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謎の園と私6~7
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6.
2年前、ある『トキシコロジー研究所』にて
研究員・長野 康太郎は男を殴る。
「君は一体なにをしたのか分かってるのか!」「長野くん! やめなさい、殴っても状況が変わるわけじゃない!」
「だまってろ! 益三!黒田、なにをしたのか分かってるのか? お前がした事は違法であり、世界のためにもならないことをしたのだぞ」
「うるさい。なぜ言い切れる? 人類は人体実験であらゆる研究をしてきたのではないのか? 動物だって人間だってそうだ。なにが悪い。新しい研究に人体実験は付き物だ!」
「このやろう!」
また殴りかかろうとする。2人の研究員が止めに入る。
「康太郎! やめるんだ! 怒りたい気持ちはわかる、今はこいつよりウイルスの件をどうにか収拾させないといけない。こいつがした事だが、気づけなかった俺らにも責任はあるんだ」
「そうだぞ長野くん!」
そう言われて、少し落ち着く康太郎。
「悪かった益三、吾郎。そうだな、今はこいつに構ってる暇はない。だが、覚えておけ! お前のした事はどんな事しても償いはできん! 出ていけ」
「償い? なにを言っている、俺のしたことは素晴らしい事だ。あのウイルスは俺の子供と言ってもいい」
「愚行な…… そう思っていられるのは今のうちだ」
会話を終え、3人は行動をする──────────
7.
今日の授業はもうすぐ体育祭なので体育はバドミントンの練習が始まった。スポーツの種類は選べる。こうとしずかはバドミントンを選んだ。あのウイルス、映像、未来の私からのお願い。色んな感情を考えてしまって、バドミントンの事に集中ができない。元々、スポーツは得意なほうではないが、バドミントンは楽しい。今日は楽しくない。疲れるだけだ。
「しずか、今日どうしたの? いつもより動きが鈍いね」
「こうちゃん。ううんなにもないよ」
「そういう時はなにかあった時でしょ?」
「わかったよ、さすが親友ね」
「当たり前でしょ」
「ねえ、もしこの体育祭が出来なくなったらどうする?」
「え? うーん、まあ悲しいは悲しいね。なんで?」「いや聞いてみただけ。もしかしたらこの世界がなくなるかもって考えたら急に集中出来なくなって」
「そういう時あるよね。ドラマや漫画でそういうの見て、こうなったら自分ってどうなるんだろ? 世界はどうなる? 先生や友達は居なくなるのかな? そう考える」
「そうなんだ。でもどうにもならないよね」
「どうにもならいんじゃない。もし現実になったら、動くしかない。例えばよく噂されてる大きな災害ってあるよね?」
「あるね、火山噴火で滅亡とか、大地震でとか」「そう。それが起きたとしてどうする?」
「どうするって、わからない経験したことないもん」
「私わね、必死でお父さんとしずかを探すよ」「え、なんで? 死んでるかもしれないよお父さんだって」
「なんでって深い理由なんてない。好きな人を探すのは普通でしょ。好きでしずかの友達してるし、お父さんはかけがえの無い人だよ、お母さんが亡くなってから私はお父さんを守るって決めたから」
「こうって凄いね、高校生にしては大人ぽい……」
「そんな事ないよ。ようは考えるより動けって事よ。悩むことはあるし、大きな壁がその度に出てくるかもしれないけど、しょうがないじゃん! 2人とも守りたいんだから考えてる余裕なんてない」
その言葉と笑顔に安心を覚える。走れメロスとはよく言ったものだ「沈む太陽の10倍速い」という表現は、どうしても早く速く親友を助けたいという一心に考える余裕もなく、一番に助けようと必死になっていたのかもしれない。人間にはそんな速く走ることはできない。だが、メロスのようにこうのように誰かのために行動できるのは最も素晴らしい事だ。
しずかはこうを見て、今まで考えていた不安はいっきに無くなる。
……To be continued
2年前、ある『トキシコロジー研究所』にて
研究員・長野 康太郎は男を殴る。
「君は一体なにをしたのか分かってるのか!」「長野くん! やめなさい、殴っても状況が変わるわけじゃない!」
「だまってろ! 益三!黒田、なにをしたのか分かってるのか? お前がした事は違法であり、世界のためにもならないことをしたのだぞ」
「うるさい。なぜ言い切れる? 人類は人体実験であらゆる研究をしてきたのではないのか? 動物だって人間だってそうだ。なにが悪い。新しい研究に人体実験は付き物だ!」
「このやろう!」
また殴りかかろうとする。2人の研究員が止めに入る。
「康太郎! やめるんだ! 怒りたい気持ちはわかる、今はこいつよりウイルスの件をどうにか収拾させないといけない。こいつがした事だが、気づけなかった俺らにも責任はあるんだ」
「そうだぞ長野くん!」
そう言われて、少し落ち着く康太郎。
「悪かった益三、吾郎。そうだな、今はこいつに構ってる暇はない。だが、覚えておけ! お前のした事はどんな事しても償いはできん! 出ていけ」
「償い? なにを言っている、俺のしたことは素晴らしい事だ。あのウイルスは俺の子供と言ってもいい」
「愚行な…… そう思っていられるのは今のうちだ」
会話を終え、3人は行動をする──────────
7.
今日の授業はもうすぐ体育祭なので体育はバドミントンの練習が始まった。スポーツの種類は選べる。こうとしずかはバドミントンを選んだ。あのウイルス、映像、未来の私からのお願い。色んな感情を考えてしまって、バドミントンの事に集中ができない。元々、スポーツは得意なほうではないが、バドミントンは楽しい。今日は楽しくない。疲れるだけだ。
「しずか、今日どうしたの? いつもより動きが鈍いね」
「こうちゃん。ううんなにもないよ」
「そういう時はなにかあった時でしょ?」
「わかったよ、さすが親友ね」
「当たり前でしょ」
「ねえ、もしこの体育祭が出来なくなったらどうする?」
「え? うーん、まあ悲しいは悲しいね。なんで?」「いや聞いてみただけ。もしかしたらこの世界がなくなるかもって考えたら急に集中出来なくなって」
「そういう時あるよね。ドラマや漫画でそういうの見て、こうなったら自分ってどうなるんだろ? 世界はどうなる? 先生や友達は居なくなるのかな? そう考える」
「そうなんだ。でもどうにもならないよね」
「どうにもならいんじゃない。もし現実になったら、動くしかない。例えばよく噂されてる大きな災害ってあるよね?」
「あるね、火山噴火で滅亡とか、大地震でとか」「そう。それが起きたとしてどうする?」
「どうするって、わからない経験したことないもん」
「私わね、必死でお父さんとしずかを探すよ」「え、なんで? 死んでるかもしれないよお父さんだって」
「なんでって深い理由なんてない。好きな人を探すのは普通でしょ。好きでしずかの友達してるし、お父さんはかけがえの無い人だよ、お母さんが亡くなってから私はお父さんを守るって決めたから」
「こうって凄いね、高校生にしては大人ぽい……」
「そんな事ないよ。ようは考えるより動けって事よ。悩むことはあるし、大きな壁がその度に出てくるかもしれないけど、しょうがないじゃん! 2人とも守りたいんだから考えてる余裕なんてない」
その言葉と笑顔に安心を覚える。走れメロスとはよく言ったものだ「沈む太陽の10倍速い」という表現は、どうしても早く速く親友を助けたいという一心に考える余裕もなく、一番に助けようと必死になっていたのかもしれない。人間にはそんな速く走ることはできない。だが、メロスのようにこうのように誰かのために行動できるのは最も素晴らしい事だ。
しずかはこうを見て、今まで考えていた不安はいっきに無くなる。
……To be continued
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