初恋の終わりは

あんど もあ

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 王宮に戻ると、父の私室に呼び出された。

「何の御用でしょう」
 ソファーに座って父と向き合う。
「実はな、王太子を三歳下の弟のフィリップに決めようと思って」
「はあ?!」
「だって、お前には結婚相手がいないから。次の王妃が誰になるか決まらない状態の王子を王太子にしたら、反王室派につけ込まれる隙を与えるようなものだろう?」
「相手がいなくは……」
 いなくはないはずだ。王子様だぞ。

「それがいないんだ。お前と釣り合う身分の令嬢で婚約者がいないのは、9歳の伯爵令嬢と8歳の公爵令嬢だ。貴族の婚姻にこれくらいの歳の差があるのは珍しくないが、お前、どういう理由で婚約解消したか覚えているか?」
「婚約が早すぎた……」
「そんな理由で婚約解消したのに、幼い子供と婚約するのか? こいつ学習能力がないのか?と、思われるぞ」
「あ……」

「それがわかっているから、なかなかジェシカ嬢との婚約解消を言い出さないのだと思っていたよ」
「ジェ、ジェシカも相手が見つからないのでしょうか」
「今ごろ心配か。大丈夫だ。言い方は悪いがジェシカ嬢は婚約を解消された『キズモノ』だ。本来ならば家格で申し込めない者たちが、今がチャンスと申し込んでいるだろう」
 ズルい!

「わ、私は今まで王太子になるものと思ってずっと努力してきました!」
「ジェシカ嬢も同じくらい努力してたのに、無かった事にしたのはお前だろう?」
「それは……」

「そういう事だから、お前は自力で結婚相手を探せ。王太子でなければ選択の幅は広がる。仲がいいという男爵令嬢の婿に行ってもいいぞ」
「ノーラとはそういう仲では……って、男爵家に婿入り!?」
 どんだけ私の扱いは酷いんだ。

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