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◆◇第一幕◇◆ 時空の監視者の愛情は伝わらない
壊れたあなたの過去①
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椅子というよりは独り掛けのソファに腰かけ、歌い続ける目の前の女性は、すっとした鼻筋に、涼し気な目元。雪のように白くて滑らかな肌は、まるで綺麗な陶器の人形のようだった。
でも、彼女は生きている。生かされている………という表現の方が正しいのかもしれないけれど。
そんな彼女は多分私より年上で、年の頃は22.3歳位だろうか。いや、表情が乏しいせいで幼く見えるだけで、もう少し上なのかもしれない。
私と同じ運命を歩んで、そして自分の意志で生きることを放棄したこの女性名前は、リンさんと言うらしい。
そう、リンさんは私とは違い、監禁した相手に名前を教えるくらい、時空の監視者であるルークに心を開いていた。
でも、ルーク曰く、今の私と同じくらいこの世界で過ごしたある日、突然壊れてしまったらしい。………ある日突然壊れた?いや絶対に、違う。
リンさんは、きっと元の世界に戻れないことに絶望して、私と同じように監禁される日々に心も体も限界を迎えてしまったのだ。
私とルークは、リンさんから数歩離れたテーブルに向かい合わせに腰掛けている。手を伸ばせば互いの指先が微かに触れ合うそんな距離。
だからルークが私に何かしようとすれば、その前に私は逃げ出すことができる。けれど、私はとても怖かった。それは今までにない、背筋がぞわりとするような恐怖。
なにせ壊れた人間と同じ部屋で過ごすという未知の経験を、現在進行形でしているのだから、怖いなんてものじゃない。しかも、それは独りではなく、二人もいる。
「初めてリンと会ったのは、かれこれ3年前だよ。君と同じあの花畑だった。あの時、リンはとても短い髪で、男の子のような恰好をしていたから、凄く驚いたのを覚えているよ」
懐かしそうに眼を細めてルークはリンさんを見つめる。
今のリンさんの髪は、肩に届いている。でもきっとその髪の持ち主はここまで伸びたことを知らないのだろう。
髪の毛の長さすら、リンさんには選ぶ権利がないのか……そんな皮肉めいたことを考えていても、ルークはさらにしゃべり続ける。
「リンとは、いっぱい話をしたよ。ああ、君もリンと同じ世界の人間なんだよね?じゃ、夜空に爆弾を打ち上げて、それを皆んなで見るって本当?あと、馬車みたいな鉄の箱が自動的に動くって本当?それと、照明が赤とか青とか色んな色があるって本当?」
矢継ぎ早に質問され、私はちょっと身を引きながら、質問を総まとめして、そうですとだけ返す。そうすれば、本気でルークは驚いた。
「へぇー。リンが言っていたことは本当だったんだね。ずっと信じきれなかったんだ。そっか……そんな不思議な世界があるんだね」
会って早々に強姦する程、不思議な世界ではない、という言葉は必死に飲み込んだ。
それにしても、さっきまでの沈黙は何だったのだろう。と思う程、ルークは饒舌だ。ただ、私との会話を望んでいるわけではない。
何と言うか、自慢のおもちゃを見せびらかせている子供のような無邪気さで、一方的にリンさんのことを私に伝えているという感じだ。
そんな自分の所有物かのように語り続けるルークが、とても不快で不気味だった。
彼もまたリンさんと同じように壊れている。ちょっとでも気を抜けば、私もこの二人と同じように自我を失ってしまいそうだ。
だからわざと露骨に顔を顰めたり、大仰に溜息を付いても、ルークは気付いていないのか、それとも私の仕草などどうでも良いのか、つらつらと流れるように語り続ける。
「リンはね、オンダイっていう学校に通っていたんだ。えっと、音楽をひたすら勉強する学校なんだって。あ、オンダイっていう言葉くらいは君でも知っているか。ごめんごめん。でも、リンの声って、とっても綺麗だろ?それに、いっぱい色んな歌を知っていて、僕に沢山、歌ってくれたんだ。でもね………」
そこでルークの言葉が途切れた。
沈黙に包まれた途端、曇り空でも雨が降っているわけでもないのに、部屋の空気が湿気を吸ったように重たくなった。
そして長い沈黙の後、ルークは深い深い溜息を付きながら口を開いた。
「────……突然、リンは殺してくれって僕に懇願してきたんだ。驚いた。ずっとリンは僕を………この世界を受け入れていると思っていたから」
そう言って、両手を組んで額を付けたルークの表情は隠れて見えない。でも、苦渋を滲ませた声に、リンさんへの執着が伝わってくる。
「……怒りより、悲しみの方が大きかったよ」
その時の事を思い出しているのだろう、ルークは組んでいる両手の力を更に込めた。でも、その指は小刻みに震えていた。
そうしているのは、思うようにいかなかった怒りのせいなのか、壊れた彼女を見て胸を痛めているのか、私には判断ができなかった。
きゅっと両手を握りしめて、言葉の続きを待つ私に、ルークは不意に顔を上げた。
「それでも、僕はリンを抱いたよ」
柔らかい笑みを浮かべているけれど、やっぱりルークの目は濁っていた。そしてその口調は、後悔や贖罪など欠片も無い、きっぱりとした口調だった。
「泣き叫ぶ彼女を無理やり組み敷いて、ここで何度も抱いた」
そう言ってルークは視線をベッドへと移した。
つられるように私もそこへ視線を移して、すぐに背けた。その光景がありありと目に浮かんだから。
リンさんは私より少し背は高いけれど、それでも華奢な身体だ。力づくでルークに押さえつけられ、蹂躙される恐怖はどれほどのものだったのだろう。
痛かっただろう。苦しかっただろう。孤独で寂しかっただろう。
リンさんはまだ歌っている。今度は別の歌を。もっともっと古い歌で、あの頃に戻りたいと切実に願う悲しい歌を鈴のような声で奏でている。
「………どうして?」
「ん?」
無意識に零れた私の言葉を拾ったルークは、くるりとこちらに視線を向けた。
「どうして、そんなことをしたんですか?」
一度口に出してしまうと、胸の内から沢山の【どうして】が溢れてくる。
どうして、自分の快楽の為だけに、女性を玩具扱いしても良いと思えるのか。
どうして、泣き叫ぶ女性に、死にかけた女性に、獣のように自分のものをねじ込むことができるのか。
どうして、死にたいと懇願する人間の生を断ち切ってくれないのか。
そして、どうして、今ここで自分が壊した女性を前にして、私にこんな話ができるのか、と。
ルークは無言で私を真っ直ぐ見つめている。それは今までのお調子者の表情ではない、真剣な眼差しで。きっとこれが本来の彼の姿なのだろう。
これまでルークは、顔を合わせればとにかく良く喋っていた。けれど今思えば、あまり私と視線を合わせ無かった。ちょっと視線が交わえば、にこりと笑ってすぐに目を逸らしていた。
面と向かって話などしたくなかったから、ずっと気付かなかったけれど、ルークはずっと私の前では、偽りの自分を見せてきたのだ。
でも、今、私から目を逸らさず、両手を組みじっと動かない。
おどけた表情は消え、こちらが戸惑うほど真率な表情になっている。きっと私の短い質問に、たくさんの問いが隠されていることに気付き、その答えを探しているのだ。
────そして、ルークが口を開きかけたその時、不意に彼女の歌が止んだ。
「あっ、ごめん。ちょっと待ってて」
弾かれたようにルークはそう言い捨てると、急ぎ足でリンさんの元へと移動する。
そして、彼はリンさんに口付けをする。顎に手を添え、角度を変えながら何度も何度も、深く口付ける。
その姿がまるで自分とバルドゥールのようで、見てはいけないものを見てしまった罪悪感と嫌悪感で思わず視線を逸らす。
でも、視線を逸らしながら気付いた。きっとルークはさっきの私の問いを、この行動で示しているのだろう。
彼らは時空の監視者の前に男だ。この世界ではきっと、ただ男であるから偉いという思想を持っているのだろう。
そして私は異世界の人間と言う前に、女だ。だから、凌辱されることも、虐げられることも、殴られるのも、全部全部、仕方がないことだと、ルークは私に伝えたいのだろう。
そしてリンさんと同じように、私が壊れても、きっとバルドゥールはルークと同じようにすると伝えたいのだろう。
カイナは私のことを【私は旦那様にとって大切な存在で、お屋敷で二番目に尊い存在】だと言った。
根本的にこの世界と元の世界の倫理観は異なっている。
この世界の人から見れば、私がバルドゥールに抱かれているのは、寵愛を受けているようにしか見えないのだ。
そして見方を変えれば、私が望んでいる慎ましいけれど、真っ当な生活は到底かなわないということ。
ああ、そうか。カイナが私に知って欲しかったのはこのことだったのだ。
でも、彼女が私に伝えたかったことは、私にとって、ただただ苦しいだけのものだった。
でも、彼女は生きている。生かされている………という表現の方が正しいのかもしれないけれど。
そんな彼女は多分私より年上で、年の頃は22.3歳位だろうか。いや、表情が乏しいせいで幼く見えるだけで、もう少し上なのかもしれない。
私と同じ運命を歩んで、そして自分の意志で生きることを放棄したこの女性名前は、リンさんと言うらしい。
そう、リンさんは私とは違い、監禁した相手に名前を教えるくらい、時空の監視者であるルークに心を開いていた。
でも、ルーク曰く、今の私と同じくらいこの世界で過ごしたある日、突然壊れてしまったらしい。………ある日突然壊れた?いや絶対に、違う。
リンさんは、きっと元の世界に戻れないことに絶望して、私と同じように監禁される日々に心も体も限界を迎えてしまったのだ。
私とルークは、リンさんから数歩離れたテーブルに向かい合わせに腰掛けている。手を伸ばせば互いの指先が微かに触れ合うそんな距離。
だからルークが私に何かしようとすれば、その前に私は逃げ出すことができる。けれど、私はとても怖かった。それは今までにない、背筋がぞわりとするような恐怖。
なにせ壊れた人間と同じ部屋で過ごすという未知の経験を、現在進行形でしているのだから、怖いなんてものじゃない。しかも、それは独りではなく、二人もいる。
「初めてリンと会ったのは、かれこれ3年前だよ。君と同じあの花畑だった。あの時、リンはとても短い髪で、男の子のような恰好をしていたから、凄く驚いたのを覚えているよ」
懐かしそうに眼を細めてルークはリンさんを見つめる。
今のリンさんの髪は、肩に届いている。でもきっとその髪の持ち主はここまで伸びたことを知らないのだろう。
髪の毛の長さすら、リンさんには選ぶ権利がないのか……そんな皮肉めいたことを考えていても、ルークはさらにしゃべり続ける。
「リンとは、いっぱい話をしたよ。ああ、君もリンと同じ世界の人間なんだよね?じゃ、夜空に爆弾を打ち上げて、それを皆んなで見るって本当?あと、馬車みたいな鉄の箱が自動的に動くって本当?それと、照明が赤とか青とか色んな色があるって本当?」
矢継ぎ早に質問され、私はちょっと身を引きながら、質問を総まとめして、そうですとだけ返す。そうすれば、本気でルークは驚いた。
「へぇー。リンが言っていたことは本当だったんだね。ずっと信じきれなかったんだ。そっか……そんな不思議な世界があるんだね」
会って早々に強姦する程、不思議な世界ではない、という言葉は必死に飲み込んだ。
それにしても、さっきまでの沈黙は何だったのだろう。と思う程、ルークは饒舌だ。ただ、私との会話を望んでいるわけではない。
何と言うか、自慢のおもちゃを見せびらかせている子供のような無邪気さで、一方的にリンさんのことを私に伝えているという感じだ。
そんな自分の所有物かのように語り続けるルークが、とても不快で不気味だった。
彼もまたリンさんと同じように壊れている。ちょっとでも気を抜けば、私もこの二人と同じように自我を失ってしまいそうだ。
だからわざと露骨に顔を顰めたり、大仰に溜息を付いても、ルークは気付いていないのか、それとも私の仕草などどうでも良いのか、つらつらと流れるように語り続ける。
「リンはね、オンダイっていう学校に通っていたんだ。えっと、音楽をひたすら勉強する学校なんだって。あ、オンダイっていう言葉くらいは君でも知っているか。ごめんごめん。でも、リンの声って、とっても綺麗だろ?それに、いっぱい色んな歌を知っていて、僕に沢山、歌ってくれたんだ。でもね………」
そこでルークの言葉が途切れた。
沈黙に包まれた途端、曇り空でも雨が降っているわけでもないのに、部屋の空気が湿気を吸ったように重たくなった。
そして長い沈黙の後、ルークは深い深い溜息を付きながら口を開いた。
「────……突然、リンは殺してくれって僕に懇願してきたんだ。驚いた。ずっとリンは僕を………この世界を受け入れていると思っていたから」
そう言って、両手を組んで額を付けたルークの表情は隠れて見えない。でも、苦渋を滲ませた声に、リンさんへの執着が伝わってくる。
「……怒りより、悲しみの方が大きかったよ」
その時の事を思い出しているのだろう、ルークは組んでいる両手の力を更に込めた。でも、その指は小刻みに震えていた。
そうしているのは、思うようにいかなかった怒りのせいなのか、壊れた彼女を見て胸を痛めているのか、私には判断ができなかった。
きゅっと両手を握りしめて、言葉の続きを待つ私に、ルークは不意に顔を上げた。
「それでも、僕はリンを抱いたよ」
柔らかい笑みを浮かべているけれど、やっぱりルークの目は濁っていた。そしてその口調は、後悔や贖罪など欠片も無い、きっぱりとした口調だった。
「泣き叫ぶ彼女を無理やり組み敷いて、ここで何度も抱いた」
そう言ってルークは視線をベッドへと移した。
つられるように私もそこへ視線を移して、すぐに背けた。その光景がありありと目に浮かんだから。
リンさんは私より少し背は高いけれど、それでも華奢な身体だ。力づくでルークに押さえつけられ、蹂躙される恐怖はどれほどのものだったのだろう。
痛かっただろう。苦しかっただろう。孤独で寂しかっただろう。
リンさんはまだ歌っている。今度は別の歌を。もっともっと古い歌で、あの頃に戻りたいと切実に願う悲しい歌を鈴のような声で奏でている。
「………どうして?」
「ん?」
無意識に零れた私の言葉を拾ったルークは、くるりとこちらに視線を向けた。
「どうして、そんなことをしたんですか?」
一度口に出してしまうと、胸の内から沢山の【どうして】が溢れてくる。
どうして、自分の快楽の為だけに、女性を玩具扱いしても良いと思えるのか。
どうして、泣き叫ぶ女性に、死にかけた女性に、獣のように自分のものをねじ込むことができるのか。
どうして、死にたいと懇願する人間の生を断ち切ってくれないのか。
そして、どうして、今ここで自分が壊した女性を前にして、私にこんな話ができるのか、と。
ルークは無言で私を真っ直ぐ見つめている。それは今までのお調子者の表情ではない、真剣な眼差しで。きっとこれが本来の彼の姿なのだろう。
これまでルークは、顔を合わせればとにかく良く喋っていた。けれど今思えば、あまり私と視線を合わせ無かった。ちょっと視線が交わえば、にこりと笑ってすぐに目を逸らしていた。
面と向かって話などしたくなかったから、ずっと気付かなかったけれど、ルークはずっと私の前では、偽りの自分を見せてきたのだ。
でも、今、私から目を逸らさず、両手を組みじっと動かない。
おどけた表情は消え、こちらが戸惑うほど真率な表情になっている。きっと私の短い質問に、たくさんの問いが隠されていることに気付き、その答えを探しているのだ。
────そして、ルークが口を開きかけたその時、不意に彼女の歌が止んだ。
「あっ、ごめん。ちょっと待ってて」
弾かれたようにルークはそう言い捨てると、急ぎ足でリンさんの元へと移動する。
そして、彼はリンさんに口付けをする。顎に手を添え、角度を変えながら何度も何度も、深く口付ける。
その姿がまるで自分とバルドゥールのようで、見てはいけないものを見てしまった罪悪感と嫌悪感で思わず視線を逸らす。
でも、視線を逸らしながら気付いた。きっとルークはさっきの私の問いを、この行動で示しているのだろう。
彼らは時空の監視者の前に男だ。この世界ではきっと、ただ男であるから偉いという思想を持っているのだろう。
そして私は異世界の人間と言う前に、女だ。だから、凌辱されることも、虐げられることも、殴られるのも、全部全部、仕方がないことだと、ルークは私に伝えたいのだろう。
そしてリンさんと同じように、私が壊れても、きっとバルドゥールはルークと同じようにすると伝えたいのだろう。
カイナは私のことを【私は旦那様にとって大切な存在で、お屋敷で二番目に尊い存在】だと言った。
根本的にこの世界と元の世界の倫理観は異なっている。
この世界の人から見れば、私がバルドゥールに抱かれているのは、寵愛を受けているようにしか見えないのだ。
そして見方を変えれば、私が望んでいる慎ましいけれど、真っ当な生活は到底かなわないということ。
ああ、そうか。カイナが私に知って欲しかったのはこのことだったのだ。
でも、彼女が私に伝えたかったことは、私にとって、ただただ苦しいだけのものだった。
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