ティルナノーグの扉

Erie

文字の大きさ
20 / 22

告白

しおりを挟む
いきなり突然魔界のお城から姿を消して、心配しているに違いないと思って妖精王にアルフォンソ様と話したいと伝えると、空間からホログラムの様なものが出てきた。

「水鏡式の書簡です」

「ホログラムみたい」

「これに向かって話すとリナの姿と声が届けたい相手の水鏡に映ります」

「アルフォンソ様、突然お城を抜け出してごめんなさい。魔華の秘密がわかりました。昨日キャルーナのほとりで覚醒した時にわかったんです。でも私にはリリアナ様や他の様な方の症状はみられませんでした。力のコントロールはできませんでしたが、決して危険なものではありませんでした。私が死ぬこともありません。だけど、このまま貴方の国にいれば、ドワールにもあなたにも危険が訪れることがわかりました。だからアルフォンソ様の国にはいられなくなりました。詳しいことは話せませんが、ドワールの平和を保つために、新しい治世の元今までよりも一層豊かで良い国にしてください。今までお世話になってありがとうございました」

私がそれだけいうと、水鏡のホログラムはフッと消えた。

「アルフォンソが水を使った時に現れる様にしてあります」

「ありがとうございます」

「あなたのお話ではこの世界の王とあなたが交わってできた子供はとてつもない魔力を持つのでしょう?」

「ええ。だから、アルフォンソ様の元はもちろん他国にも行けません」

「幸い私ならそういうことにはなりませんけれどね」

「えっ?そうなの?」

「妖精は生殖行為を行うことはありませんからね。私たちは光から生まれてきます」

「私たちに子供が生まれることはありません。あなたがここにいる限りドワールは平和なままです」

「よかった」

あの並行世界の私とアルフォンソ様は今より少し年上で、愛し合い、家庭を持っていた。ティルナノーグにいる限り、少なくとも私自身にも危険が訪れることはなさそうだった。

「時渡りの力の制御が必要ですね。これから特訓をしていきましょう」

「制御できたりするの?」

「どこまできるかわかりませんが、私たちがする魔力のコントロール法を教えますから。向こうの世界に迷い込んで帰ってこられなくなったら、私が困りますからね」

「ありがとう」

「戴冠式でバタバタしていたからまだ門を開通させていませんが、そのことももう一度考え直す必要がありそうですね。国交は大切ですが、アルフォンソがこちらに頻繁に来る様になってはティルナノーグに連れ戻した意味がなくなります」

「うん」

「あなたがティルナノーグにいることで平和をもたらすという予言は成就されます。とにかく、あなたは私がお守りしますから」

「ありがとう」

妖精王に抱きしめられて、銀色のサラサラの髪が肌をくすぐる。

この人の腕の中はお日様の匂いがする。

幸せ。

ドキドキする気持ちとポカポカとした気持ちが胸の中で混ざり合う。

私、この人が好き。

一緒にいると温かい気持ちになる。

「リナ?」

「私、あなたが好き」

「リナ、私もあなたを愛しています。この命が尽きても永遠に」

美しい妖精王の唇が私の唇と重なる。羽の様なキスと優しい腕に包まれてリナは幸せに浸っていた。






























































しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

助けた騎士団になつかれました。

藤 実花
恋愛
冥府を支配する国、アルハガウンの王女シルベーヌは、地上の大国ラシュカとの約束で王の妃になるためにやって来た。 しかし、シルベーヌを見た王は、彼女を『醜女』と呼び、結婚を保留して古い離宮へ行けと言う。 一方ある事情を抱えたシルベーヌは、鮮やかで美しい地上に残りたいと思う願いのため、異議を唱えず離宮へと旅立つが……。 ☆本編完結しました。ありがとうございました!☆ 番外編①~2020.03.11 終了

【本編完結】異世界再建に召喚されたはずなのになぜか溺愛ルートに入りそうです⁉︎【コミカライズ化決定】

sutera
恋愛
仕事に疲れたボロボロアラサーOLの悠里。 遠くへ行きたい…ふと、現実逃避を口にしてみたら 自分の世界を建て直す人間を探していたという女神に スカウトされて異世界召喚に応じる。 その結果、なぜか10歳の少女姿にされた上に 第二王子や護衛騎士、魔導士団長など周囲の人達に かまい倒されながら癒し子任務をする話。 時々ほんのり色っぽい要素が入るのを目指してます。 初投稿、ゆるふわファンタジー設定で気のむくまま更新。 2023年8月、本編完結しました!以降はゆるゆると番外編を更新していきますのでよろしくお願いします。

甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜

具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」 居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。 幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。 そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。 しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。 そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。 盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。 ※表紙はAIです

令嬢から成り下がったメイドの分際で、侯爵様と目が合ってしまって

真好
恋愛
彼はメイドの私に手を差し出した。「私と、踊っていただけませんか?」 かつては公爵令嬢として、誰もが羨む生活を送っていたエルナ。 しかし、国家反逆罪で家は没落し、今は嫌な貴族の下で働く「身分落ち」のメイド。 二度と表舞台に立つことなどないはずだった。 あの日の豪華絢爛な舞踏会で、彼と目が合うまでは。 アルフォンス・ベルンハルト侯爵。 冷徹な「戦場の英雄」として国中の注目を集める、今もっともホットで、もっとも手が届かない男。 退屈そうに会場を見渡していた彼の視線が、影に徹していた私を捉えて。 彼は真っ直ぐに歩み寄り、埃まみれの私に手を差し出した。 「私と、踊っていただけませんか?」 メイドの分際で、英雄のパートナー!? 前代未聞のスキャンダルから始まる逆転劇。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処理中です...