しいのは、純然たる本心よ。それに、生でしてもらえる時はいつもよりすごく気持ちいいのよ。だから思わず声が出てしまうの」

 少しだけ赤い顔をさらに赤らめる。
 サクヤは比較的表情から感情が読みにくいタイプではあるが、顔の赤みとして出るので、仲のいい人間はきっと知っているだろう。

「それよりユウ、今日はまだ甘えてもいいのよね……?」

「ああ、いいよ」

 顔を今日一番の赤さにしてそう言った。
 相変わらず、恥ずかしいの基準はわからない。
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