転生王女は隣国の冷酷皇太子から逃れて美形騎士と結ばれたい!

Erie

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転生王女の結婚式2

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ティールザード寺院は王家と並んで2000年の歴史のある教会だ。歴代王族を始め、上級貴族の者はここで式をあげることになっている。初代ティールザード王の母親である皇太后が他界した時に建てられた教会で、その規模だけでなく、財の限りを尽くした装飾も有名で、ティールザードの絶対神であるソラス神を祀っている。管理は協会の組織の最高峰である教会長が務めており、婚儀だけではく、王家の戴冠式や洗礼、葬儀に至るまで様々な催事が行われている。

「まあ、想像以上に大規模なところなのね?」

ティールザードの歴史の教師から知識は得ていたが、ここを訪れたのは今日が初めてだ。

寺院の前には執事のカールが待機しており、馬車から降りたセシリアとエミリアを出迎えた。

「ええ。本日の招待客は国内外の王家のゲストを始めとして800人に及びますから、ここなら入りますしね」

「元王族でこの人数なら王太子様のお式はすごいものになるでしょうねえ」

「まず、お妃選びが先になりますがね、準備はよろしいでしょうか、セシリア様?」

カールの隣には見知らぬ貴族の男性が立っていた。

「この方はセシリア様をエリアス様のところまでエスコートしていただく、レナード男爵です」

男爵はセシリアの父と同じぐらいの歳だが、茶色の髪に茶色の瞳の柔和そうな、どこにでもいるこれといった特徴のない身なりをしていた。

「6月の小さき花をエスコートできることを光栄の思います」

紳士がそういった途端、その人がセシリアの父であることがわかった。幼い頃セシリアを「6月の小さな花」と呼んでいたのだ。

声をあげそうになるセシリアに指先でしっ、とジェスチャーをする。

「さあ、参りましょう」

「はい」

寺院の扉は開かれたままだ。

姿は全く違うが、父親にエスコートされて、エミリアがトレーンを持って後ろから付き添って歩いてくれている。

音楽の流れる中1歩、1歩、歩いていく。

祭壇には教会長が、その隣にはエリアスが見えた。

一番前の席には王族一家が座っており、その2列目の席にセシリアのかつて気に入っていた首飾りをつけた茶色の髪に黒い瞳の地味な貴族女性が座っていた。

お母様だわ。

セシリアと瞳が合うと涙目で頷いてくれた。

その他の貴族たちはエリアスのゲストだけれど、

エリアス…。

かっこよすぎて涙目になる。ベールに隠されてはいるけれど、金のタッセルや勲章ついた白い軍服風の身を包んだエリアスは王子そのもので、言葉でいい表せないぐらいかっこいい。

そしてそのエリアスが近くになった時、彼女の手を父王がエリアスの手に渡された。

二人の瞳が合って、

綺麗だよというエリアスのささやきが聞こえた。

教会長と祝辞から始まり、王家に忠誠を誓う為の宣誓の後、いよいよ誓いの言葉となった。

「アルザス公爵家、エリアス・レスター・ティールザード・アルザスは我が妻にセシリアを迎え、アルザスの名を与えます」

「慎んで承ります。この瞬間よりセシリア・アルザスとして生涯を共にいたします」

誓いの宣言はいろいろあるのだが、セシリアのフルネームを明かすことができない為、貴族が平民を娶る時の宣言を元に考案されたものだった。神聖な誓いの場で偽りの名前をいうことはできないが、名乗ることもできない。元々下の名前のない平民なら式の前に正式な書類を教会に提出していれば、宣誓の時に貴族の夫の下の名前で宣誓をできることになっていた。もっともセシリアの立ち振る舞いと気品で平民の娘だと思う招待客は誰もいなかったのだが。


「神の御名の元、この二人に祝福を与え、死が二人を別つまで神の加護があらんことを」

小さな女の子がビロードの箱に収められた、金と白金の宝石が散りばめられた腕輪を持ってきた。アルザス家の紋章とアルザス量で取れる宝石が散りばめられた腕輪だ。

「誓いの儀式の象徴である、腕輪の交換を」

目の前にいるエリアスは恐ろしいぐらい美形度が増している。黒髪で菫色の瞳の超美形が白い軍服姿で微笑んでいるのだ。

エリアスがかっこよすぎて、涙目になる。

エリアスはセシリアの手をそっと掴むと、左腕に金の腕輪をはめてくれた。

「セシリア?」

エリアスに声をかけられて意識が戻ったセシリアは白銀の腕輪をエリアスのはめる。

「腕輪の交換に持って、ここに両名をアルザス公爵夫妻と認めます」

教会長の祝福を持って式が終わり、セシリアとエリアスは音楽の流れる教会内から、協会の外に出た。

周りにはアルザス領からきた領民たちでいっぱいになっていた。もちろん全ての領民が王都まで来ることはないので、ここから領地まで馬車でパレードをして、お披露目をすることになる。

お披露目の馬車は文字通りお披露目をする為のものなのでドアのない室外馬車で、花でデコレーションされている。

「さあ、セシリア、用意はいい?」

新しい公爵夫妻としての挨拶と感謝を込めてのパレードをするためにエリアスとセシリアは、公爵家の騎士たちが周りを警護する馬車に乗り込んだ。




































































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