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プロローグ
突然、異世界へ連行されました。
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ーーーー校内にチャイムが鳴り響く。
教室の時計は16:30を示している。
「今日はもう暗いから、あんまり寄り道すんなよー。」
そういって先生は教室を出ていった。
すると、教室のあちこちから、話し声が聞こえてくる。
今日は部活が無いので、早く帰ることができるのである。
そんな中、誰とも話さず、1秒の無駄も作らずに帰りの用意をする俺、田富舞杜がいた。
こうも俺が急ぐのにはとても深いわけがある。
このあと、本日発売のフィギュアを買いにいくのだ。
それもただのフィギュアではない。
知る人ぞ知るアニメ、
"キラリ☆魔法少女は14歳 ~学校生活編~"
に登場する大人気キャラクター、橋本ミミカ(通称みみたん)の制服verのフィギュアなのである。
しかもアニメイト限定で、小説版の挿絵を担当する絵師様のイラストがついてくるという素晴らしい事態なのである。
俺はこの1ヶ月間、極力出費を抑え、バイトのシフトを増やし、みみたん鑑賞(ぐへへへへタイム)のために頑張ってきたのである。
そしてその苦労が、ついに報われるのである。
ああ、はやくしたいなぁぁはははは…
「おい、手が止まってるぞー。」
その声と同時に頭を叩かれ、俺は我に返った。
俺の頭を叩いたのは、オタク友達の、有馬祐太朗である。
「あー、すぐ用意するからちょっと待ってろ」
「モタモタしてるとやばいぞー。
ほら、店の公式Twitterで、残り僅かってゆー投稿があるし、ほらこれ」
そう言って見せられた投稿には確かに、橋本ミミカのフィギュア、残り僅かです、お急ぎください!、と書かれていた。
「うおおおおやべーじゃん!!!
祐!
荷物頼んだぞ!
お前の分も買っといてやるからなーーー!!!」
そう言い残し、俺は財布だけをもって教室を飛び出した。
「おい!
ちょっと待てよ!!
…たく、仕方ねーな、持ってってやるか…。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ありがとな祐。
おかげで手に入れることが出来たよ。」
「ああ…、どういたしまして。
で、今からどうする?
もっとなんか買ってく?」
「いや、今日は今すぐにでも鑑賞したいからやめとくよ。」
全力のキメ顔で言ってやった。
「ああ…そうだよな…。
じゃ…また明日!」
「おう!」
そう言って祐太朗と別れた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「…あ、やば、これイラスト2枚ともこっちに入れてある…。
まあいいや、舞杜にはあとでLINEしとこ。」
………ケケ…
「…ん?」
……ケケケケケケ…
「…何の鳴き声だ?」
…ケケケケケケケケ…グォワ!
「ぐふ、うわっ!」
祐太朗の体に、なにか獣のようなものが飛びついた。
その瞬間、2つの体が光に包まれ、その空間から消えた。
……バサッ。
道には、袋に入ったフィギュアだけが残されていた。
教室の時計は16:30を示している。
「今日はもう暗いから、あんまり寄り道すんなよー。」
そういって先生は教室を出ていった。
すると、教室のあちこちから、話し声が聞こえてくる。
今日は部活が無いので、早く帰ることができるのである。
そんな中、誰とも話さず、1秒の無駄も作らずに帰りの用意をする俺、田富舞杜がいた。
こうも俺が急ぐのにはとても深いわけがある。
このあと、本日発売のフィギュアを買いにいくのだ。
それもただのフィギュアではない。
知る人ぞ知るアニメ、
"キラリ☆魔法少女は14歳 ~学校生活編~"
に登場する大人気キャラクター、橋本ミミカ(通称みみたん)の制服verのフィギュアなのである。
しかもアニメイト限定で、小説版の挿絵を担当する絵師様のイラストがついてくるという素晴らしい事態なのである。
俺はこの1ヶ月間、極力出費を抑え、バイトのシフトを増やし、みみたん鑑賞(ぐへへへへタイム)のために頑張ってきたのである。
そしてその苦労が、ついに報われるのである。
ああ、はやくしたいなぁぁはははは…
「おい、手が止まってるぞー。」
その声と同時に頭を叩かれ、俺は我に返った。
俺の頭を叩いたのは、オタク友達の、有馬祐太朗である。
「あー、すぐ用意するからちょっと待ってろ」
「モタモタしてるとやばいぞー。
ほら、店の公式Twitterで、残り僅かってゆー投稿があるし、ほらこれ」
そう言って見せられた投稿には確かに、橋本ミミカのフィギュア、残り僅かです、お急ぎください!、と書かれていた。
「うおおおおやべーじゃん!!!
祐!
荷物頼んだぞ!
お前の分も買っといてやるからなーーー!!!」
そう言い残し、俺は財布だけをもって教室を飛び出した。
「おい!
ちょっと待てよ!!
…たく、仕方ねーな、持ってってやるか…。」
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「ありがとな祐。
おかげで手に入れることが出来たよ。」
「ああ…、どういたしまして。
で、今からどうする?
もっとなんか買ってく?」
「いや、今日は今すぐにでも鑑賞したいからやめとくよ。」
全力のキメ顔で言ってやった。
「ああ…そうだよな…。
じゃ…また明日!」
「おう!」
そう言って祐太朗と別れた。
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「…あ、やば、これイラスト2枚ともこっちに入れてある…。
まあいいや、舞杜にはあとでLINEしとこ。」
………ケケ…
「…ん?」
……ケケケケケケ…
「…何の鳴き声だ?」
…ケケケケケケケケ…グォワ!
「ぐふ、うわっ!」
祐太朗の体に、なにか獣のようなものが飛びついた。
その瞬間、2つの体が光に包まれ、その空間から消えた。
……バサッ。
道には、袋に入ったフィギュアだけが残されていた。
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