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◆◇第一幕◇◆ 時空の監視者の愛情は伝わらない
★不測の事態と過去の罪①(バルドゥール目線)
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部下たちに促されて部屋を出ようとした彼女は、扉の前で足を止め振り返った。不安げな表情で。
大丈夫、そう伝えるために微笑んで頷けば、彼女はほっとした様子で表情を和らげた。そして、再び促された彼女は部屋を出ていった。…………甘い香りを残して。
部屋に立ち込める甘い香りを嗅ぎながら、緩んでしまう口元を片手で覆う。
自分の僅かな仕草で、彼女の表情が動いたのだ。しかも、それが負の感情ではなく、自分に身をゆだねるような柔らかいものだった。
たったそれだけのこと。だが、どうしようもない程に、喜びを感じてしまう。そして胸の内にある独占欲が疼いてしまう。もっともっと彼女の心が自分に傾けば良い。いやいっそ、ぐちゃぐちゃに甘やかして、とことん依存させて、自分無しでは生きていけない人間になってしまえば良いのにという昏い欲求が芽生えてくる。
もちろんそんなことは口に出すことはしない。それに無理矢理に閉じ込めて、思考を奪うように、あの細い身体をとことん抱いたとしても、彼女の心は手に入らない。それは痛いほど身をもって学んだ。けれど、怖がられないように、嫌われないようにと距離を置くことも、彼女に向かう気持ちを無理に抑えることもやめにした。
あの日、彼女を抱きしめたまま眠りに落ちた日から、そう決めたのだ。
ほんの少し前、愛しい彼女は体調を崩してしまった。今にも倒れそうな青白い顔をしながら、頑なに、もう一人の異世界の女性に会いに行くと言い張ったのだ。
正直言って腹が立った。なぜ、こんな時にすら自分を頼ってくれないのかと。些細なことでも生死を彷徨う身体だと伝えたはずなのに、どうして自分を労わらないのかと。そんな感情を持て余して、心にもない言葉を吐いてしまったことは今でも後悔している。
そしてそんな自分を恐ろしく思った。彼女を愛するあまり、感情を制御できず、いつか取り返しのつかないことをしてしまうかもしれないと。
身のうちに潜むそんな不安を抱え、その日の夜、彼女の様子を見に行けば、あろうことか彼女は床で寝ていたのだ。
一瞬、彼女が死んでしまったのかと思った。もう二度と目を覚まさないと思った。…………彼女から発する甘い香りに気付くのがあと一歩遅かったら、自分は発狂していたかもしれない。
ただ、事の真相は、冷たくて気持ち良いから床で寝ていたという、有り得ない理由だった。その言い訳を聞いた時の自分の感情は今でも言葉にすることはできない。
一つだけ言葉にするならば、あの瞬間、自分の何かが切れた。無性に我慢ができなかった。このまま何事もなかったかのように、部屋を去ることはできなかった。
そんな暴れまわる感情のままに強引に彼女をベッドに寝かせ、自分もその横に滑り込んだ。そして、熱でうなされている彼女を抱きしめながら、ならいっそ、我慢をしなければ良いとも同時に思った。彼女には何も求めない。けれど、自分から手を伸ばすことを我慢するのはやめにしよう。そう決めた。
『………………ずっと独りでしたから』
彼女がそう口にした言葉を思い出せば、今でも泣き出したくなるような感情が暴れだす。
自分が拒まれていたわけでも、頼るほどの価値の無い人間と思われていたわけでもなく、彼女はただ単純に甘え方を知らなかったのだ。
どうして?そう疑問が浮かんだ。けれどその答えは、彼女の首筋と、あちらこちらに残っている傷跡にあった。そういう人生を送っていたのだ。彼女は。
その時、彼女が過ごしていたであろう元の世界を心から憎んだ。
今だから言えるが、実は、彼女が戻りたいと口にしたその世界を、自分はずっと嫉妬していた。でも、その嫉妬という感情はあの瞬間、綺麗さっぱり消え去った。戻らなくて良い。戻る必要なんてない。彼女はここに居るべきだ。
そう思ったら、自分はタガが外れたように、思うがまま彼女に手を伸ばすようになった。そして、彼女は毎度困った顔をするが、決して拒むことはしない。それが嬉しくて、どんどん自分の要求を押し付けてしまっている。
ただ、もうそろそろ、いい加減にしろ、と叱られてしまうか。もし仮にそうなら叱られることは甘んじて受けよう。ただ、要求を呑むつもりは絶対にないけれど。
怒った彼女もまた可愛い。思わずその少し膨れた頬に手を伸ばしたくなるほどに。
と、帰宅後に彼女と過ごす時間を想像すれば、更に思考は、ずぶずぶに溺れていく。───けれども、突然開いた扉の音で断ち切られた。
「よう、バル。ここにいたとは驚きだ」
「………………」
ノックも無しに部屋に足を踏み入れたのは、濃紺の制服に身を包んだ、金髪の軍人女性だった。
最近やたらめったら顔を合わす、この彼女の含みのあるその物言いに、自然と眉間に皺が寄る。けれど、それはアシュレイにとって嬉しい反応だったらしく、彼女はくつくつと笑いながら口を開いた。
「てっきりアカリの元にいるんだと思った。部下に託して大人しく待っているなんて驚きだ」
「………………」
更に眉間の皺を深くしてしまった。
だがここで不満を口にすることはしない。いや、正確に言えば、言ったところでアシュレイを喜ばせるだけだけ。そしてさらに言うなら、自分は彼女には逆らうことはできない。
目の前で意地悪く微笑むこの女性は、かつては軍事学校の教官だった。もっと詳しく説明するなら、教官の前に【鬼】と付く、大変厳しい教官だった。
彼女のしごきを受けた人間は口を揃えてこう言う。良く生きて卒業できたものだ、と。
ただ、卒業間近に判明した事実だが、アシュレイこと、鬼教官のしごきを受けた者は、そこそこに見込みがあると判断されるらしい。
名誉なことかもしれないが、正直言って有り難くはない。
そしてきっと、そう思う軍人は多分、自分だけではないはずだ。いや、はっきり言って軍事学校で彼女のしごきを受け人間は、総じてそう思っているはず。かく言う自分も、そのしごきを受けた一人。
そんな鬼教官が、いつの間にか近衛隊の副隊長という椅子に収まり、まさか自分の部下の義理の姉という形で再会をするなんて、誰が想像できたであろうか。
あの時程、人の縁とは良くも悪くも、なかなか切れないものだとつくづく感じたことはない。
ただそういった過去の出来事や感情を捨て置けば、彼女ほど、このこの城で頼れる存在はいない。
だから自分は隊長と呼ばれる地位となっても、アシュレイに対して礼を取る。学生時代に骨の髄まで染み込まされたアレコレがそうさせているのかも知れないが。
そんなこんな事情を飲み込み、略式の礼を取った自分に、アシュレイは満足そうな笑みを浮かべた。だが、すぐに表情を引き締め低い声で問うた。
「………………なあ、バル。マディアスは、あれで納得すると思うか?」
マディアスとは、この国の宰相のこと。そしてルークともう一人の異世界の女性の関係を失敗作と言い放った男。通称クズ野郎と呼ばれる男だ。
「納得してもらわなくては、困る」
「だな」
アシュレイの問いに短い言葉で返せば、彼女は苦笑を浮かべたまま頷いた。
そう、それ以外手立てが見つからなかったのだ。
我々、時空の監視者にとって異世界の女性は暗闇の中の一筋の光のような存在で、尊き者。けれど、そうは思えない………はっきり言ってしまえば忌むべき存在と認識する者も少なくはなかった。
そして異世界の女性は国を脅かす存在。排除すべき存在。そう強く思っているのがマディアスだった。多分、その思いは国中で一番強いだろう。
宰相と言うのはこの国で最も地位の高い官職だ。そして宰相の持つ権力はかなりのもの。その権力に打ち勝つ為には、アカリ達に生半可な地位を与えても意味がない。ならいっそ、異世界を一つの国と認識させ、無期限に滞在する国賓という立場を与えた方が良い。そう判断したのだ。
その判断は正しかったと思う。それで良かったのかと問われれば、是とは言えない苦渋の決断だったが。
「おい、バル。一人問答はそれぐらいにしておけ」
ぴしゃりとアシュレイに思考を遮られ、素直に頷く。隊長という立場となっても、元鬼教官から見たら自分はまだまだ青臭い生徒のようらしい。
そんな元鬼教官は、すぐに屈託のない笑みをこちらに向けた。
「さて、バルは王との謁見が控えている。なら、私は何をしたら良い?指示を貰おうか。隊長殿。午後は開けてあるぞ」
軽い口調ではあるが、わざわざそう口にするということは、彼女も思うところがあるのだろう。
王は去り際にこう自分に囁いたのだ。『戻るな。後で少し話がある』と。そして、アシュレイはその瞬間を見ていたのだ。もしかして読唇術で内容まで聞き取ったのかもしれない。なら有難く彼女には保険という立場で動いてもらおう。
「ルークの屋敷に。………リンという少女の元にいてもらえるか?」
「もちろん構わない。もとよりそのつもりだった」
にっと笑みを浮かべ二つ返事で引き受けてくれたアシュレイと共に、部屋を出る。一国の王をあまり待たせてはいけない。
ただ向かう先は真逆の方向。アシュレイに一礼をして、背を向けた途端『しっかりしろっ』と激を入れられた。
激………と言えば、有難いが、彼女の渾身の力で背中を叩かれれば、咽てしまうのは致し方ないこと。そして、ははっと豪快に笑い飛ばすかつての鬼教官に見送られ、自分は再び謁見の間へと足を向けた。
大丈夫、そう伝えるために微笑んで頷けば、彼女はほっとした様子で表情を和らげた。そして、再び促された彼女は部屋を出ていった。…………甘い香りを残して。
部屋に立ち込める甘い香りを嗅ぎながら、緩んでしまう口元を片手で覆う。
自分の僅かな仕草で、彼女の表情が動いたのだ。しかも、それが負の感情ではなく、自分に身をゆだねるような柔らかいものだった。
たったそれだけのこと。だが、どうしようもない程に、喜びを感じてしまう。そして胸の内にある独占欲が疼いてしまう。もっともっと彼女の心が自分に傾けば良い。いやいっそ、ぐちゃぐちゃに甘やかして、とことん依存させて、自分無しでは生きていけない人間になってしまえば良いのにという昏い欲求が芽生えてくる。
もちろんそんなことは口に出すことはしない。それに無理矢理に閉じ込めて、思考を奪うように、あの細い身体をとことん抱いたとしても、彼女の心は手に入らない。それは痛いほど身をもって学んだ。けれど、怖がられないように、嫌われないようにと距離を置くことも、彼女に向かう気持ちを無理に抑えることもやめにした。
あの日、彼女を抱きしめたまま眠りに落ちた日から、そう決めたのだ。
ほんの少し前、愛しい彼女は体調を崩してしまった。今にも倒れそうな青白い顔をしながら、頑なに、もう一人の異世界の女性に会いに行くと言い張ったのだ。
正直言って腹が立った。なぜ、こんな時にすら自分を頼ってくれないのかと。些細なことでも生死を彷徨う身体だと伝えたはずなのに、どうして自分を労わらないのかと。そんな感情を持て余して、心にもない言葉を吐いてしまったことは今でも後悔している。
そしてそんな自分を恐ろしく思った。彼女を愛するあまり、感情を制御できず、いつか取り返しのつかないことをしてしまうかもしれないと。
身のうちに潜むそんな不安を抱え、その日の夜、彼女の様子を見に行けば、あろうことか彼女は床で寝ていたのだ。
一瞬、彼女が死んでしまったのかと思った。もう二度と目を覚まさないと思った。…………彼女から発する甘い香りに気付くのがあと一歩遅かったら、自分は発狂していたかもしれない。
ただ、事の真相は、冷たくて気持ち良いから床で寝ていたという、有り得ない理由だった。その言い訳を聞いた時の自分の感情は今でも言葉にすることはできない。
一つだけ言葉にするならば、あの瞬間、自分の何かが切れた。無性に我慢ができなかった。このまま何事もなかったかのように、部屋を去ることはできなかった。
そんな暴れまわる感情のままに強引に彼女をベッドに寝かせ、自分もその横に滑り込んだ。そして、熱でうなされている彼女を抱きしめながら、ならいっそ、我慢をしなければ良いとも同時に思った。彼女には何も求めない。けれど、自分から手を伸ばすことを我慢するのはやめにしよう。そう決めた。
『………………ずっと独りでしたから』
彼女がそう口にした言葉を思い出せば、今でも泣き出したくなるような感情が暴れだす。
自分が拒まれていたわけでも、頼るほどの価値の無い人間と思われていたわけでもなく、彼女はただ単純に甘え方を知らなかったのだ。
どうして?そう疑問が浮かんだ。けれどその答えは、彼女の首筋と、あちらこちらに残っている傷跡にあった。そういう人生を送っていたのだ。彼女は。
その時、彼女が過ごしていたであろう元の世界を心から憎んだ。
今だから言えるが、実は、彼女が戻りたいと口にしたその世界を、自分はずっと嫉妬していた。でも、その嫉妬という感情はあの瞬間、綺麗さっぱり消え去った。戻らなくて良い。戻る必要なんてない。彼女はここに居るべきだ。
そう思ったら、自分はタガが外れたように、思うがまま彼女に手を伸ばすようになった。そして、彼女は毎度困った顔をするが、決して拒むことはしない。それが嬉しくて、どんどん自分の要求を押し付けてしまっている。
ただ、もうそろそろ、いい加減にしろ、と叱られてしまうか。もし仮にそうなら叱られることは甘んじて受けよう。ただ、要求を呑むつもりは絶対にないけれど。
怒った彼女もまた可愛い。思わずその少し膨れた頬に手を伸ばしたくなるほどに。
と、帰宅後に彼女と過ごす時間を想像すれば、更に思考は、ずぶずぶに溺れていく。───けれども、突然開いた扉の音で断ち切られた。
「よう、バル。ここにいたとは驚きだ」
「………………」
ノックも無しに部屋に足を踏み入れたのは、濃紺の制服に身を包んだ、金髪の軍人女性だった。
最近やたらめったら顔を合わす、この彼女の含みのあるその物言いに、自然と眉間に皺が寄る。けれど、それはアシュレイにとって嬉しい反応だったらしく、彼女はくつくつと笑いながら口を開いた。
「てっきりアカリの元にいるんだと思った。部下に託して大人しく待っているなんて驚きだ」
「………………」
更に眉間の皺を深くしてしまった。
だがここで不満を口にすることはしない。いや、正確に言えば、言ったところでアシュレイを喜ばせるだけだけ。そしてさらに言うなら、自分は彼女には逆らうことはできない。
目の前で意地悪く微笑むこの女性は、かつては軍事学校の教官だった。もっと詳しく説明するなら、教官の前に【鬼】と付く、大変厳しい教官だった。
彼女のしごきを受けた人間は口を揃えてこう言う。良く生きて卒業できたものだ、と。
ただ、卒業間近に判明した事実だが、アシュレイこと、鬼教官のしごきを受けた者は、そこそこに見込みがあると判断されるらしい。
名誉なことかもしれないが、正直言って有り難くはない。
そしてきっと、そう思う軍人は多分、自分だけではないはずだ。いや、はっきり言って軍事学校で彼女のしごきを受け人間は、総じてそう思っているはず。かく言う自分も、そのしごきを受けた一人。
そんな鬼教官が、いつの間にか近衛隊の副隊長という椅子に収まり、まさか自分の部下の義理の姉という形で再会をするなんて、誰が想像できたであろうか。
あの時程、人の縁とは良くも悪くも、なかなか切れないものだとつくづく感じたことはない。
ただそういった過去の出来事や感情を捨て置けば、彼女ほど、このこの城で頼れる存在はいない。
だから自分は隊長と呼ばれる地位となっても、アシュレイに対して礼を取る。学生時代に骨の髄まで染み込まされたアレコレがそうさせているのかも知れないが。
そんなこんな事情を飲み込み、略式の礼を取った自分に、アシュレイは満足そうな笑みを浮かべた。だが、すぐに表情を引き締め低い声で問うた。
「………………なあ、バル。マディアスは、あれで納得すると思うか?」
マディアスとは、この国の宰相のこと。そしてルークともう一人の異世界の女性の関係を失敗作と言い放った男。通称クズ野郎と呼ばれる男だ。
「納得してもらわなくては、困る」
「だな」
アシュレイの問いに短い言葉で返せば、彼女は苦笑を浮かべたまま頷いた。
そう、それ以外手立てが見つからなかったのだ。
我々、時空の監視者にとって異世界の女性は暗闇の中の一筋の光のような存在で、尊き者。けれど、そうは思えない………はっきり言ってしまえば忌むべき存在と認識する者も少なくはなかった。
そして異世界の女性は国を脅かす存在。排除すべき存在。そう強く思っているのがマディアスだった。多分、その思いは国中で一番強いだろう。
宰相と言うのはこの国で最も地位の高い官職だ。そして宰相の持つ権力はかなりのもの。その権力に打ち勝つ為には、アカリ達に生半可な地位を与えても意味がない。ならいっそ、異世界を一つの国と認識させ、無期限に滞在する国賓という立場を与えた方が良い。そう判断したのだ。
その判断は正しかったと思う。それで良かったのかと問われれば、是とは言えない苦渋の決断だったが。
「おい、バル。一人問答はそれぐらいにしておけ」
ぴしゃりとアシュレイに思考を遮られ、素直に頷く。隊長という立場となっても、元鬼教官から見たら自分はまだまだ青臭い生徒のようらしい。
そんな元鬼教官は、すぐに屈託のない笑みをこちらに向けた。
「さて、バルは王との謁見が控えている。なら、私は何をしたら良い?指示を貰おうか。隊長殿。午後は開けてあるぞ」
軽い口調ではあるが、わざわざそう口にするということは、彼女も思うところがあるのだろう。
王は去り際にこう自分に囁いたのだ。『戻るな。後で少し話がある』と。そして、アシュレイはその瞬間を見ていたのだ。もしかして読唇術で内容まで聞き取ったのかもしれない。なら有難く彼女には保険という立場で動いてもらおう。
「ルークの屋敷に。………リンという少女の元にいてもらえるか?」
「もちろん構わない。もとよりそのつもりだった」
にっと笑みを浮かべ二つ返事で引き受けてくれたアシュレイと共に、部屋を出る。一国の王をあまり待たせてはいけない。
ただ向かう先は真逆の方向。アシュレイに一礼をして、背を向けた途端『しっかりしろっ』と激を入れられた。
激………と言えば、有難いが、彼女の渾身の力で背中を叩かれれば、咽てしまうのは致し方ないこと。そして、ははっと豪快に笑い飛ばすかつての鬼教官に見送られ、自分は再び謁見の間へと足を向けた。
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