アルトリーネさんのいけない修行の日々

悪霊の盆踊り？ 赤道祭りだワッショイ・１

さて。

ここはテンプレス2世の汎用手術室前。

浅黒くスラッとした、懐かしい姿。

「いやはや、えらいことになっていたんですねぇ…」

「とりあえず理恵パイセンやジニアちゃんとの水入らずの時間も必要でしょう。ジニアちゃんの初期教育のこともありますし…」

「いえいえ。あたしが寝付いてから今までのあらましを知ってしまいましたからねぇ。とりあえずあたしが統括騎士団長に戻ればいいわけですか」

そうです。

ダリアさん、復活。

しかも娘さん…ジニアちゃんと名付けられたお子さん、促成栽培処置を受けて14歳くらいまでに育った姿で、両親の間に。

「でさぁベラちゃん、ダリアの復帰なんだけど…黒薔薇になるの？」

「それがですねパイセン…ま、そのお話はお部屋でしましょう。ジニアちゃんもちょっとついて来てね」と高木一家というべきか、パイセンが父親役ですから室見一家というべきか…ご家族一行を離宮のお部屋に連れて行きます。

あたしの乱暴ルギーニを格納庫に回していましたので、それに乗ってもらってから、エマちゃんの操作で艦載機用兼荷役用外部エレベーターを使って堤防に降ろしてもらいます。

「しかし、マリアさんから教えてもらいましたけど、本当に大変だったみたいで…」助手席で申し訳なさそうに言われるダリアさんですが、制服に注目っ。

何と赤薔薇騎士団仕様の透け網多用戦闘服です。

統括騎士団長に復職するというのに、これはなぜなのか。

そう、この間話が出ておりました、赤薔薇騎士団を率いる団長役が今不在である事が原因です。

そして黒薔薇騎士団はペルセポネーゼちゃんがいますが、彼女は改めて統括騎士団長ではなく黒薔薇専任の扱いに。

で、ダリアさんは赤薔薇扱いとなってから統括騎士団長に復職。つまり、仮に痴女皇国が全面戦争を始めた場合はアルトさんの指揮下で、全騎士団を仕切る正規軍指揮官として活動。

そして、正規戦闘部隊としての赤薔薇騎士を率いる立場になる訳です。

いわば軍のナンバー２たる立場は変わりませんけど、裏工作部隊ではなく正規軍を率いる立場に。

そして、その後ろで静かに座っているジニアちゃん。

手術室内で姉とあたしが初期教育を施していますから会話も出来ますし、話している内容も理解してくれています。

しかし、母親たるダリアさんの性格が強いのか、はたまたパイセンの躾が行き届いているのか、余計な事は喋らないようにしているみたいです。

（心配いりませんよ、これから親子3人で暮らしてもらうお部屋に案内しますから）

（承知いたしました。まだ感情を表す事に慣れていないせいだと思いますが、陛下、何とぞよろしくお願いいたします）

ええ。あたしもそうでしたけど、即成栽培者特有の感情表現や会話のぎこちなさが出ています。

ただ、ジニアちゃんの場合は克服まではかなり早いだろうという姉の判断も。

そして橋を渡って離宮前に着きます。

乱暴ルギーニを門番担当の方に預けて、あたしを先頭に離宮内へ。

4階西側のパイセンのお部屋に着きますと、パイセンが扉を開けてくれます。

部屋の間取りはあたしの部屋と同じですが、さぞや鉄ヲタ趣味に満ち満ちて…ませんね…。

唯一それらしいのは、解体された特急電車から取り外されたものだそうですけど、普通のソファの代わりに置かれたグリーン車用のごつい椅子くらいですか。

これ、回転する台座に乗っていますので、今みたいに向かい合わせの状態にされているだけでなしに大型液晶テレビの方を向けたりすることも出来るそうです。

「疲れた時はリクライニングさせて寝れるし。まぁ、疲労回復処理すればすぐ起きれるんだけどね」

で、あらかじめ待機してくれていたパイセンのお部屋付き女官の方がコーヒーを淹れてくださいます。

実はあたしがイタリア系でコーヒー派なのもありますが、日系の方やコーヒー豆の産地または消費地出身者も多い痴女宮、お茶派3割コーヒー派7割にまで比率が変わっているんです。

これはアフリカや中南米のコーヒー豆農場が稼働している証拠でもありますが、智秋記念牧場の拡張による乳製品原料…つまり牛乳の供給量が増えた事も強く影響してるんですよね。

つまり、フレッシュやミルクが購買で手に入ります。ついでに申し上げますと…アイスの話、前にも何度か出ていますが、だいたいの乳製品は罪人工場で内製出来るまでになっておりますよ。

しかし、慎重にコーヒーを飲むジニアちゃんを見ていて思ったのですが、いきなり千人卒にまで昇格とかですねぇ、大丈夫なものなのか。

あたし自身がいきなり痴女種化しているだけに、不安になる事しきり。

…はい、またしても即成栽培で産まれた子の処女をあたしが頂くハメになりまして…ものすごく気を遣うんですよ、初期教育！

決して初物を頂く云々で卑猥な顔になっている訳ではありません。むしろ言語を含む知識や経験、そして感情を学習してもらう作業でもあるだけに、失敗は許されないんですからね…。

そしてジニアちゃんはパイセンとダリアさんの愛娘です。聖女としての能力が開花するかはともかく、痴女種…それも幹部候補生としての育成が決まっています。

かてて加えて、ダリアさんが出産即火葬となる事態を避けるためにも、ほぼ自然成長かつ自然分娩でジニアちゃんを成長させていますから、より確実に正常に親の記憶を引き継いでいるかどうかを調べる必要もありましたし…。

さて、気を遣うと言えばもう一つ。

パイセンとダリアさんにとって、久々の夫婦役水入らずを邪魔する訳にはいかないでしょう。

「ジニアちゃんも正常なようですし、ではこれで」と立ち上がりかけたあたしの肩、後ろからぐっと押されます。

「ベラちゃん。気を遣うならさ、ダリアの精気備蓄量に気を使ってくれないかな」あたしの前に回って、あんた何逃げようとしてると言いたげな顔をしているパイセン。

「ぱ、パイセンの備蓄で…」

「ベラちゃん。億卒のダリアを備蓄量千万卒のあたしが満タンに出来るか、算数のレベルで計算できるんじゃないかな」

「い、いえしかし、ジニアちゃんもいますし、ほら」

「何を今更動揺してんのよ…そもそも成長早めて幹部候補課程に入れる子だから今更性的なもん見せないようにしても遅いわよ？　それに、いくらエマちゃんやまりりやベラちゃんがさ、時々精気を補給してくれてたって言っても10ヶ月、点滴や流動食で過ごしたようなもんじゃない。頼むからダリアにちゃんとしたご飯出してよっ」

「当のダリアさん本人の要望をですね…」

「ダリア。この往生際の悪い皇帝から無理矢理にでも抜き取るわよ。おらっちんぽをお出しっ」

ひいいいいい。

女は弱し、されど母は強し…いえ、このつがいの場合、パイセンは父親役ですから父は強しと言うべきでしょうか。

それに、初代様が干渉しやがります。

（理恵ちゃん今ですわっ。マリアヴェッラの珍珍を取り出しておくちで抜き取るだけでも充分いけましてよっ）

あぎゃああああっ。なすすべもなく、白金衣のおパンツ部が変形してぴーたーのーすが取り出されてしまいます。

そして、空腹な家族のために狩りに挑むメスのライオンの如く、果敢にひょっとこ顔をしてまであたしの股間でバキューム音を立てるパイセン。

その顔、もはや妻であり母のごとし。

（というかパイセン、そこまでしなくてもあたしがダリアさんにリモートドレインか直接注入した方がいいんじゃ…）

（ベラちゃんの新鮮な汁の方が効果的なの！ダリアにちゃんと栄養補給してあげて！…それにさ、あんたもイタリアンなら、キャンベルだっけ、缶詰ミートソース載せただけのスパとかアメリカのピザを貴賓食堂で出されたらどう思うの？）

これには納得せざるを得ません…パイセンの主張ですけど「ちゃんとしたご馳走をダリアさんに振る舞うこと」を、他ならぬあたしに要望している訳ですから…。

しかし、言ってみれば病み上がりめいたダリアさん。いくら痴女皇国ナンバー3級の一億卒でも、いきなりどばどは精気を流し込むのはまずい気もします。

（まずは理恵ちゃんが握っている未精製精気をダリアに流し込んで差し上げなさい。もはやダリアも精気授受の頂点でしてよ、自力で精製できる筈ですわ）と、初代様が申します。

（そしてマリアヴェッラ、ダリアが精製処理にかかれるだけの必要最低限の精製精気を渡すのです。言うなれば、長いあいだお食事をたべていなかった人に、おかゆやスープをたべさせるようなものです）

ああ、飢えていた人に固形物やまともな食事をいきなり振る舞うと危険な件と同じなのですね。

と言う訳で、パイセン…。

慌てずに慎重に行きましょうね。

せっかく復活したダリアさんを墓所送りにはしたくありませんよね？

という訳で、あんあん言い始めた二人を置いて、そろーっとお部屋を…。

その瞬間、ジニアちゃんがぐわしっ、とあたしのお尻を掴みます。

あまつさえ、お尻に当たる硬い棒の感触。

えええええ。

…ちょ、ちょっと待ちなさい！

（ちょ、初代様！ジニアちゃんって千人卒ですよね！なんであたしが簡単に捕まるんですか！早く制限外してくださいよ！）

（…マリアヴェッラ、ジニアは貴女の経験をもっと学習したがっているのです…応じて差し上げなさい…）

（そーよベラちゃん、ここは娘のためにもっ）

（あのですねぇパイセン、何のためにあたしがわざわざ処女膜破る程度で手加減したと思ってんですか！　それもパワーダウン状態で慎重にやったんですよ！　できればパイセンかダリアさんにちゃんと学習施工して欲しかったんですよ？）

（ベ、ベラ子陛下…あたしまだそこまでする体力が完璧に戻ってません…初期教育の続きと思って…）

ダリアさん、その割にパイセンのちんぽの出入りで腰が動いてますよっ。

ええい、みんな面倒くさがりよってっ。

でまぁ…現状での施工状況です。ちなみに参考資料としてアンヌマリーちゃんのステータスも置いときますね。

Zinnialiene Muromi Takagi 高木ジニアリーネ Thousand Suction (Limited Orge mode. Limited Hundred thousand.) 千人卒（限定鬼化能力者） Slut Visual. 痴女外観 Slut Visual. 痴女外観 White Rosy knights, Imperial of Temptress. 白薔薇騎士団  Executive candidate, Holy temple Academy, Imperial of Temptress. 痴女皇国聖院学院幹部候補生

Anne-Marie de Lorraine アンヌマリー Ten thousand Suction（Limited Orge mode. Limited Hundred thousand）一万卒（限定鬼化能力者） Slut Visual. 痴女外観 White Rosy knights, Imperial of Temptress. 白薔薇騎士団  Executive candidate, Holy temple Academy, Imperial of Temptress. 痴女皇国聖院学院幹部候補生

この差は何かと申しますと、アンヌマリーちゃんは既に幹部候補としての実績を順調に積み重ねているのと、連日にわたって地下で例の黒漆剣くろうるしごしらえ…黒い剣を使う練習をしているのが効いているみたいなのですよ。

この剣については連邦世界だと坂上田村麻呂という将軍様が鞍馬寺に納めた事になっていますが、比丘尼国では天女族の管轄にされて天狗衆に何かあった際に狗賓頭ぐひんがしらに預けられ、戦力となるお話を鈴鹿御前さんからお聞きしています。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/132/

つまり、うまく使えば空中戦または空を飛ぶ敵に有効な剣らしいんですよ。

それはまぁ、ともかくと致しまして。

ジニアちゃん…百日草という意味があるそうですが、ダリアさんの出家名の花の名前から取ったようですね。

ただ…無口なのはまだしも、男らしい感じです、男役。

単純に申し上げますと、女性経験の少ない男性っぽい動きなんですよ。

経験学習が上手く行ってないのでしょうか。

ええ…受け入れざるを得ません、ジニアちゃん。

頑張って覚えてくださいね。

（ベラちゃんが女性役に徹してる…）

（明日、痴女宮に雪が降りそうですやん）

あんたら、あたしを何と思ってんですかっ。

（ベラちゃーん。それはいいんだけど夕方から夕食会を兼ねて臨時幹部会議やるわよ、貴賓食堂集合ねっ）

つまり、それまでにやる事終わらせなさいという雅美さんからの無慈悲なお達しですよ…更にダリアさん復帰祝いを兼ねてるからフランス料理で行くとか言われてしまうと、余計に足が遠のくのですが。

いえ、料理に罪はありません。

しかし、あのカエル女ジョスリンのせいで何となくフレンチとかフランスという単語に忌避感がついて回る昨今のわたくしマリアヴェッラ。

うう、とりあえずはジニアちゃんに感情や会話の必要性を教えて行きますか…。

とは言えど、ジニアちゃんの外観年齢は人型決戦兵器に乗れる辺り。いわゆるロリヤ事案に該当します。

女なのに珍珍使いまくりと思われているあたしですけどね、何度も申し上げておりますけど、基本は女性ですからね。

更に申し上げますと、ジニアちゃんはお・父・さ・ん・の血を引いてるせいか、結構小柄なんですよ、長身多めの痴女皇国女官の中では。

ただ、矯正する場合にしても、これは本人の意志を尊重したいところです。

ぶっちゃけ、体型補正のプロ…と言うべきでしょうか、ダリアさんが家族にいるのは心強い話です。

まぁ、体型については…理恵パイセンはもちろん、あのたのきち田野瀬麻里子ですらいじってますからねぇ、女子ならば気にしない訳がありません。

そして、軽・く・突っ込んでおきます。これも「いつものベラちゃんの性欲処理」ではなく、あくまでもあたしを経由した女官の意識や思考、知識を学習させるためです。

正直、女官によって分け隔てすると捉えられかねません話ですが、パイセンとダリアさんの娘さんです。

将来が見込まれる…幹部登用は確実な子だけに、しっかりと人間としての基礎を覚えて欲しいのですよ。

（なんかベラちゃんがすげぇまともだ…）

（理恵さん、それは流石にまずいのでは…ベラ子陛下は教育には真剣ですよ、基本…）

うん、パイセンは後で泣かしてもいいかな、ダリアさん。

差し当たって雅美さんから招集がかかっている訳ですし、身支度をしてからルノーのミニバスに乗り込みます。

運転は雅美さん、同乗者は…あたしたちと秘書課修行中の瞳さん、そしてゼアラさんですね。

とりあえず雅美さんの右側に乗り込み、本宮を目指します。

「臨時幹部会の議題…ああ、悪霊除けのお祭りですか…」雅美さんから意識共有で流れて来た議題や関連情報に触れたあたし、渋い顔ですよ。

「そうなのよ、で、マリアちゃんが比丘尼国から帰国して司会するってさ」

「ええー、姉さんが…」悪い予感がします。

「で、作戦時期とかはちょっとうちのお盆に被るから調整したいって言ってるけどね」

「更に悪い予感がしますね」

「とりあえず話を聞くだけは聞いてみましょう」

そんな訳で、本宮の車寄せに駐車したミニバスから降りて、貴賓食堂へ。

で。端的に申します。

アンティパストオードブルの段階で既に、ちょっと待て状態。

なぜならば…ええ、壁面にスクリーンを出して投影される、日本の夏祭り各種。

更には姉に説明された案。

「盆踊りの風習がいいんじゃないかって思うんだ。ねぶたのような神輿を作ってあげて練り歩かせる方法も考えたんだけど、あの人たちの文明レベルではまず保守に手を焼く可能性がある。エリザベスみこしのような簡易な仏像を作り、それを広場に安置して中央に置き、その周囲で踊るとかどうかな」