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◆◇第一幕◇◆ 時空の監視者の愛情は伝わらない
♪あなたへの贈り物④
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「ご、ごめんなさい。あの…………そんなつもりは───」
「駄目だ」
私の言葉を遮ったバルドゥールの口調は有無を言わせないものだった。けれど、その瞳は熱を孕んでいる。はっきりと言ってしまえば、雄の色を湛えるそれだった。
そして金色の瞳が写す私の姿は、怯えて竦んでいると思っていたのに、熱に浮かされているかのように、口を微かに開けて瞳を潤ませていた。こんな姿、私じゃない。それに、こんな淫らな私をバルドゥールに見られたくない。
そんな思いでバルドゥールから顔を背けようとしたけれど、大きな手が私の顎を優しく掴んだ。
「アカリ、俺はずっと性に不慣れなお前に無体なことをしてはいけないと自制していた。だが、」
【、】で区切ったバルドゥールの言葉に、嫌な予感がする。いや、嫌な予感しかしない。そしてその予感は、もちろん現実となるのだけれど、その前に────。
「随分と余裕が出てきたようで、俺はとても嬉しく思う。それに、」
結論を聞く前に再び【、】で区切られてしまった。思わず、息を呑む。そんな私に向かって、バルドゥールはついばむような口付けを落としてこう言った。
「こうしてアカリから誘ってくれた。.........ずっと待っていた」
唇を離して、そのまま私の耳元に向かって吐息交じりにそう囁かれたと思った途端、荒々しい口付けをされ、身体が強張る。
「嫌っ」
顔を背け、威圧的な口付けを拒んだ私に、バルドゥールは慌てて唇を離した。
「…………すまなかった」
バルドゥールは我に返ったようで、すぐに謝罪の言葉を紡いだ。けれど、先程の言葉は撤回する気は更々無いようで────。
「今日は、とことん付き合ってもらう」
というぞっとする言葉を言った。心臓をわし掴みするような、美しい笑みを浮かべて。
「い……や…………むり…………です」
その微笑に魅了されたのは一瞬のこと。でも慌てて渾身の力で首を横に振ってもがいても、抱き上げられている状態なので、バルドゥールの腕から逃れることができない。
更に言ってしまうと身体は火照り続け、私の意思とは関係なしに、バルドゥールを受け入れているそこは、溢れ出るものを止めることができない。
隠したいけれど、この状態では隠しようがない。そして、もちろん繋がった状態でいるバルドゥールなら目を閉じていたってわかること。
そんな彼は、だれがどう見ても加虐嗜好としか思えない笑みを浮かべてこう言った。
「無理かどうかは、アカリの身体に聞くとしよう」
その言葉と同時に、彼のものが私の一番深いところまで突き上げる。
「お、お願い。や、やめて...............もう、無理............」
縋るように手を伸ばせば、バルドゥールは私の指に手を絡ませ、額に優しい口づけを落としてくれた。けれど、私を突き上げるものは一向に止まる気配が無い。なのに、激しく腰を突き上げながらも、絶対に痛みを与えることはしない。
そして下から上に突き上げられれば、バルドゥールの熱いものはまるで別の生き物のように跳ね、いつも以上に彼が私の中にいる感覚をもたらす。
「.........やめて。こんなの初めてで…………怖い………ああっ。んっ」
私を貫く彼のものは火傷しそうな程熱くて、突き上げられるたびに、甘い喘ぎとなって口から零れ落ちてしまう。
その喘ぎを掬い上げるかのように、バルドゥールは私の唇に舌を差し入れ掻きまわす。
「あ…………んっ…………はぁ………ん、んっ………ああっ」
何も考えれない程の激しい快楽の渦に飲み込まれたと思った途端、私は絶頂を迎えてしまった。そして、バルドゥールは、がくりと力を無くし崩れそうになった私の身体を背後から支えてくれたけれど、腰の動きは一向に止まる気配はない。
そして、私は彼の膝の上で意のままに操られ、再び絶頂を迎えてしまった。あまりの激しさに意識が遠のきそうだ。そんな中、バルドゥールの苦しそうな声が耳朶に響く。
「アカリ、このまま…………いいか?」
その問いかけは、私に答えを求めるものではなかった。言い終えた瞬間、バルドゥールは私を膝に置いたまま、低く呻いて熱いものを吐き出した。
いつもと違う姿勢で断続的に吐き出されるそれに、びくりと身体が跳ねる。でも意識を保つのは、もう限界だった。
「………アカリ…………大丈夫か?」
遠くでバルドゥールの気遣う声が聞こえる。けれど、私は彼の厚い胸板に全てを預けるようにもたれると、そのまま意識を手放してしまった。
「駄目だ」
私の言葉を遮ったバルドゥールの口調は有無を言わせないものだった。けれど、その瞳は熱を孕んでいる。はっきりと言ってしまえば、雄の色を湛えるそれだった。
そして金色の瞳が写す私の姿は、怯えて竦んでいると思っていたのに、熱に浮かされているかのように、口を微かに開けて瞳を潤ませていた。こんな姿、私じゃない。それに、こんな淫らな私をバルドゥールに見られたくない。
そんな思いでバルドゥールから顔を背けようとしたけれど、大きな手が私の顎を優しく掴んだ。
「アカリ、俺はずっと性に不慣れなお前に無体なことをしてはいけないと自制していた。だが、」
【、】で区切ったバルドゥールの言葉に、嫌な予感がする。いや、嫌な予感しかしない。そしてその予感は、もちろん現実となるのだけれど、その前に────。
「随分と余裕が出てきたようで、俺はとても嬉しく思う。それに、」
結論を聞く前に再び【、】で区切られてしまった。思わず、息を呑む。そんな私に向かって、バルドゥールはついばむような口付けを落としてこう言った。
「こうしてアカリから誘ってくれた。.........ずっと待っていた」
唇を離して、そのまま私の耳元に向かって吐息交じりにそう囁かれたと思った途端、荒々しい口付けをされ、身体が強張る。
「嫌っ」
顔を背け、威圧的な口付けを拒んだ私に、バルドゥールは慌てて唇を離した。
「…………すまなかった」
バルドゥールは我に返ったようで、すぐに謝罪の言葉を紡いだ。けれど、先程の言葉は撤回する気は更々無いようで────。
「今日は、とことん付き合ってもらう」
というぞっとする言葉を言った。心臓をわし掴みするような、美しい笑みを浮かべて。
「い……や…………むり…………です」
その微笑に魅了されたのは一瞬のこと。でも慌てて渾身の力で首を横に振ってもがいても、抱き上げられている状態なので、バルドゥールの腕から逃れることができない。
更に言ってしまうと身体は火照り続け、私の意思とは関係なしに、バルドゥールを受け入れているそこは、溢れ出るものを止めることができない。
隠したいけれど、この状態では隠しようがない。そして、もちろん繋がった状態でいるバルドゥールなら目を閉じていたってわかること。
そんな彼は、だれがどう見ても加虐嗜好としか思えない笑みを浮かべてこう言った。
「無理かどうかは、アカリの身体に聞くとしよう」
その言葉と同時に、彼のものが私の一番深いところまで突き上げる。
「お、お願い。や、やめて...............もう、無理............」
縋るように手を伸ばせば、バルドゥールは私の指に手を絡ませ、額に優しい口づけを落としてくれた。けれど、私を突き上げるものは一向に止まる気配が無い。なのに、激しく腰を突き上げながらも、絶対に痛みを与えることはしない。
そして下から上に突き上げられれば、バルドゥールの熱いものはまるで別の生き物のように跳ね、いつも以上に彼が私の中にいる感覚をもたらす。
「.........やめて。こんなの初めてで…………怖い………ああっ。んっ」
私を貫く彼のものは火傷しそうな程熱くて、突き上げられるたびに、甘い喘ぎとなって口から零れ落ちてしまう。
その喘ぎを掬い上げるかのように、バルドゥールは私の唇に舌を差し入れ掻きまわす。
「あ…………んっ…………はぁ………ん、んっ………ああっ」
何も考えれない程の激しい快楽の渦に飲み込まれたと思った途端、私は絶頂を迎えてしまった。そして、バルドゥールは、がくりと力を無くし崩れそうになった私の身体を背後から支えてくれたけれど、腰の動きは一向に止まる気配はない。
そして、私は彼の膝の上で意のままに操られ、再び絶頂を迎えてしまった。あまりの激しさに意識が遠のきそうだ。そんな中、バルドゥールの苦しそうな声が耳朶に響く。
「アカリ、このまま…………いいか?」
その問いかけは、私に答えを求めるものではなかった。言い終えた瞬間、バルドゥールは私を膝に置いたまま、低く呻いて熱いものを吐き出した。
いつもと違う姿勢で断続的に吐き出されるそれに、びくりと身体が跳ねる。でも意識を保つのは、もう限界だった。
「………アカリ…………大丈夫か?」
遠くでバルドゥールの気遣う声が聞こえる。けれど、私は彼の厚い胸板に全てを預けるようにもたれると、そのまま意識を手放してしまった。
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