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132話 消えたユナ
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「とりあえず八か所は探ってみたんだが……、神聖魔法が見当たらないんだ」
ハルカは慌てたように言う。
魔法が検知できないというのはほぼほぼありえないことらしく、特にハルカともなれば特殊な条件さえなければ確実に見つけられるはずだった。
「検知ができない?見落としや確認漏れはないのか?」
「ああ。どちらもないよ。検知できる範囲はすべて検知したはずなんだ」
切羽詰まった状態のハルカとセシルだったがレイシェルはそれを見て首をかしげる。
「この、王城の周りの区域。確認はしましたか?」
ハルカは驚いたようにレイシェルを見た。
「万が一でも、王城にいるということなのか?」
「それは分かりません。でも、王城は魔法による捜索はできないように妨害魔法が張ってあるはずなので確かめた方がいいと思います」
「でも、魔法じゃ確かめられないならどうやって……?」
セシルが言うと、レイシェルは冷静に言った。
「実際に王城に行って確かめるのが一番いいでしょうね。誰かが着いてきてくれると嬉しいのですが……」
「なら、俺が行こう」
真っ先に言ったのはトリオスだった。
トリオスが着いていくのは頼もしいが、やはり司令塔であり姫であるレイシェルに行かせるわけにはいかない。
「僕も行きます。シェイドがいるなら僕もいた方がいい」
それにしても、王城に隠れていたとしたら、かなり肝が据わっている。
でも魔力が検知できないというならシェイドにとっては絶好のスポットなのだろうか。
「絶対にユナを見つけ出す!」
僕とトリオスは強い決意をもって王城へと向かって行った。
ーーーーーーーーーー
その頃、サレスティとセイヨウ。
星魔法の気配は感じていたが、本人はなかなか見つからない。
「ここらへんには多くの貴族が住んでいるし無理に魔法を放つこともできない」
敵の魔法の位置を探っているが正確なところまで絞り込めていなかった。
「そもそも星魔法がどんなものかが分からなきゃ絞り込める者も絞り込めない」
そう言うと、セイヨウは左腕にある星型の傷を触る。
少ししてその手をどこかを指した。
「星魔法って物の形を変えたり場合によっては人の心すらも変えれるけどまさかこの傷に触っただけで近くに星魔法の使い手がいるかどうかが分かったりするみたいなんだ」
少し歩いた後、セイヨウは茂みをかき分けると星の形にねじ曲がった剣を発見する。
「これは……?」
「バレちゃ仕方がないよな。俺の名前はアークラン、シュレイの件ではお世話になったね、セイヨウ」
その顔は、憎しみだった。
ハルカは慌てたように言う。
魔法が検知できないというのはほぼほぼありえないことらしく、特にハルカともなれば特殊な条件さえなければ確実に見つけられるはずだった。
「検知ができない?見落としや確認漏れはないのか?」
「ああ。どちらもないよ。検知できる範囲はすべて検知したはずなんだ」
切羽詰まった状態のハルカとセシルだったがレイシェルはそれを見て首をかしげる。
「この、王城の周りの区域。確認はしましたか?」
ハルカは驚いたようにレイシェルを見た。
「万が一でも、王城にいるということなのか?」
「それは分かりません。でも、王城は魔法による捜索はできないように妨害魔法が張ってあるはずなので確かめた方がいいと思います」
「でも、魔法じゃ確かめられないならどうやって……?」
セシルが言うと、レイシェルは冷静に言った。
「実際に王城に行って確かめるのが一番いいでしょうね。誰かが着いてきてくれると嬉しいのですが……」
「なら、俺が行こう」
真っ先に言ったのはトリオスだった。
トリオスが着いていくのは頼もしいが、やはり司令塔であり姫であるレイシェルに行かせるわけにはいかない。
「僕も行きます。シェイドがいるなら僕もいた方がいい」
それにしても、王城に隠れていたとしたら、かなり肝が据わっている。
でも魔力が検知できないというならシェイドにとっては絶好のスポットなのだろうか。
「絶対にユナを見つけ出す!」
僕とトリオスは強い決意をもって王城へと向かって行った。
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その頃、サレスティとセイヨウ。
星魔法の気配は感じていたが、本人はなかなか見つからない。
「ここらへんには多くの貴族が住んでいるし無理に魔法を放つこともできない」
敵の魔法の位置を探っているが正確なところまで絞り込めていなかった。
「そもそも星魔法がどんなものかが分からなきゃ絞り込める者も絞り込めない」
そう言うと、セイヨウは左腕にある星型の傷を触る。
少ししてその手をどこかを指した。
「星魔法って物の形を変えたり場合によっては人の心すらも変えれるけどまさかこの傷に触っただけで近くに星魔法の使い手がいるかどうかが分かったりするみたいなんだ」
少し歩いた後、セイヨウは茂みをかき分けると星の形にねじ曲がった剣を発見する。
「これは……?」
「バレちゃ仕方がないよな。俺の名前はアークラン、シュレイの件ではお世話になったね、セイヨウ」
その顔は、憎しみだった。
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