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お遣いの章
★ちょっとここで酔っ払いに絡まれました①
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刃を向けられれば、すぐさま刃で斬り返す。
瑠璃のいた日本では考えられないことだが、ここコキヒ国では当たり前のことだった。
突然の襲撃に、バラバラになった3人であったが、東に向かうということだけで、無事に合流することができた。タツミとヒノエにとったら、ここはもう庭のようなものであるし、ナギは戦い慣れているからであってのこと。
タツミとヒノエの土地勘のおかげで、瑠璃とシュウトが身を隠している洞穴も見つけることができたが、三人は、密着している瑠璃とシュウトを見つけた瞬間、三者三様のリアクションをすることになった。
ナギは主の容態に顔色を失くし、ヒノエは無言で武器を構え、タツミは【ないすぅ~】親指を立てた。残念ながら、そこは息が合っていない三人であった。
シュウトに持たれかかられている瑠璃は、身動きがとれないまま、必死に今までの経緯を説明する羽目になったのだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「で、これが、シュウトが刺さったやつですか?」
とにかく毒の種類を判別しないと、薬が調合できないと、ヒノエは毒が着いている武器を親指と人差し指だけで摘み上げた。それは、毒を懸念してというより、シュウトに対する生理的嫌悪から来るものだった。
ヒノエ以外、皆、複雑な表情を浮かべていたが、解毒薬の調合はヒノエしかできない。下手に機嫌を損ねたら、取り返しのつかない状況になることは十二分にわかっている。
ということで、無言でヒノエを見守っていたが────。
「あー!!」
信じられないことに、ヒノエは毒の着いた武器の刃先に指を滑らせ、そのまま毒を口に含んでしまったのだ。
ヒノエの有り得ない行動に、瑠璃は叫び、ナギは息を呑んだ。ちなみにタツミはいつものことと落ち着いている。シュウトはというと、先程のヒノエの態度に落ち込み、それどころではない状態であった。と、三者三様の反応であったが、当の本人は特に気にする様子もなく、ゆっくりと口を開いた。
「痺れ薬に、トリカブト、あっあと、マムシの毒も入ってますわね。これ、結構、猛毒ですわ」
表情を変えず淡々と毒の分析するヒノエに、皆、息をのむ。
「普通の人間なら、確実に死ぬ毒ですわ」
と、もちろんこれも、表情を変えずに淡々と付け加えた。その瞬間、そこにいた全員が【じゃあ、ヒノエは普通ではないのか!?】と思ったがもちろんそれを口にする愚者はいなかった。
そんなこんなで、シュウトは、かろうじて普通の人間だったらしい。ヒノエの性解毒薬を飲んでも、シュウトはひどい高熱と痺れに一晩苦しめられることになったのだ。
そんなシュウトだけれども、一つだけ喜ばしい出来事があった。それはヒノエが瑠璃を、今宵一晩、シュウト看病に充てたのだ。
それはヒノエの優しさであったが、もちろん『手を出したら、ぶっ殺す』という牽制を忘れない。その優しさは嫌がらせと紙一重のものであった。
─────そして、一刻後。
「良い感じですっね~ヒノエ」
「ふふふ、……シュウトも肝心な所で、爪が甘いですわね」
「いやいやいやいや、瑠璃様もシュウト様が動けないからこそ、素直になれるんっすよ~」
「っふふ、まだまだ、恋仲になるのは先が遠いですわね」
「亀より遅い歩みっすね~」
「……何、やってるんですか?馬鹿兄弟」
呆れかえったナギの声に、草葉の陰から瑠璃とシュウトを見守っていたタツミとヒノエは、悪戯がみつかった子供のようにバツの悪い笑みを見せた。
「あ、さ~せん」
「しっ、瑠璃さまに気付かれますわ」
前者はタツミ。後者はヒノエ。ヒノエは、自分のことを棚にあげて、唇に人差し指を当てナギを睨む。
自分のことを棚に上げてと内心舌打ちしたナギだったが、一瞬、眉間に皺をよせただけで、何も言わずに少し離れた場所で火をおこす。その姿が、かなり寂しそうだったので、タツミはナギの肩に腕を回して、励ましの言葉をかけた。
「ナギさん!落ち込まないでください!男は……いくらでもいます!」
「なんで、男なのだ!?」
ナギは、まわされたタツミの腕を力いっぱい捻り上げた。次いで、もう何度目かわからない台詞を、うんざりしながら口にした。
「ふざけないでください。私は男色家ではありません。シュウトさまをお慕いしているだけです」
「じゃ、俺じゃ駄目っすか!?」
「───……寝言は寝て言え」
吐き捨てるように呟いたナギに、タツミはこの世の終わりのような顔をした。
「俺……女の子好きですけど……ナギさんなら、良いって思ってたんすよ……」
「おや、不眠症ですか?私が寝かせてあげましょうか……永遠に起きることはできませんけど」
絶対零度のナギの視線に、タツミは涙目になる。そんな可哀そうな弟を無視してヒノエはこてんと首を倒して口を開いた。
「つまり、ナギ様はシュウトのみをお慕いしてるってことですの?」
唐突に割り込んできたヒノエの言葉に、ナギは面倒くさそうに頷いた。
「さっきから、そう言ってるではありませんか。だいたい───」
「では、瑠璃様とナギ様は、恋敵ってことになりますわね」
「はぁ?」
予期せぬヒノエの言葉に、ナギは思わず間抜けな声を出してしまった。それに気付いたナギはごまかすように咳ばらいをして、もう一度口を開いた。
「人の言葉を遮って、随分とくだらないことを言いますね」
眉を歪め、吐き捨てるナギに対してヒノエは、くすりと意地の悪い笑みを浮かべた。
「あら、くだらなくはないですわ、ふふっ。確認しておかなければならないことですもの。あなたが嫉妬に狂って、瑠璃様に危害を与えるかもしれませんもの」
ヒノエの意地の悪い言葉にムッとしたナギは、感情のまま口を開いた。
「嫉妬?あなた達は本当に狭量な人間ですね。……美しいものですよ。人と人とが心を通わす瞬間というのは。それが例え恋敵であったとしても」
「あら?では、ナギ様は瑠璃様に嫉妬の感情を持っていないというのです?」
ナギは是と頷いて、穏やかな笑みを浮かべた。
「そうですよ。馬鹿なあなた達とは違って。私はシュウト様の想いを独り占めしたいとか、そういう独占欲はないんです」
ナギは、コホンと、咳払いをする。そして、青年らしい爽やかな笑顔になった。
「傍から見れば私は強がっているように見えるのでしょうね。でもそれで良いのです。誰にもわかって貰えなくても。シュウト様を想う気持ちは私だけのかけがえのないものなのですからっ───っえ……うわぁ!」
突然、タツミに飛びつかれ、ナギはバランスを失った。そのまま、2人とも、もつれるように地面に崩れ落ちる。
「何をするんですか!この、バカ!!」
タツミに覆いかぶされ、ナギは身動きが取れないまま一喝する。が、タツミはそんなナギを無視して、ナギの首に腕を回し思いっきり絡みつく。
「めっちゃ、気に入りました!ナギさま~」
「止めてくださいっ気持ち悪い!私は男色家ではないと言ったはずですよ!」
タツミに絡みつかれ、ナギは動揺をあらわにした。全身に鳥肌が立つ。
ここまで、動揺を露わにしたナギは珍しい。本気で貞操の危機を感じているのだろう。ついには拳を振り上げタツミの脳天めがけて振り下ろそうとしたその時───
「まぁ、こんな時は、コレに限りますわね」
二人の間に割って入ったヒノエは、とある物をナギの前に、どどんっと置いた。
それは、女性の細腕では到底持ち上げることができないはずの、巨大な酒樽だった。
瑠璃のいた日本では考えられないことだが、ここコキヒ国では当たり前のことだった。
突然の襲撃に、バラバラになった3人であったが、東に向かうということだけで、無事に合流することができた。タツミとヒノエにとったら、ここはもう庭のようなものであるし、ナギは戦い慣れているからであってのこと。
タツミとヒノエの土地勘のおかげで、瑠璃とシュウトが身を隠している洞穴も見つけることができたが、三人は、密着している瑠璃とシュウトを見つけた瞬間、三者三様のリアクションをすることになった。
ナギは主の容態に顔色を失くし、ヒノエは無言で武器を構え、タツミは【ないすぅ~】親指を立てた。残念ながら、そこは息が合っていない三人であった。
シュウトに持たれかかられている瑠璃は、身動きがとれないまま、必死に今までの経緯を説明する羽目になったのだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「で、これが、シュウトが刺さったやつですか?」
とにかく毒の種類を判別しないと、薬が調合できないと、ヒノエは毒が着いている武器を親指と人差し指だけで摘み上げた。それは、毒を懸念してというより、シュウトに対する生理的嫌悪から来るものだった。
ヒノエ以外、皆、複雑な表情を浮かべていたが、解毒薬の調合はヒノエしかできない。下手に機嫌を損ねたら、取り返しのつかない状況になることは十二分にわかっている。
ということで、無言でヒノエを見守っていたが────。
「あー!!」
信じられないことに、ヒノエは毒の着いた武器の刃先に指を滑らせ、そのまま毒を口に含んでしまったのだ。
ヒノエの有り得ない行動に、瑠璃は叫び、ナギは息を呑んだ。ちなみにタツミはいつものことと落ち着いている。シュウトはというと、先程のヒノエの態度に落ち込み、それどころではない状態であった。と、三者三様の反応であったが、当の本人は特に気にする様子もなく、ゆっくりと口を開いた。
「痺れ薬に、トリカブト、あっあと、マムシの毒も入ってますわね。これ、結構、猛毒ですわ」
表情を変えず淡々と毒の分析するヒノエに、皆、息をのむ。
「普通の人間なら、確実に死ぬ毒ですわ」
と、もちろんこれも、表情を変えずに淡々と付け加えた。その瞬間、そこにいた全員が【じゃあ、ヒノエは普通ではないのか!?】と思ったがもちろんそれを口にする愚者はいなかった。
そんなこんなで、シュウトは、かろうじて普通の人間だったらしい。ヒノエの性解毒薬を飲んでも、シュウトはひどい高熱と痺れに一晩苦しめられることになったのだ。
そんなシュウトだけれども、一つだけ喜ばしい出来事があった。それはヒノエが瑠璃を、今宵一晩、シュウト看病に充てたのだ。
それはヒノエの優しさであったが、もちろん『手を出したら、ぶっ殺す』という牽制を忘れない。その優しさは嫌がらせと紙一重のものであった。
─────そして、一刻後。
「良い感じですっね~ヒノエ」
「ふふふ、……シュウトも肝心な所で、爪が甘いですわね」
「いやいやいやいや、瑠璃様もシュウト様が動けないからこそ、素直になれるんっすよ~」
「っふふ、まだまだ、恋仲になるのは先が遠いですわね」
「亀より遅い歩みっすね~」
「……何、やってるんですか?馬鹿兄弟」
呆れかえったナギの声に、草葉の陰から瑠璃とシュウトを見守っていたタツミとヒノエは、悪戯がみつかった子供のようにバツの悪い笑みを見せた。
「あ、さ~せん」
「しっ、瑠璃さまに気付かれますわ」
前者はタツミ。後者はヒノエ。ヒノエは、自分のことを棚にあげて、唇に人差し指を当てナギを睨む。
自分のことを棚に上げてと内心舌打ちしたナギだったが、一瞬、眉間に皺をよせただけで、何も言わずに少し離れた場所で火をおこす。その姿が、かなり寂しそうだったので、タツミはナギの肩に腕を回して、励ましの言葉をかけた。
「ナギさん!落ち込まないでください!男は……いくらでもいます!」
「なんで、男なのだ!?」
ナギは、まわされたタツミの腕を力いっぱい捻り上げた。次いで、もう何度目かわからない台詞を、うんざりしながら口にした。
「ふざけないでください。私は男色家ではありません。シュウトさまをお慕いしているだけです」
「じゃ、俺じゃ駄目っすか!?」
「───……寝言は寝て言え」
吐き捨てるように呟いたナギに、タツミはこの世の終わりのような顔をした。
「俺……女の子好きですけど……ナギさんなら、良いって思ってたんすよ……」
「おや、不眠症ですか?私が寝かせてあげましょうか……永遠に起きることはできませんけど」
絶対零度のナギの視線に、タツミは涙目になる。そんな可哀そうな弟を無視してヒノエはこてんと首を倒して口を開いた。
「つまり、ナギ様はシュウトのみをお慕いしてるってことですの?」
唐突に割り込んできたヒノエの言葉に、ナギは面倒くさそうに頷いた。
「さっきから、そう言ってるではありませんか。だいたい───」
「では、瑠璃様とナギ様は、恋敵ってことになりますわね」
「はぁ?」
予期せぬヒノエの言葉に、ナギは思わず間抜けな声を出してしまった。それに気付いたナギはごまかすように咳ばらいをして、もう一度口を開いた。
「人の言葉を遮って、随分とくだらないことを言いますね」
眉を歪め、吐き捨てるナギに対してヒノエは、くすりと意地の悪い笑みを浮かべた。
「あら、くだらなくはないですわ、ふふっ。確認しておかなければならないことですもの。あなたが嫉妬に狂って、瑠璃様に危害を与えるかもしれませんもの」
ヒノエの意地の悪い言葉にムッとしたナギは、感情のまま口を開いた。
「嫉妬?あなた達は本当に狭量な人間ですね。……美しいものですよ。人と人とが心を通わす瞬間というのは。それが例え恋敵であったとしても」
「あら?では、ナギ様は瑠璃様に嫉妬の感情を持っていないというのです?」
ナギは是と頷いて、穏やかな笑みを浮かべた。
「そうですよ。馬鹿なあなた達とは違って。私はシュウト様の想いを独り占めしたいとか、そういう独占欲はないんです」
ナギは、コホンと、咳払いをする。そして、青年らしい爽やかな笑顔になった。
「傍から見れば私は強がっているように見えるのでしょうね。でもそれで良いのです。誰にもわかって貰えなくても。シュウト様を想う気持ちは私だけのかけがえのないものなのですからっ───っえ……うわぁ!」
突然、タツミに飛びつかれ、ナギはバランスを失った。そのまま、2人とも、もつれるように地面に崩れ落ちる。
「何をするんですか!この、バカ!!」
タツミに覆いかぶされ、ナギは身動きが取れないまま一喝する。が、タツミはそんなナギを無視して、ナギの首に腕を回し思いっきり絡みつく。
「めっちゃ、気に入りました!ナギさま~」
「止めてくださいっ気持ち悪い!私は男色家ではないと言ったはずですよ!」
タツミに絡みつかれ、ナギは動揺をあらわにした。全身に鳥肌が立つ。
ここまで、動揺を露わにしたナギは珍しい。本気で貞操の危機を感じているのだろう。ついには拳を振り上げタツミの脳天めがけて振り下ろそうとしたその時───
「まぁ、こんな時は、コレに限りますわね」
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