転生王女は隣国の冷酷皇太子から逃れて美形騎士と結ばれたい!

Erie

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チェシャーフィールドの祝宴

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セシリアのヒーリングは「自分を許す」ことを受け入れてから驚きの早さで回復していった。

「もう、大丈夫ですね」

アシュタルがにっこりと微笑む。

「アシュタル様、どうもありがとうございました」

心の傷も回復し、エステのようなボディケアも受けたセシリアは最高の美しさと輝きを放っていた。

「おめでとうございます。セシリア様」

バラの花束を持ったエリアスがセシリアを迎えにきた。

「ありがとう」

レムリアのヒーリングケアは大陸で一番だったが、コストは良心的だ。誰でも健康になることが権利なので、お金のない者や国民は無料。外国からの旅行者で懐に余裕のある者は寄付金を募るというシステムらしい。

エリアスは金貨10枚を支払うと、バラの花束を抱えたセシリアと一緒にセンターを後にした。

◇ ◇ ◇

エリアスはセシリアを魔法の訓練場に連れてきた。そこにはエリアスの師匠である、緑の髪に緑の瞳のシリウスがいた。

「おお、姫さん、やっと来たな!」

「こんにちは。初めまして、シリウス様」

シリウスと顔を合わせるのは今日が初めてだが、お互いエリアスから話を聞いているので初対面のような気がしない。

「完治おめでとさん!」

「ありがとうございます。シリウス様」

シリウスはエリアスと同じぐらいの年齢だが、どこかエルフっぽいので実際はもっと年上だろうとセシリアは思った。

「今日は、エリアスの卒業試験だ。まっ、姫さんがいると、受かるかもしれないなあ?」

「絶対に受かってみせます!」

エリアスが真剣な顔でいう。

セシリアの治療の完了の日に合わせて血の滲むようような努力を重ねて来たのだ。

「エリアス…」

心配気に見つめるセシリアの頬に手を触れて、

「大丈夫ですよ。あなたのために頑張ります」

エリアスの菫色の瞳が微笑む。シリアスと同じ色の白いローブは黒髪に映える。

エリアスかっこいい…。

目を閉じて意識を集中させるエリアスをセシリアはうっとりと見つめた。

身にまとったエリアスは魔法騎士のように見える。

やがて合わせていた手のひらの間から小さな光が現れた。

エリアスが詠唱を唱えると、光は大きくなっていく。

「光の神ルーの祝福を我に与えよ。レーテの障壁で我を守り、我の守護する者にも同様の光を与えたまえ!」

エリアスの詠唱と共に肥大した光は彼だけでなく、セシリアをも包み込む。

それに向かって、シリウスが攻撃を開始する。

シリウスは魔法の風、光、土、水そして闇の全ての特性を使いこなせるのだ。闇魔法で現れた矢をエリアスの光の障壁に当て始めた。

シリウスは続けて詠唱を唱えて、狼の魔獣を出した。

闇の中から現れた魔獣は光に向かって襲いかかるが、その度に弾かれて魔力を失っていく。

「ほお、なかなか頑丈にできてるね?」

シリウスは楽しそうに無詠唱でいろいろな魔物を出していく。

次に出て来たのは一つ目でツノのある巨人たちだ。

すごい力で光の壁にパンチをしてくる。

今まで見たことのない獰猛で、恐ろしい魔物を見てセシリアは悲鳴をあげた。

「大丈夫です。セシリア様。髪1本傷つけさせません」

エリアスは詠唱を唱えた。

「リーラの矢、聖なる光よ、闇を貫け!」

あっという間に巨人たちは光の矢に突かれて消滅した。

「へえー。面白い。やるねえ!」

シリウスは最後に彼の闇魔法の中で二番目に威力のある浸食と風の剣の魔法を同時に放つ。

この攻撃でエリアスとセシリアを守る光は少し小さくなったが、守りの壁は崩れていない。

「セシリアの祝福」

エリアスがそう唱えると、全ての敵が消え失せた。

ヒュー、と口笛を吹いて、シリウスは拍手をした。

「ここまでできたら、合格だな」

「まだ、やれます!師匠!」

「一番酷いのは精神崩壊の闇魔法だよ?それは流石にできない。よって合格!」

シリウスの言葉に光魔法が消えていく。

「おめでとさん!」

「ありがとうございます」

「これだけ守れたら、人間相手では負けないよ。まあ、レベル3ぐらいの魔物でも防げるだろう」

「まあ、すごいわ!」

シリウスの言葉にセシリアが関心の声をあげた。

その言葉を聞いてエリアスは得意気な顔になった。

「セシリア様のためなら、奇跡だって起こします」

「まあ!」

ラブラブな雰囲気になりそうだったので、

「さあさあ!祝いに酒盛りに行こう!俺のおごりでな!」

とシリウスが二人をお勧めの酒屋に連れて行った。


◇ ◇ ◇

「乾杯!」

1杯のエールと小さなワインが上げられる。

エールは男二人、ワインはセシリアのものだ。

「美味しい料理も頼んだから、遠慮なく食べてくれ!」

基本ヘルシー志向のチェシャーフィールドにも異国の旅行者向けに肉や魚などボリュームのある揚げ物や煮物を料理を出すところがある。

ビーフシューのような煮込みや豚の香草の丸焼きのようなものと野菜炒め、それにパンが運ばれてくる。

「わー!!!!美味しそう!」

「センターの食事は美容にも健康にもいいが、こういうのもいいだろ?」

異国にも行くことのあるシリウスは異国人の好む料理がわかる。

「ありがとうございます。師匠!」

「よく頑張ったな!エリアス。たくさん食べてくれ!」

エリアスの背中を叩くと、3人には多すぎる料理を取り分けてくれる。

「まあ、シリウス様、ありがとうございます」

「うん。たくさん食べてくれ!」

「美味しい!」

「こんな味付けは食べたことがないですねえ」

「この地特有のハーブを使って焼いてるから、旅人にも評判がいいんだ」

基本ベジタリアンが多いチェシャーフィールドではそれ以外の料理は少なく、あっても美味しくないといわれているが、あるところには美味しいものがあるのだ。

「へえ。そうなんですの?」

「ああ。ところでお前さんたちはいつここから出るんだい?」

「明日にでも経とうと思っています」

エリアスが答える。

「明日…それは、早いな」

「ええ。ここから急いでも10日はかかりますので、出来るだけ早く出た方がいいと思いまして」

チェシャーフィールドに着いてから3ヶ月。チリアにはハインリッヒが既に訪れ、セシリアがもういないことを知って、探し回っていることだろう。この場所にい続けることも考えたが、祖国でないと結婚ができないのだ。なぜならエリアスは祖国ティルザード代3王子であったから。もっとも王になることはないので、少年の頃から騎士になるために訓練に勤しんで、ガートランドで騎士になった為、王子らしい記憶や思い出は子供の頃しかない為、騎士になった時もまだセシリアは幼かったので、このことを話していなかったのだが、小国とはいえ国の法律で王籍ではなくなり、臣下になった者も元王族としてティルザードで式を挙げなければ正式な夫婦として認められない。異国よりも自国で愛しい姫を守る為にはティールザードにに帰った方がいい。


「そうか」

「ええ。お世話になりました。師匠」

「ありがとうございました」

「じゃあ、今日はお別れパーティーだ!バンバン食べて、飲もう!」

シリウスの一声でオーダーした料理よりもさらに別の料理が運ばれて、チェシャーフィールドの最後の夜にふさわしい楽しい宴となった。

















































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