お遣い中の私は、桜の君に囚われる

茂栖 もす

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お遣いの章

★ここでちょっとお説教

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 シュスイの秘境──かつてここは心身共に深く傷ついた者の安寧の地でもあり、女性の駆け込み寺でもあった。しかし、この長い内乱で、シュスイはコキヒ国において最後の楽園と呼ばれるものになったのだ。

 そしてこのコキヒ国の神を奉る神殿がある聖地でもあった。

 神を奉る聖地、すなわち、シュスイの秘境は今も昔も変わらず、外部からの干渉を一切受けない地であり、この地で争いを起こす事は、神に対する侮辱とされ、いかなる理由があっても誅罰される。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




 場面変わって、ここはシュスイの秘境。



 湖の辺にある神殿で娘が一人、月を眺めている。

 娘の名は、アカツキ。この神殿を護る巫女であり、シュスイの統治者でもあった。

 よわい二十のアカツキは娘盛りもさることながら、腰まである癖のない漆黒の髪。黒目がちの瞳に、薄く紅を穿いた形のよい唇。娘は月をも霞ませる程の、美貌の持ち主であった。

「ようやく、こちらに向かい出したか」

 アカツキはそう呟くと、手にしていた扇をパチンと鳴らす。それは、このシュスイの影の存在にねと合図を送るものであった。

 この影というはかつて、傷を癒すためシュスイを訪れた者であり、今はこの秘境を守護する者であり、この地に縛られるアカツキの忠実な手足でもあった。

 影の存在が完全に消えるのを待ちアカツキは再び口を開いた。

「まったく、何をもたもたとしておったのじゃ。遅すぎるわっ」

 アカツキは、こめかみをぐりぐりと押さえながら嘆息した。もう怒りを通り越して、呆れ果てている様子だ。

 瑠璃がこの世界に来て、はや一月。彼女にとって、この一ヶ月はただひたすら待つだけという、忍耐を試される日々であった。

 忌ま忌ましそうに、眉間を寄せ、アカツキは祭壇の方へ視線を向け口を開いた。

「それもこれも───・・・全て、主のせいじゃっ」

 しかし、祭壇には人影はない。けれど、アカツキは、構わず言葉を続ける。

「大体、なぜ瑠璃をこの神殿に送らなかったのじゃ?そうすれば、今頃、瑠璃と対顔叶っておったというのにっ。主は、長いことここを離れておったゆえ、とうとう耄碌もうろくしたのか?はっ、ほんに情けない」

 アカツキは美しい。しかし、一旦口を開くと、その毒舌に美しさが霞んでしまうのが難点であった。当の本人からすれば、余計なお世話───らしい。

「アカツキ、僕は耄碌もうろくなんてしてないよ。今回のは、不測の事態だったもん。不可抗力だよ」

 暗闇から、呑気な声が響く。しかし、人影はない。

「戯れ言を言う出ないわっ」

 アカツキは、その声に向かって、ダンッと足を踏み鳴らした。姿無き声は、ひぃぃっと、戦々恐々とした情けない悲鳴を上げる。

「わらわが、どれだけあの娘を心待ちにしておるかわかっての物言いかっ。いい加減、姿を現せっ」

 ビシッと暗闇に向け、アカツキが扇を突き付けた瞬間、ふわりと風が舞い、アカツキの袂と髪がなびく。次いで、静寂に包まれていた空気が一変した。

「そんなこと言ったって、僕の力を凌駕するものがあったんだもん仕方ないじゃん」

 そう口を尖らせながら、姿を現したのは風神であった。しかし、風神の姿はおぼろげで、頼りない。ゆらゆらと陽炎のように、向こうの景色が透けている。

 しかし、アカツキは幽霊よろしく現れた風神に驚くどころか、待ってましたとばかりに悪態をつき始めた。

「何が仕方ないじゃ、このたわけものめっ。主はこの何百年、何をしておったのじゃっ。肝心要の局面で何たる失態じゃっ。何が、僕の力を凌駕した力があったじゃっ・・・───ん?」

 風神に向かい、今までの鬱憤を晴らすかのように、罵詈雑言を投げつけていたアカツキだが、ふと何かに引っ掛かり言葉を止めた。

 しばしの間の後、アカツキは風神に神妙に問うた。

「・・・あの、桜木か?」

 アカツキの問いに、風神は深く頷いた。次いで、拳を振り上げながら必死に自己弁護を始めた。

「そうなんだよ!まったく余計な事をしてくれるよ。僕は間違いなく、瑠璃を神殿近くに送ったんだよ。信じてよ!でも・・・あの桜木が邪魔してさぁー」
「あの桜木にそれ程の力があるとは、思えぬが」

 アカツキは解せぬと唸り、風神を睨みつける。アカツキは風神の自己弁護に納得していない様子だ。あろう事か、風神の虚言ではないかと疑っているのがありありと伝わってくる。

 それを察した、風神は慌てて両手を胸の前で振った。

「本当だよ。僕だって、あんなとこ、一番送りたくない場所だったもん。アイツになんか会わせたくないし・・・」

 横を向きふて腐れる風神に、アカツキはあからさまな溜息をついた。

「主のボヤキはどうでも良い。あの二人はいずれ邂逅する運命だったのじゃ」
「・・・わかってるよ。瑠璃は僕との契約よりも前に、アイツとの約束があったんだ。それが優先されるのもわかってる。でもねぇ・・・運命だったとしても、タイミングとか、僕の感情とか色々とあるんだよ」

 肩を落とす風神に、アカツキは残念な子を見る、保護者の顔をする。つい先ほどアカツキ自身も、瑠璃の到着が遅いとぼやいていたが、それはそれで。

「主が瑠璃を想う気持ちもわからなくはないが、瑠璃にとっては、得難い時間であったのじゃろう」

 可否を渋る風神に嘆息しながら、アカツキはこの一ヶ月を思い返してみた。シュスイの影は常に瑠璃の動向を追っていたのだ。その気になれば、力付くで瑠璃をこの地にさらうこともできた。が、それをしなかったのは、他ならぬアカツキの意思だ。

 瑠璃は、あの屋敷で傷を癒していた。それは身体だけではなく、心の傷も。瑠璃本人は、自覚していないようだが、長年傷つけられてきた心の傷はそうとう深い。

 瑠璃を待ち望む気持ちはアカツキ自身、誰よりも強いと思う。けれど、それゆえに癒しの時間が必要だという事も、誰よりも理解できる。この一ヶ月の様子見は、苦汁の決断であった。

「それに瑠璃も幼い頃に約束した若君との再会が叶ったわけじゃ、それは良かった」
「いやー実はさぁ、あの子、思い出してないんだよね。あいつの事」
「なんじゃと」

 そう叫んだアカツキだったが、はっと何かに気付いた様子で、恐る恐る風神に問うた。

「主の術は、いつのまに加減ができないほどポンコツになったのかえ?」
「んなわけないじゃんっ」

 握りこぶしを振り回しながら食い気味に否定する風神に対して、アカツキは疑いの眼差しを隠そうともしていない。
 そんなアカツキに対し風神は深呼吸を数回して落ち着きを取り戻すと静かに口を開いた。

「……あのねぇ、アカツキ……僕の術はそんなに強いものじゃないはずだよ。時が来れば自然と解けるものだし、その時はとっくに過ぎている。おそらくだけど、瑠璃の意志で思い出すのを拒んているんだろうね」
「……自分の意志でじゃと?」

 ピクリと眉が撥ねたアカツキを無視して、風神は言葉を続ける。

「あのこは失うことを極端に恐れているからね。大事なものほど失いたくない。失うくらいなら、思い出したくないって感じなんじゃない?」
「なるほどとは頷くことはできないが、それしか理由はないようじゃな」
「まぁアカツキがそう思うのは仕方ないよ。でも、それぐらい瑠璃は辛いことがあったってこと」

 一気に言い切った風神は腰に手を当て、大きくため息を付いた。アカツキも溜息こそつかないけれど風神に対して同意するようにゆっくりと頷いた。それから思い出すだけでも腹立だしい。そう言い捨てて、アカツキは風神を睨みつける。
 
「うん、どうかしてるよね。瑠璃の血族共は失意の底に落ちた瑠璃に向かって冷たい言葉を吐くことができる、悪鬼だよ。・・・本当におかしな所だよ。まったく長年、あそこに居ながら、未だに理解に苦しむよ」

 腕を組み、うんうんと唸る風神は、再び口を開く。

「それに僕を風神なんてものにしてくれて崇めてくれる、おかしな集団さ。あの絢桜爛花は、僕の御神体らしく、それはそれは大事にしてくれるんだ。・・・あれは、そんな神々しいもんじゃないんだけどね。あれは、僕の縛りで───」
「主が神じゃと!?」

 アカツキは風神の言葉を遮って、眉が歪ませながら叫んだ。

「うん、らしいよ」

 風神の肯定に、アカツキは、これはたまらんと笑い出した。形の良い眉が違う意味で、再び歪む。

「酷いなぁ、瑠璃だって僕のことを風神さんって呼んでくれてるのに」
「はっ、どうせ主がそう呼ばせるよう、仕向けたのじゃろっ」

 風神の誠意一杯の抗議も、アカツキの一言でバッサリと切り捨てられてしまった。

 しかし、風神は決して、【風神】と呼ばせるよう仕向けたわけではない。他の候補と言えば【詐欺師】【ジジイ】。まだ風神がマシだっただけのこと。

「それにしても、主を神と崇める世界とは、終わっておるな」
「うーん……まぁ、ね」

 しみじみと呟く、アカツキに風神は口をへの字にして渋々ながら同意する。確かに、瑠璃の居た日本という国は理解に苦しむところが多々ある。

「して、そのニホンという国はどんなところなのじゃ」

 終わっていると、暴言を吐きながらも、アカツキは興味はあるようだ。風神は腕を組み直しながら、ニホンという国に思いを馳せた。

「まぁ、一言で言うなら、混沌とした国だね。便利と不便が入り交ざっていて……自分たちで沢山の縛りを作っておきながら、日常生活を快適にしようとする技術に秀でている」

 意味が分からないという風に、アカツキは曖昧にうなずく。

「あ、あと、ニホンという国はすごく面白いんだ!」
「面白いじゃと?」

 どうせ碌でもないことだろう、と大体は予想がつく。が、アカツキは敢えて問うた。

「それはね、人間の祈りという力で、神を具現化することができるんだ」
「主は未だに夢をみておるのかえ?」
「違うって!」

 握りこぶしで訴える風神に対して、アカツキは冷たい視線を投げた。ただ一応、聞く意思はあるようで、顎で続きを促す。

「ニホンはね、もともとそんなに資源に恵まれた国じゃないんだ。だから物を大事にしようとする精神が強い。そして、長い年月を経た道具には神が宿ると信じているんだ。そして本当に、そのなんでもない道具を付喪神っていう神様にしてしまうんだよ」

 さすがのアカツキにも、目を丸くし言葉を失った。

「人が神を創る……じゃと?」
「そうなんだよ!だからニホンは八百万の神様が……いるらしいよ」
「それはまた稀有なことじゃ」

 このコキヒ国にも神と呼ばれる存在はある。ただしそれは唯一無二の存在だ。数多あまたの神々が存在する国というものを想像してみるが、限界がある。

「そうだねぇ。でも、そんなに沢山の神様がいるなら、僕の罪を赦してくれそうなのも、いるかもね」

 風神の罰当たりな発言に、アカツキは、黙れと叱咤する。

「主はこの世界で罪を犯したのじゃ。余所の神に救いを求めるでない」

 至極正論なアカツキの言葉に、風神はあちゃーと額に手を当て、月を仰ぎ見る。

「身も蓋も無いこと言わないでよ」
「身も蓋も無いことを、わらわに言わすでないっ」
「・・・ごめんなさい」

 肩を落とす風神と、呆れ果てるアカツキは、しばらく無言で月を眺めていた。しかし、風神の姿は次第に薄くなり、目を凝らさなければならないほど、儚いものになった。

「そろそろ行くね、アカツキ」
「早う行け」
「・・・あの、さっきはごめん。失言だったよ」
「そう思っているのなら二度と口にするでないぞ」
「わかった、約束する」 

 素直に頷いた風神に、アカツキは身体ごと向き合う。

「次に主とあうのは、瑠璃をまみえて、じゃな」
「そうだね。まっ、お遣いは再開できたんだ。あと少しで会えるよ」
「主が言うと、嘘に聞こえてしまう」

 しみじみと呟いたアカツキに、風神は苦笑を浮かべ口を開いた。

「うぅーん、その言葉は酷いけど、否定も出来ないなぁ。何と言っても、瑠璃は寄り道の天才だからなぁ・・・それに・・・───」

 そこまで言って、風神は言葉を切り、渋面を作った。

 再開したお遣いはコブ付きだ。しかも、そのコブは、このシュスイを巻き込んで、何やら良からぬ事を企んでいる。

 風神は、コブ呼ばわりしている男に、直接の何かされたわけでも、個に対しての恨みもない。ただ、とにもかくにもいけ好かないだけだ。

「僕の大事な瑠璃を、厄介事に巻き込まないでくれよ」

 ───巻き込んだら、殺すからね。

 風神の表情はは、今までに見せたこともない、惨憺たるものだった。



 その呟きを残し、風神は完全に姿を消した。残されたアカツキは、月が木々に隠れるまで天を見上げていた。 
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