ヒステリックワイフ

もりぞう

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車内

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「425円になります。クレジットカードでお支払いですね。、、ピッ、、、ピッ、、、、、ありがとうございました。」
アルバイトの店員が手際よくレジを打つ。

今日の夕食は、半額シールの貼られた塩鯖と味ご飯弁当と、同じく半額シールの貼られたフライドチキン2個入だ。

店内のイートインコーナーにある電子レンジで温めてから俺の愛車へ乗り込む。
と言っても、2010年式の軽自動車だが。

よく買い物にく来る近くのショッピングモールの駐車場へ移動した。もちろん人気の少ない駐車場を選んでだ。

弁当を開けて、初めに卵焼きを口にした。卵の味がわからない。
口の中は、虚しさという味しかしない。
涙が溢れそうになるのをグッとこらえ、目の前にある立体駐車場を眺める。

なぜ俺は、ここで。
こんなところで、1人で弁当を食べているのか?

ついさっきまで、会社で仕事をしていた。仕事が終わり、副業である回転寿司のアルバイトまでの時間を潰すためにぶらぶらしていた。
流石に空腹に耐えかねて、弁当を買っていた。
で、なぜこんなところで半額の弁当を食べていたのか?

昨日から別居が始まったからなのだ。

この人気の無い駐車場から、5分の距離に、妻と3人の子供たちがいる我が家がある。
新築一戸建て、セミオーダーの住宅だ。

なのに、俺は近いのに、帰れない我が家ではなく。
ショッピングモールの駐車場で。
しかも2010年式の軽自動車の車内で半額シールのついた弁当を食べていたわけだ。
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