空から来た少年

ジャム

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本編

帰りたいという気持ち

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次の日

白夜「悠斗!アイス食べよう!」

「ん?僕はいいよ」

白夜が両手にアイスを持って部屋にやってきた

白夜「いいのか?おいしいのに・・・」

「僕はいいよw光くんか瞳ちゃんにあげてw」

そういい僕は外を見た
空が青く、暑そうだった

「・・・」

白夜「・・・なにか悩んでるのか?」

「まぁ・・・」

白夜「なにに悩んでるんだ?話なら聞くぞ?」

「・・・」

白夜「・・・」

白夜はなにも言わず僕の隣に腰かけた
そして僕の頭に手を置いた

「・・・」

白夜「進路で悩んでるのか?」

「・・・」

白夜「それとも帰り方で悩んでるのか?」

「・・・僕・・・わからなくなっちゃったんだ」

白夜「わからない?」

「うん・・・帰りたいのか帰りたくないのか・・・」

白夜は僕の頭を撫でながら静かに聞いてくれていた

「こっちでの生活が楽しすぎて・・・帰りたいって思わないんだ。でも、親のことは心配だし・・・僕が居なくなって心配してるだろうし・・・だから、僕の無事だけでも伝えたいなって思うんだけど・・・どうしたらいいのか・・・」

白夜「無事を伝える・・・か・・・。難しいな・・・」

「うん・・・」

伝える手段はない
あったとしたら、僕は帰っているはずだ
でも・・・帰りたい・・・わけじゃない
日に日に帰りたくなくなる
白夜の傍に居たい
ずっと・・・ずっと・・・

「どうしたらいいんだ・・・」

僕は頭を悩ませていた

白夜「・・・無責任なこと言うと・・・このままでいいと思う」

「・・・」

白夜「このまま俺の傍に居ろ。俺がお前を守ってやる。幸せにしてやる。だから傍に居ろ。なにも心配しなくていい」

「・・・」

それもいいと思う
このまま白夜と過ごして、結婚もできるらしいから結婚して・・・
幸せな家庭を築くのも・・・いいよね

「・・・」

でも、今すぐ答えを出すことはできない
少なくとも・・・僕は迷っている
まだ帰りたいという気持ちが心に残っている
それがある限り・・・白夜と幸せな家庭なんて・・・

白夜「まぁすぐにどうこうしなくていいんじゃないか?」

「・・・」

白夜「今は俺の傍にいればいい。これは・・・俺からの頼みだ」

「・・・わかった」

白夜「ありがとう・・・」

そういい強く抱きしめてくれる
そのぬくもりが・・・僕の涙腺を緩くする

「うぅ・・・」

白夜「・・・」

白夜は無言で頭を撫で抱きしめてくれる
とてもやさしく・・・

「白夜・・・」

白夜「ん?」

「僕・・・帰らなくてもいい?」

白夜「それを今更聞くのか?w」

そういいキスをしてきた

白夜「返事は何度も言っただろう?それに・・・今の答えはこれでな?w」

「うんw」

僕は白夜の抱き着いた
強く・・・強く抱き着いた

白夜「帰りたいなら協力する。もちろん帰らないなら傍に居てくれ」

「うん!」

白夜の方が一番苦しいよね・・・
いつかいなくなるかもしれない僕のためにここまでやってくれてるんだし
ずっと傍に居たいのに帰りたいって言ったら協力してくれる・・・

「白夜?」

白夜「ん?」

「色々ごめんね・・・」

白夜「いいんだよw」

「そして・・・ありがとう!」

白夜「おう!」

眩しい笑顔を僕に向けてくれる
僕だけに・・・

「愛してる!」

僕も笑顔を向ける

白夜「俺も愛してるぞ!」

そういい強く抱きしめてくる

「く、苦しい・・・」

白夜「もう少しだけな?」

「う、うん・・・」

どれくらい抱き合っただろう・・・

白夜「腹減った・・・」

「僕も・・・」

白夜「じゃあ下にいこうぜ!」

そういい手を差し伸べてきた

「うん!」

僕は手を握り一緒にキッチンに向かった
キッチンでは遥人さんがそうめんを用意してくれていた

豹谷母「ちょうどよかった!そうめんできたよ!」

白夜「やった!夏と言えばそうめんだよな!」

「そうだねw夏になると食べたくなるよねw」

豹谷母「そうだねw光~!瞳~!そうめんできたよ~」

瞳「そうめん!!」

光「またそうめんかよ・・・」

豹谷母「用意してもらってるだけありがたく思ってよ?wそれとも自分で用意する?」

光「・・・いただきます」

瞳「いっただきます!!」

「いただきます!」

白夜「いただきます!!」

豹谷母「はいw召し上がれw」

僕たちはそうめんを食べた

瞳「あ!私のだよ!」

白夜「へへん!弱肉強食だよ~」

瞳「ぶ~~~!!」

豹谷母「まだあるから取り合いしないの!」

光「悠斗さん。どうぞ」

「ありがとう!」

豹谷母「光と悠斗くんを見習いなさい・・・」

白夜「悠斗!これやる!」

「あ、ありがとうw」

瞳「お兄ちゃん!これあげる!」

「あ・・・ありがとう・・・」

僕の器にはてんこ盛りのそうめんがあった
こんなに食べられるかな・・・

豹谷母「ハハハw」

「フフフw」

そして僕たちはそうめんを平らげた
獣人の食事量はすごいな・・・
僕や遥人さんの三倍は食べてたと思う・・・

白夜「明日はなにしようかな・・・」

「・・・やる?w」

白夜「お?いいな!じゃあ早速・・・」

そういい服に手を入れてきた

「あ、明日の話じゃないの!?」

白夜「そんな誘われ方されたら明日まで我慢できないw」

そういい胸を舐めてきた

「ん・・・」

白夜「可愛い・・・」

僕たちは身体を重ねた
白夜は僕の目を見つめてくれていた
その目はとても温かく優しい目だった・・・
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