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第一幕:露光される盤上
未露光の静寂 ― 足首の残像、論理の欠けら
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「あ……」
千尋さんの指先が私の髪から離れた瞬間、極度の緊張からか、指先に力が入らなくなった。
机の端に置いていた消しゴムが、重力に従って床へと転がり落ちる。乾いた音が、静まり返った本棚の迷宮に場違いなほど大きく響いた。
「拾うわ……」
彼女の瞳から逃れる口実を見つけた私は、這いつくばるようにして床に視線を落とした。
150cmの小さな身体をさらに屈め、机の下の暗がりに手を伸ばす。
埃の匂いと、冷たい床の感触。
だが、そこで私の視界に飛び込んできたのは、探し求めていた消しゴムではなく、すぐ隣に立つ千尋さんの「足」だった。
「……っ」
短いソックスから覗く、細く引き締まった足首。
157cmの彼女を支えるその肉体は、夕陽の残光を反射して、陶器のように白く、けれど確かな弾力を予感させる生命力に満ちていた。
私のような、栄養をすべて脳に持っていかれたような細すぎる足とは違う。
アキレス腱の筋が美しく浮き上がり、くるぶしの骨が、彼女の持つ「女」としての完成度を無言で主張している。
(この足首に……もし、私が……)
いけない想像が、現像液のように脳内に染み出していく。
もし、このしなやかな足が、地下の暗室で私の細い肩に回されたら。
あるいは、この足首にカメラのストラップを絡め、彼女を私の盤上の駒のように「拘束」することができたなら。
私は消しゴムを握りしめたまま、その場から動けなくなった。
150cmの視点。それは、彼女のスカートの裾から伸びる絶対領域を、最も淫らに見上げるための特等席だった。
AAAカップの私の胸が、床に押し付けられる。平坦な胸元に、激しく打つ心音の振動がダイレクトに伝わり、机の下の閉鎖的な空間を、私の熱い吐息が満たしていく。
「どうしたの、芽衣ちゃん? 消しゴム、そんなに遠くまで転がっちゃった?」
頭上から、千尋さんの楽しげな声が降ってくる。
彼女はわざとらしく、片方の足を一歩、私の顔の近くへと踏み出した。
白く、滑らかな足首が、私の鼻先をかすめる。
彼女の体温と、かすかな石鹸の匂い、そして写真部特有の薬品の香りが混ざり合い、私の理性を麻痺させる。
「……拾ったわ。今、戻るから」
私は顔を真っ赤に染め、這い出すようにして立ち上がった。
けれど、脳裏に焼き付いたあの足首の残像は、目を閉じても消えることはない。
論理で武装していたはずの私の脳は、今や一人の少女の足首という「肉体の断片」によって、修復不可能なほどにハッキングされていた。
千尋さんの指先が私の髪から離れた瞬間、極度の緊張からか、指先に力が入らなくなった。
机の端に置いていた消しゴムが、重力に従って床へと転がり落ちる。乾いた音が、静まり返った本棚の迷宮に場違いなほど大きく響いた。
「拾うわ……」
彼女の瞳から逃れる口実を見つけた私は、這いつくばるようにして床に視線を落とした。
150cmの小さな身体をさらに屈め、机の下の暗がりに手を伸ばす。
埃の匂いと、冷たい床の感触。
だが、そこで私の視界に飛び込んできたのは、探し求めていた消しゴムではなく、すぐ隣に立つ千尋さんの「足」だった。
「……っ」
短いソックスから覗く、細く引き締まった足首。
157cmの彼女を支えるその肉体は、夕陽の残光を反射して、陶器のように白く、けれど確かな弾力を予感させる生命力に満ちていた。
私のような、栄養をすべて脳に持っていかれたような細すぎる足とは違う。
アキレス腱の筋が美しく浮き上がり、くるぶしの骨が、彼女の持つ「女」としての完成度を無言で主張している。
(この足首に……もし、私が……)
いけない想像が、現像液のように脳内に染み出していく。
もし、このしなやかな足が、地下の暗室で私の細い肩に回されたら。
あるいは、この足首にカメラのストラップを絡め、彼女を私の盤上の駒のように「拘束」することができたなら。
私は消しゴムを握りしめたまま、その場から動けなくなった。
150cmの視点。それは、彼女のスカートの裾から伸びる絶対領域を、最も淫らに見上げるための特等席だった。
AAAカップの私の胸が、床に押し付けられる。平坦な胸元に、激しく打つ心音の振動がダイレクトに伝わり、机の下の閉鎖的な空間を、私の熱い吐息が満たしていく。
「どうしたの、芽衣ちゃん? 消しゴム、そんなに遠くまで転がっちゃった?」
頭上から、千尋さんの楽しげな声が降ってくる。
彼女はわざとらしく、片方の足を一歩、私の顔の近くへと踏み出した。
白く、滑らかな足首が、私の鼻先をかすめる。
彼女の体温と、かすかな石鹸の匂い、そして写真部特有の薬品の香りが混ざり合い、私の理性を麻痺させる。
「……拾ったわ。今、戻るから」
私は顔を真っ赤に染め、這い出すようにして立ち上がった。
けれど、脳裏に焼き付いたあの足首の残像は、目を閉じても消えることはない。
論理で武装していたはずの私の脳は、今や一人の少女の足首という「肉体の断片」によって、修復不可能なほどにハッキングされていた。
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