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◆◇第一幕◇◆ 時空の監視者の愛情は伝わらない
白い色には理由がある①
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それから私達は、特に会話も無いまま並んで廊下を歩く。そしてリンさんの部屋に到着すれば既にアシュレイさんがいた。
「アカリ、おはよう。なかなかの顔色だな」
私の姿を視界に収めた途端、テーブルに着席していたアシュレイさんは軽く手を挙げてくれた。
「…………おはようございます、アシュレイさん」
含みのある笑みは、昨日の一件を指しているのだろう。でも、それを説明する前に、まずは、この部屋の持ち主に挨拶をするのが先だ。
ちなみに、ルークは入室した途端、アシュレイさんからお茶を持ってこいと言われ、すぐさま踵を返した。
命令されれば、すぐさま実行に移すのは軍人の性なのか、単にルークがアシュレイさんにパシリとして使われるのに慣れてしまっているのか判定は微妙だけれど、私にとったら些末なことなので、気に置くつもりはない。
「リンさん、おはようございます。今日こそ静かにしますので……………えっと、どうぞよろしくお願いしま───…………ひゃあ!?」
今日のリンさんは、虚空の瞳を開けて、ぼんやりと遠くを見つめていた。歌っていないのに、起きている彼女を見るのは初めてで、ちょっと新鮮だった。でもやっぱり陶器の人形のように綺麗だけれど、私の声は届かない。
ただ誰かが髪の手入れをしたのだろう。肩にかかるか、かからないかという黒髪は、いつもより艶があって、差し込む陽の光を受けて、輪にかけて綺麗だった。
と、半分見惚れながらしどろもどろに挨拶をして、最後に大人しくしますと宣言した途端、後ろからアシュレイさんに抱きしめられ、私は驚いて悲鳴を上げてしまった。宣言が秒で破られたという悲しい事実に、モノ申したい気持ちになる。
「ア、アシュレイさん!?」
昨日と変わらずそこそこの力で抱きしめられて、本日も私は、その腕から逃れることができない。でも、もがきながら、離してと目で訴えれば、悪戯っぽく笑いながらも少し悲しそうな紺色の瞳とぶつかった。
「アカリのね、」
「はい」
感情を抑えたアシュレイさんの声に、もがくのも忘れて思わず息を呑む。そんな私に、彼女は良くわからないことを言った。
「そういうところが、好きだ」
「はい?」
そういうところとは、どういうところなのだろう。あと、気付けばアシュレイさんは今日もまた、私を抱えたまま椅子に着席している。まさか、直に座れないという呪いは今日も継続しているのだろうか。
「昨日もそうだっただろ?」
「…………何がでしょうか?」
解呪の方法はあるのだろうかとよそに意識を飛ばしてしまった私は、アシュレイさんの質問に、うっかり質問で返してしまった。
けれど、アシュレイさんは気を悪くすることもなく、にこりと笑って教えてくれた。
「リンに話しかけるところ」
それは後ろから抱きしめられる程、すごいことなのだろうか。ちょっと腑に落ちない。納得できない気持ちを隠せずに首を捻った私に、アシュレイさんは寂しそうに笑いながら、今度は私の手に指を絡ませて言葉を続けた。
「私はね、恥ずかしい話、リンがこうなってから一度も声を掛けることがなかったんだ」
頭上から降ってくるその声音は、まるで懺悔をしているように、苦しそうだった。
「リンが生きていることはわかっている。でも、自分の声が届かないと分かっていて、話しかけることが怖くてできなかったんだ………いや、はっきり言おう。無駄な行為と思っていたんだ」
きっぱりと言い切ったアシュレイさんは、懺悔をしたあとのすがすがしさからは程遠い息を吐いた。
「昨日の当たり前のようにリンに言葉をかけるアカリを見てね、自分がどれだけ愚かな間違いをしていたかということを、気付かされたよ。はは………私は軍人なのに弱虫だな」
昨日帰り際に見たアシュレイさんの驚いた顔の理由がわかった。けれど今の言葉には、力いっぱい首を横に振って、全力で否定させてもらう。これはどちらが正しくて、どちらが間違っているという問題ではない。
アシュレイさんが、リンさんに話しかけるのが怖いと思うのは、仕方のないこと。なぜなら、彼女は自我のあった頃のリンさんを知っているのだから。言い換えるなら、ギャップが強すぎて心が追いついていないだけ。
そして、私は今のリンさんしか知らないから、何の抵抗もなく話しかけることができるのだ。
本当のところ、無駄な行為と言われたことは、多少ショックだった。でも、これも飾らないアシュレイさんの本音なのだろう。
それに私はシュレイさんの口から『すごいねー、私にはできないわ』という言葉が出なかったことに、内心ほっとしている。この言葉は、まるで尊敬しているように聞こえるけれど、他人事のようにも取れてしまうものだから。
そんなふうに胸の内では沢山の言葉があふれてくる。でもそれをいざ口にしようとすると、喉がつまって言葉にできない。最近の私は、ずっとこれの繰り返しだ。自分の複雑な気持ちを上手に伝えることができなくて、悩んでばかりいる。
いつか、まごつかずに、きちんと相手の心に届く言葉を選んで、ちゃんと伝えることができるのだろうか。でも、思うだけではいつまで経ってもこのままで、できるようになる為には練習が必要だ。いや、違う。きっと勇気が必要なのだろう。
「リンさんの髪………アシュレイさんがやってあげたのですか?」
昨日、バルドゥールに向かって、ちょっとだけ勇気を出したことを思い出しながら口を開く。そうすれば、アシュレイさんは穏やかな声で返してくれた。
「………ああ。ルークは男だから、そこまで気が回らないからな」
「とっても素敵です」
話しかけるのが怖かった、無駄なことだと思った。そう思っていたのに、再びリンさんに触れるアシュレイさんが居る。これが一番大切なこと。
でも、伝えたい言葉を凝縮しすぎて、ちゃんと伝わったか不安になる。とはいえ、これが今の私の精一杯だった。足りない分はアシュレイさんの手をぎゅっと握り返すことで補うことにする。そうすれば、アシュレイさんも強く握り返してくれた。
そんな中、控えめなノックの音が聞こえてきた。
「お茶、持ってきたよ」
まるで計ったかのようなタイミングでルークはお茶の入ったトレーを手にして、入室した。
いや、きっとルークは扉越しに私達の会話を聞いていたのだろう。でも、立ち聞き厳禁とは思わない。むしろ、助け舟を出して貰えて、ちょっぴり感謝までしてしまう。
けれど、その感謝の気持ちは長くは続かなかった。なぜなら、ルークは当然といった感じで、湯気の立つティーカップを二つ、アシュレイさんの前に置いたから。
………いやいや、なぜに二つ置く?もう私はアシュレイさんの膝の上が固定席になってしまったのだろうか。それは、ちょっと困る。
「アシュレイさん、降ろしてください」
今日こそきちんと椅子に腰かけて、今後のことについて話し合いたい。けれど、昨日に引き続き、アシュレイさんは、私を膝から降ろす気は無いようだった。
「だーめー。アカリは、ここ。椅子は二つしかないんだから、こいつの席がなくなるだろ?」
その言い方はズルい。思わずジト目でアシュレイさんを睨めば、彼女はふわりと目を細めて私の視線を受け止める。………こんな綺麗な微笑を浮かべるなんてもっとズルい。
そして敵わない相手と対峙することを放棄した私は、すぐさま、コイツと呼ばれた栗色の髪の軍人に視線を向けた。そうすれば『どっちでもいい。でも、面倒事はごめんだから、これ以上ごねるなよ』という視線が返ってきた。
なるほど。中立という体で、我関せずを貫き通したいのなら、私は彼に気遣う必要はない。
「ルークさんは立っていても大丈夫です」
きりっと表情を変えて、静かに言い切った私に、アシュレイさんは、理由を問い詰めるかのように、私の顔を覗き込む。どうしよう、勢いで言ってしまったけれど、理由まで考えていなかった。
「だって………」
「だって?」
「その…………ルークさんは、軍人さんですから。立ち姿のほうが似合います」
思いつくままを口にすれば、アシュレイさんは弾かれたように爆笑した。
「なるほど、それなら仕方がないな」
まいったという風にアシュレイさんが腕を離してくれた瞬間、私はすかさず向かいの席に移動する。
ちなみに、すれ違いざまにルークから小声で『アカリ、君、言うようになったねー』と言われたけれど無視することにした。
そんなわけで、私はアシュレイさんの向かいに腰かけて、ルークはその間に立つ。そして凛と張りのある声音でアシュレイさんが口を開けば、一気にこの部屋に緊張が走った。
「じゃ、時間も限りがあるから、そろそろこれからについて話し合おう」
その言葉にルークは静かにうなずく。私も、まるで会議室に踏み入れたかのように、きちんと居ずまいを正して一礼した。
「アカリ、おはよう。なかなかの顔色だな」
私の姿を視界に収めた途端、テーブルに着席していたアシュレイさんは軽く手を挙げてくれた。
「…………おはようございます、アシュレイさん」
含みのある笑みは、昨日の一件を指しているのだろう。でも、それを説明する前に、まずは、この部屋の持ち主に挨拶をするのが先だ。
ちなみに、ルークは入室した途端、アシュレイさんからお茶を持ってこいと言われ、すぐさま踵を返した。
命令されれば、すぐさま実行に移すのは軍人の性なのか、単にルークがアシュレイさんにパシリとして使われるのに慣れてしまっているのか判定は微妙だけれど、私にとったら些末なことなので、気に置くつもりはない。
「リンさん、おはようございます。今日こそ静かにしますので……………えっと、どうぞよろしくお願いしま───…………ひゃあ!?」
今日のリンさんは、虚空の瞳を開けて、ぼんやりと遠くを見つめていた。歌っていないのに、起きている彼女を見るのは初めてで、ちょっと新鮮だった。でもやっぱり陶器の人形のように綺麗だけれど、私の声は届かない。
ただ誰かが髪の手入れをしたのだろう。肩にかかるか、かからないかという黒髪は、いつもより艶があって、差し込む陽の光を受けて、輪にかけて綺麗だった。
と、半分見惚れながらしどろもどろに挨拶をして、最後に大人しくしますと宣言した途端、後ろからアシュレイさんに抱きしめられ、私は驚いて悲鳴を上げてしまった。宣言が秒で破られたという悲しい事実に、モノ申したい気持ちになる。
「ア、アシュレイさん!?」
昨日と変わらずそこそこの力で抱きしめられて、本日も私は、その腕から逃れることができない。でも、もがきながら、離してと目で訴えれば、悪戯っぽく笑いながらも少し悲しそうな紺色の瞳とぶつかった。
「アカリのね、」
「はい」
感情を抑えたアシュレイさんの声に、もがくのも忘れて思わず息を呑む。そんな私に、彼女は良くわからないことを言った。
「そういうところが、好きだ」
「はい?」
そういうところとは、どういうところなのだろう。あと、気付けばアシュレイさんは今日もまた、私を抱えたまま椅子に着席している。まさか、直に座れないという呪いは今日も継続しているのだろうか。
「昨日もそうだっただろ?」
「…………何がでしょうか?」
解呪の方法はあるのだろうかとよそに意識を飛ばしてしまった私は、アシュレイさんの質問に、うっかり質問で返してしまった。
けれど、アシュレイさんは気を悪くすることもなく、にこりと笑って教えてくれた。
「リンに話しかけるところ」
それは後ろから抱きしめられる程、すごいことなのだろうか。ちょっと腑に落ちない。納得できない気持ちを隠せずに首を捻った私に、アシュレイさんは寂しそうに笑いながら、今度は私の手に指を絡ませて言葉を続けた。
「私はね、恥ずかしい話、リンがこうなってから一度も声を掛けることがなかったんだ」
頭上から降ってくるその声音は、まるで懺悔をしているように、苦しそうだった。
「リンが生きていることはわかっている。でも、自分の声が届かないと分かっていて、話しかけることが怖くてできなかったんだ………いや、はっきり言おう。無駄な行為と思っていたんだ」
きっぱりと言い切ったアシュレイさんは、懺悔をしたあとのすがすがしさからは程遠い息を吐いた。
「昨日の当たり前のようにリンに言葉をかけるアカリを見てね、自分がどれだけ愚かな間違いをしていたかということを、気付かされたよ。はは………私は軍人なのに弱虫だな」
昨日帰り際に見たアシュレイさんの驚いた顔の理由がわかった。けれど今の言葉には、力いっぱい首を横に振って、全力で否定させてもらう。これはどちらが正しくて、どちらが間違っているという問題ではない。
アシュレイさんが、リンさんに話しかけるのが怖いと思うのは、仕方のないこと。なぜなら、彼女は自我のあった頃のリンさんを知っているのだから。言い換えるなら、ギャップが強すぎて心が追いついていないだけ。
そして、私は今のリンさんしか知らないから、何の抵抗もなく話しかけることができるのだ。
本当のところ、無駄な行為と言われたことは、多少ショックだった。でも、これも飾らないアシュレイさんの本音なのだろう。
それに私はシュレイさんの口から『すごいねー、私にはできないわ』という言葉が出なかったことに、内心ほっとしている。この言葉は、まるで尊敬しているように聞こえるけれど、他人事のようにも取れてしまうものだから。
そんなふうに胸の内では沢山の言葉があふれてくる。でもそれをいざ口にしようとすると、喉がつまって言葉にできない。最近の私は、ずっとこれの繰り返しだ。自分の複雑な気持ちを上手に伝えることができなくて、悩んでばかりいる。
いつか、まごつかずに、きちんと相手の心に届く言葉を選んで、ちゃんと伝えることができるのだろうか。でも、思うだけではいつまで経ってもこのままで、できるようになる為には練習が必要だ。いや、違う。きっと勇気が必要なのだろう。
「リンさんの髪………アシュレイさんがやってあげたのですか?」
昨日、バルドゥールに向かって、ちょっとだけ勇気を出したことを思い出しながら口を開く。そうすれば、アシュレイさんは穏やかな声で返してくれた。
「………ああ。ルークは男だから、そこまで気が回らないからな」
「とっても素敵です」
話しかけるのが怖かった、無駄なことだと思った。そう思っていたのに、再びリンさんに触れるアシュレイさんが居る。これが一番大切なこと。
でも、伝えたい言葉を凝縮しすぎて、ちゃんと伝わったか不安になる。とはいえ、これが今の私の精一杯だった。足りない分はアシュレイさんの手をぎゅっと握り返すことで補うことにする。そうすれば、アシュレイさんも強く握り返してくれた。
そんな中、控えめなノックの音が聞こえてきた。
「お茶、持ってきたよ」
まるで計ったかのようなタイミングでルークはお茶の入ったトレーを手にして、入室した。
いや、きっとルークは扉越しに私達の会話を聞いていたのだろう。でも、立ち聞き厳禁とは思わない。むしろ、助け舟を出して貰えて、ちょっぴり感謝までしてしまう。
けれど、その感謝の気持ちは長くは続かなかった。なぜなら、ルークは当然といった感じで、湯気の立つティーカップを二つ、アシュレイさんの前に置いたから。
………いやいや、なぜに二つ置く?もう私はアシュレイさんの膝の上が固定席になってしまったのだろうか。それは、ちょっと困る。
「アシュレイさん、降ろしてください」
今日こそきちんと椅子に腰かけて、今後のことについて話し合いたい。けれど、昨日に引き続き、アシュレイさんは、私を膝から降ろす気は無いようだった。
「だーめー。アカリは、ここ。椅子は二つしかないんだから、こいつの席がなくなるだろ?」
その言い方はズルい。思わずジト目でアシュレイさんを睨めば、彼女はふわりと目を細めて私の視線を受け止める。………こんな綺麗な微笑を浮かべるなんてもっとズルい。
そして敵わない相手と対峙することを放棄した私は、すぐさま、コイツと呼ばれた栗色の髪の軍人に視線を向けた。そうすれば『どっちでもいい。でも、面倒事はごめんだから、これ以上ごねるなよ』という視線が返ってきた。
なるほど。中立という体で、我関せずを貫き通したいのなら、私は彼に気遣う必要はない。
「ルークさんは立っていても大丈夫です」
きりっと表情を変えて、静かに言い切った私に、アシュレイさんは、理由を問い詰めるかのように、私の顔を覗き込む。どうしよう、勢いで言ってしまったけれど、理由まで考えていなかった。
「だって………」
「だって?」
「その…………ルークさんは、軍人さんですから。立ち姿のほうが似合います」
思いつくままを口にすれば、アシュレイさんは弾かれたように爆笑した。
「なるほど、それなら仕方がないな」
まいったという風にアシュレイさんが腕を離してくれた瞬間、私はすかさず向かいの席に移動する。
ちなみに、すれ違いざまにルークから小声で『アカリ、君、言うようになったねー』と言われたけれど無視することにした。
そんなわけで、私はアシュレイさんの向かいに腰かけて、ルークはその間に立つ。そして凛と張りのある声音でアシュレイさんが口を開けば、一気にこの部屋に緊張が走った。
「じゃ、時間も限りがあるから、そろそろこれからについて話し合おう」
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