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◆◇第一幕◇◆ 時空の監視者の愛情は伝わらない
この溢れる気持ちは幸福と呼ぶもので
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時空の監視者達は、異世界の人間を護る為に最善の方法を選んだ。私はそう理解している。そして、これで良かったんだとも思っている。
でも、どうやら彼らは私が思っているよりも、この国賓という状況は、とてもとても不本意のようだった。
ならどうすれば良かったのだろう。どうやったら彼らがこんな顔をしなくて済んだのだろう。そんなことを考えても答えなど出るわけは無い。ただただ、温度差を感じて途方に暮れるだけ。
そんな中、いつの間にか顔を上げたエルガーが口を開いた。不機嫌というよりは、不貞腐れたという表現がぴったりの口調で。
「ええ、そうですよ。アカリ様の言う通り、あなたを国賓にするのが最善の方法だったんですよ。それしかなかったんですよ。それに………………」
「それに、何ですか?」
すかさず問うた私に、エルガーは口元に手を当て少し間を置く。多分、言葉を選んでいるのだろう。じっと待つこと数秒、彼はひどく言いにくそうに、こう言った。
「…………義理を通すためでもあったんです」
「義理、ですか。…………えっと誰にですか?バルドゥールさんですか?」
同時に二つの質問をしてしまったけれど、エルガーは嫌な顔などせず答えてくれた。困った顔はしていたけれど。
「隊長ではないです。それに、アカリ様を国賓とするのは、隊長が一番嫌がっていました」
「そうなんですか。えっとじゃあ、誰なんですか?.........と聞いても良いですか?」
「………………申し訳ありません。詳しいことは私達の口からはお伝えできません。ただ…………隊長なら、きっと説明してくれると思います。というか、隊長に聞いて下さい。お願いします」
「そ、そうします」
そうだ忘れていた。彼らは上官から余分なことを喋るなと言われているのだ。だから、彼らをこれ以上問い詰めるのは、少々酷なこと。それに、色々突っ込んだ質問をしてしまったけれど、実は、私はそんなに真相を知りたいわけではない。
なぜなら、もう、彼らの怒る表情を見て、不満げな表情を見て、私は既に国賓としての立場を受け入れている。
確かに王様から国賓………いや、国民としては受け入れらないと言われた時、私は悔しかったし、認めて欲しかった。その気持ちは嘘ではない。
でも、私はこの世界の誰にも伝えていない、私だけが抱えている秘密がある。この地が私にとって絶望の果てに飛び込んだ奈落の底だということを。
元の世界で、私はあの日もがき苦しんで、全てを諦めて、終わりにしようとしたのだ。ずっと頑張っていたつもりだったけれど、持ちこたえられなくって、自ら命を絶ったのだ。だからきっと、たどり着く先は地獄しかないと思っていた。
卑屈な考え方かもしれないけれど、そんな私が幸せなんか求めちゃいけないと思っている。多くを望むなんて、恥ずべき行為だと。身の丈を弁えないといけないことをちゃんとわかっている。
そう、わかっているはずなのに、ここは地獄なんかではなかった。穏やかで優しくて光が満ち溢れている世界だったのだ。
元の世界では、私は一つの国に存在を認められていた。けれどそこは、とても目まぐるしくて、慌しくて、濁流に飲み込まれそうになる日常を必死に生きていくだけの世界で、穏やかさとは遠くかけ離れた場所だった。
なのに、ここにいる人達は、ちゃんと私に語りかけてくれる。かけがえのないものを与えてくれる。個として認めてもらえない私の為に感情を動かしてくれる。それは、とても尊いこと。
だからここに居れるのなら、私はどんな立場でも良い。もっと言うなら立場なんてどうでも良い。この立ち位置がが誰かの役に立つのなら、それだけで嬉しい。そう思わせてくれたのは、今ここに居る人達だ。
本当に、今日、ここに来て良かった。
そう心の中で噛み締めていたら、反対に口元は綻んでしまう。瞬間、ここに居る彼らは、はっと、目を瞠った。瞬きを忘れてしまったかのように、私を食い入るように見つめている。
しまった。ここはぴしっとするべきだ。なのに、どうやっても嬉しい気持ちは隠すことができない。なので、私は表情を変えることを諦めて、彼らにこの思いを伝えることを選んだ。
「皆さん、怒ってくれてありがとうございます。でも、私はこれで良いんだと思っています。確かにお客様扱いは寂しいです。ただ.........あの、聞いて下さい」
そこまで言って、気付く。堪えようとしても、胸の内がぽかぽかと暖かくて、嬉しくて、どんなに口元を引き締めようとしても、綻んでしまうこの気持ちを人は幸福と呼ぶのだろう。なら、今、私は間違いなく幸せだ。
ただ、憤りを感じている彼らの気持ちに寄り添うことができないことだけが申し訳ない。
「皆さんがそう思ってくれているのがわかったので、今は嬉しい気持ちのほうが強いです。あの…………あ、ありがとうございます。私、とても幸せです」
綻んだ口元は緩みっぱなしで、とうとう、へらへらと笑い出してしまった。そんな自分を見られたくなくて、お辞儀というセコい術で顔を隠す。途端に、カザロフから不満げな声が降ってきた。
「ああっもうっ、本当にそんなこと言わないでくださいよ。ったく、ルークさんの言った通りですね。悔しいな」
「まあね。これでも僕はアカリのお兄さんだから」
ルークに言いたい。勝手に私を妹と公言するのはやめて欲しい、と。けれど、それを口にする前に、再びルークは笑いながら言葉を続けた。
「でも、先輩のあの顔は見ものだったな。まさかあんなギリギリになってまで、アカリを国賓にするのを嫌がるなんて、諦めが悪いというか、往生際が悪いというか、さぁ」
そのルークの言葉に私以外の全員が同時に頷いた。
.........今の言葉、チクっちゃおうかなぁ。
彼らが信頼から来る感情でバルドゥールをおちょくっているのは、わかっている。でも、やっぱりあの人のことをイジられるのは、面白くはない。
そんな気持ちから、ムッとした私だったけれど、カザロフからキラキラ視線を向けられて戸惑ってしまう。
「アカリ様、すごいですね!あんなに露骨に嫌がる隊長を目にするには、自分は初めてでしたっ」
「え?いや、ちょっと────」
「まあね。アカリは先輩を困らす天才だよ。他にもアカリの武勇伝聞きたい?」
「ルークさんっ、やめて下さいっ。武勇伝なんか何も無いですよっ」
あるのは私達のこじらせていた過去。またの名を黒歴史呼ぶもの。そんなもの絶対に知られたくない。
ルークの言葉を遮った私にカザロフは露骨に残念な顔をする。それを無視して、ルークを軽く睨み付ければ、栗色の髪の時空の監視者は、爽やかな風を受けたかのように、ふわりと笑う。けれど、すぐに真顔になって私にこう言った。
「あ、あとね、アカリ一つ忠告。さっきみたいな顔、ここで見せないほうが良いよ」
「え?や、あっ………ごめんなさい」
さっきみたいな顔とは、ついさっき浮かべてしまった、へらへらした笑いのことだろう。
ルークが敢えて口に出したということは、余程、醜悪だったのだ。お見苦しいものを見せてしまいましたと、しどろもどろになりながら謝った私に、ルークは違う違うと首を横に振る。そして、笑いながらこう言った。
「普段、めったに笑わない女の子が笑うとね、男はぐっとくるもんなんだ。だからそういう顔は特別な人に取っておいてあげて」
「………………はぁ」
ルークの言っていることが理解できない。
でも、なんとか返事をした私に時空の監視者達は、微妙な顔をして口元を歪めた。.........笑いを堪える為に。
けれど、その数拍後、彼らは表情を引き締め同時に扉に視線を向ける。と、その瞬間、ガチャリと扉が開いた。
────あの人が、やっと戻ってきてくれた。
そう思った時には、私は扉へと小走りに向かっていた。
でも、どうやら彼らは私が思っているよりも、この国賓という状況は、とてもとても不本意のようだった。
ならどうすれば良かったのだろう。どうやったら彼らがこんな顔をしなくて済んだのだろう。そんなことを考えても答えなど出るわけは無い。ただただ、温度差を感じて途方に暮れるだけ。
そんな中、いつの間にか顔を上げたエルガーが口を開いた。不機嫌というよりは、不貞腐れたという表現がぴったりの口調で。
「ええ、そうですよ。アカリ様の言う通り、あなたを国賓にするのが最善の方法だったんですよ。それしかなかったんですよ。それに………………」
「それに、何ですか?」
すかさず問うた私に、エルガーは口元に手を当て少し間を置く。多分、言葉を選んでいるのだろう。じっと待つこと数秒、彼はひどく言いにくそうに、こう言った。
「…………義理を通すためでもあったんです」
「義理、ですか。…………えっと誰にですか?バルドゥールさんですか?」
同時に二つの質問をしてしまったけれど、エルガーは嫌な顔などせず答えてくれた。困った顔はしていたけれど。
「隊長ではないです。それに、アカリ様を国賓とするのは、隊長が一番嫌がっていました」
「そうなんですか。えっとじゃあ、誰なんですか?.........と聞いても良いですか?」
「………………申し訳ありません。詳しいことは私達の口からはお伝えできません。ただ…………隊長なら、きっと説明してくれると思います。というか、隊長に聞いて下さい。お願いします」
「そ、そうします」
そうだ忘れていた。彼らは上官から余分なことを喋るなと言われているのだ。だから、彼らをこれ以上問い詰めるのは、少々酷なこと。それに、色々突っ込んだ質問をしてしまったけれど、実は、私はそんなに真相を知りたいわけではない。
なぜなら、もう、彼らの怒る表情を見て、不満げな表情を見て、私は既に国賓としての立場を受け入れている。
確かに王様から国賓………いや、国民としては受け入れらないと言われた時、私は悔しかったし、認めて欲しかった。その気持ちは嘘ではない。
でも、私はこの世界の誰にも伝えていない、私だけが抱えている秘密がある。この地が私にとって絶望の果てに飛び込んだ奈落の底だということを。
元の世界で、私はあの日もがき苦しんで、全てを諦めて、終わりにしようとしたのだ。ずっと頑張っていたつもりだったけれど、持ちこたえられなくって、自ら命を絶ったのだ。だからきっと、たどり着く先は地獄しかないと思っていた。
卑屈な考え方かもしれないけれど、そんな私が幸せなんか求めちゃいけないと思っている。多くを望むなんて、恥ずべき行為だと。身の丈を弁えないといけないことをちゃんとわかっている。
そう、わかっているはずなのに、ここは地獄なんかではなかった。穏やかで優しくて光が満ち溢れている世界だったのだ。
元の世界では、私は一つの国に存在を認められていた。けれどそこは、とても目まぐるしくて、慌しくて、濁流に飲み込まれそうになる日常を必死に生きていくだけの世界で、穏やかさとは遠くかけ離れた場所だった。
なのに、ここにいる人達は、ちゃんと私に語りかけてくれる。かけがえのないものを与えてくれる。個として認めてもらえない私の為に感情を動かしてくれる。それは、とても尊いこと。
だからここに居れるのなら、私はどんな立場でも良い。もっと言うなら立場なんてどうでも良い。この立ち位置がが誰かの役に立つのなら、それだけで嬉しい。そう思わせてくれたのは、今ここに居る人達だ。
本当に、今日、ここに来て良かった。
そう心の中で噛み締めていたら、反対に口元は綻んでしまう。瞬間、ここに居る彼らは、はっと、目を瞠った。瞬きを忘れてしまったかのように、私を食い入るように見つめている。
しまった。ここはぴしっとするべきだ。なのに、どうやっても嬉しい気持ちは隠すことができない。なので、私は表情を変えることを諦めて、彼らにこの思いを伝えることを選んだ。
「皆さん、怒ってくれてありがとうございます。でも、私はこれで良いんだと思っています。確かにお客様扱いは寂しいです。ただ.........あの、聞いて下さい」
そこまで言って、気付く。堪えようとしても、胸の内がぽかぽかと暖かくて、嬉しくて、どんなに口元を引き締めようとしても、綻んでしまうこの気持ちを人は幸福と呼ぶのだろう。なら、今、私は間違いなく幸せだ。
ただ、憤りを感じている彼らの気持ちに寄り添うことができないことだけが申し訳ない。
「皆さんがそう思ってくれているのがわかったので、今は嬉しい気持ちのほうが強いです。あの…………あ、ありがとうございます。私、とても幸せです」
綻んだ口元は緩みっぱなしで、とうとう、へらへらと笑い出してしまった。そんな自分を見られたくなくて、お辞儀というセコい術で顔を隠す。途端に、カザロフから不満げな声が降ってきた。
「ああっもうっ、本当にそんなこと言わないでくださいよ。ったく、ルークさんの言った通りですね。悔しいな」
「まあね。これでも僕はアカリのお兄さんだから」
ルークに言いたい。勝手に私を妹と公言するのはやめて欲しい、と。けれど、それを口にする前に、再びルークは笑いながら言葉を続けた。
「でも、先輩のあの顔は見ものだったな。まさかあんなギリギリになってまで、アカリを国賓にするのを嫌がるなんて、諦めが悪いというか、往生際が悪いというか、さぁ」
そのルークの言葉に私以外の全員が同時に頷いた。
.........今の言葉、チクっちゃおうかなぁ。
彼らが信頼から来る感情でバルドゥールをおちょくっているのは、わかっている。でも、やっぱりあの人のことをイジられるのは、面白くはない。
そんな気持ちから、ムッとした私だったけれど、カザロフからキラキラ視線を向けられて戸惑ってしまう。
「アカリ様、すごいですね!あんなに露骨に嫌がる隊長を目にするには、自分は初めてでしたっ」
「え?いや、ちょっと────」
「まあね。アカリは先輩を困らす天才だよ。他にもアカリの武勇伝聞きたい?」
「ルークさんっ、やめて下さいっ。武勇伝なんか何も無いですよっ」
あるのは私達のこじらせていた過去。またの名を黒歴史呼ぶもの。そんなもの絶対に知られたくない。
ルークの言葉を遮った私にカザロフは露骨に残念な顔をする。それを無視して、ルークを軽く睨み付ければ、栗色の髪の時空の監視者は、爽やかな風を受けたかのように、ふわりと笑う。けれど、すぐに真顔になって私にこう言った。
「あ、あとね、アカリ一つ忠告。さっきみたいな顔、ここで見せないほうが良いよ」
「え?や、あっ………ごめんなさい」
さっきみたいな顔とは、ついさっき浮かべてしまった、へらへらした笑いのことだろう。
ルークが敢えて口に出したということは、余程、醜悪だったのだ。お見苦しいものを見せてしまいましたと、しどろもどろになりながら謝った私に、ルークは違う違うと首を横に振る。そして、笑いながらこう言った。
「普段、めったに笑わない女の子が笑うとね、男はぐっとくるもんなんだ。だからそういう顔は特別な人に取っておいてあげて」
「………………はぁ」
ルークの言っていることが理解できない。
でも、なんとか返事をした私に時空の監視者達は、微妙な顔をして口元を歪めた。.........笑いを堪える為に。
けれど、その数拍後、彼らは表情を引き締め同時に扉に視線を向ける。と、その瞬間、ガチャリと扉が開いた。
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