ティルナノーグの扉

Erie

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星見の宴3

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 異世界だけあって、星見の宴の目玉は、舞踏会や社交だけではない。妖精王が主催だけあって、やはりマジカルイベントが宴の終焉の前に開かれる。ドワールの全大陸の種族がそれぞれの気を大地に送り込んで、お互いがバランス良く暮らしていけるように調和を施すという行事を行なってから宴がお開きとなるのだ。

「さあ、祝福の気を注ぎましょう」

 クリスタルの装置のようなものが大地の上に置かれており、それぞれの国の主君達が、一人ずつ、気を注ぐ。

 始めにエトワールの国王と王妃が共に手を重ねて、クリスタルに気を注ぐ。ピンクとブルーの気がクリスタルに注ぎ込まれて、消えた。

 次に、獣人国の狼の耳と尻尾を持った白銀の王が進み出る。白い気がクリスタルを覆って、そして、フッと消える。

 それから魔族のアルフォンソ王子が進み出た。彼が手を置くと、深い紫の気がクリスタルを包み、やがて吸い込まれていく。

 全ての王族の気が満ちた後、妖精王が進み出る

「空と、大地、命なる水と豊かな緑、このドワールを形成する全ての生を祝福します」

 彼が、祝福の言葉を送ると、クリスタルの中に吸い込まれていった全ての気が混ざり合い、輝く光に変化する。

 それから、マナナンがリナを真っ直ぐ見据えていう。

「リナ、あなたも祝福をしてください」

「えっ、私が?」

「ええ、ただ手を置いて、願うだけでいいのですよ?」

 どうしていいかあんまりわからなかったが、とりあえず、みんなが幸せで暮らせますように、と願って手を置いた。そしてその手の上に妖精王の手が重なり、

「ドワールの地に平安と幸あらんことを!」

 と、妖精王が言葉を続けた。

祝福の言葉と共に、光が大地に吸い込まれていき、全てが光に包まれていく。

 綺麗。

 光の雨。なんかマジカルなことが起こりそう。

 でも、何も起こらずに宴は終了した。


 ◇ ◇ ◇


 宴が終わって、部屋までエスコートしてくれた妖精王から、話を聞いてびっくり!

 だって、最後のイベントで大地に祝福を捧げるのは、王族か、王族を婚姻を予定するだけだなんて!知らなかった。

「そんな大事な事に私が加わってもよかったんですか?」

「リナは、異世界からここに来たのですから、違う見方をすれば、ドワールと縁があるのです。それに、私は、あなたにこそ、私と共に祝福を捧げてもらいたかった。だから、これでいいのです」

「でもっ!」

「私の意思を示す事なく、魔族の王子に求婚をされるのを黙って見ているだけ、というのは私らしくないですしね」

「マナナンの意思?」

「あなたの未来はあなたのものです。だから、あなたが異世界に戻る方法が見つかったら、私はあなたを送り出すでしょう。だけど、もし、この世界に留まることになれば、私の元にいて欲しい。私たちはまだ、出会って間もない。だけど、私は、あなたのことをもっと知りたい、共に時間を過ごしたいと思っているのですよ?」

 ええええ! 

「私のことを知ってもらいまで、答えをもらおうとは思っていません。だけど、アルフォンソだけでなく、私もあなたのことを思っていることを知っていただきたかっただけですから。おやすみなさい、リナ。良い夢を」

「おやすみなさい」

リナのおでこにキスしてから、妖精王はリナの部屋を後にした。

妖精といってもやはり女性の扱いに慣れてるのね。

モテ期はいきなりやってくるっていうけど、異世界でってのもアリなんでしょうかね?

それも、セレブな美形二人ですよ!

明日目が覚めたら、ベッドの中だった!でも驚きません。

私のどこが気に入られたのでしょうか?

謎すぎる!

リナはドキドキが止まらないまま、ベッドについた。
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