サバイバルの恋

ジャム

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日が沈みだす・・・
僕たちはしばらく歩いたが川すら見つけられないでいた

獅子丸「まずいな・・・」

熊井「ああ・・・」

豹方「喉乾いた・・・」

みんな限界のようだ
僕もだが

豹方「ディモルで探せない?」

「暗くなるとディモルでも無理だと思います・・・」

犬井「・・・ひとまず、川や水辺を探さないと・・・」

「・・・ファースト!」

そういうとファーストは走って行った

豹方「え?なに?」

熊井「なんでファーストを?」

「ファーストなら足が速いので川を探しに行かせました。もし暗くなっても僕の匂いで居場所はわかると思いますし」

獅子丸「そんなこともできるのか・・・」

「いえ、できるかはわかりませんが・・・」

豹方「でも、仮に川を見つけてもそれを知る方法はあるの?」

「はい。ファーストが教えてくれます」

熊井「わかるのか?」

「言葉がわかるわけではないですが・・・」

獅子丸「きっと『調教師』の能力の一つなんだろう」

熊井「・・・ひとまず、歩こう。このまま居ても仕方ない」

そういい僕たちは歩いた
でも、歩けど歩けど川は見つからない
もう日は落ち周りは暗くなってしまった

熊井「くそ・・・」

犬井「たいまつに火を付けましょう」

みんなでたいまつを持ち歩いた
でも暗くてどっちに行ったらいいかわからない

獅子丸「ここでキャンプにしよう」

豹方「でも、川とか見つけてない・・・」

熊井「暗闇を闇雲に歩き回るのは危険だ」

犬井「そうですね・・・今日は我慢しましょう・・・」

そうして僕たちはキャンプの準備をしていた
僕は熊井さんと薪を集めていた

熊井「すまないな・・・」

「え?」

熊井「俺がもっとしっかりしていればこんなことにはならなかった」

「そんなことないですよ。これは誰のせいでもありません」

熊井「でも、水筒とかの準備なんかも考えるべきだった」

「それは僕たちも同じです。誰もこんな事になるなんて予測できないですよ」

熊井「・・・」

「熊井さんだけの責任じゃありません。だから一人で抱え込まないでください」

熊井さんは僕の頭を撫で

熊井「すまないな。弱気になっちまった」

「無理に気丈夫に振る舞う必要はないと思います」

熊井「でも、俺がしっかりしないとみんなが危険だ」

「どんなに強い人でも休まないと爆発しますよ」

熊井「・・・ちょっといいか?」

そういうと熊井さんは僕を抱き締めた

「え・・・?」

熊井「ちょっとだけ・・・」

そういうと抱きしめる力が強くなる
僕も抱き締め返す
熊井さんは少し震えている

熊井「う・・・」

泣いているみたいだ
きっと気を張っていてずっと我慢していたんだろう
この人だって一人の人・・・辛くないはずがない
しばらく泣いた熊井さんはすっきりした顔で

熊井「すまないな!みんなが心配するから帰ろう!」

と言い薪をもってみんなのところに帰った

獅子丸「遅かったな?そんなに薪見つけにくかったか?」

熊井「ああ。暗くてな」

そういい薪を置く

獅子丸「食料は・・・これだけか・・・」

人数分には足りない・・・

熊井「女性と子供を優先しよう」

獅子丸「そうだな」

そういい焼いたお肉を豹方さん、猫里さん、僕に渡してきた

「あの・・・なんで僕に?」

獅子丸「女性と子供優先だからだよ?」

「あの・・・僕、子供に見られてたんですか?」

豹方「え!?違うの!?」

「僕、二十歳です」

熊井「そうか・・・そうだったのか!w」

熊井さんは大笑いした

獅子丸「く、熊井?」

熊井「ハハハハ!」

「く、熊井さん?」

熊井「すまないwいや、子供だと思ってたからw」

そう言いながら僕の頭を撫でる
ずっと子供扱いされてたんだ・・・

熊井「それなら・・・」

とボソっと熊井さんは言った

「なにか言いましたか?」

熊井「いや、なんでもない」

「???」

僕は不思議に思ったが、きっと子供だったことを気にしていたんだろう

「て、ことで、僕は子供ではないので、これはみんなで分けましょう」

豹方「私たちのも分けよう?」

そういいみんなでお肉を分け合った
そして僕たちはテントに入った

「なんで今日は熊井さんとなんですか?」

熊井「嫌・・・か?」

「そうではないんですが、なんでかなって思いまして」

熊井「たまにはな?」

「まぁ構いませんが・・・」

そういい横になる
その時テントにヴェロキラプトルが首を入れてきた

熊井「うわっ!」

「!?ファースト?おかえり」

そういうと僕はテントの外にでた

「どうだった?」

ファースト「ガウ!」

熊井「心臓に悪いな・・・なんだって?」

「かなり先ですが湖があるみたいです」

熊井「そうか!じゃあ、明日はそこに行ってみよう!」

「はい。それと・・・」

といい僕は熊井さんにある物を手渡した

熊井「これは?肉か?」

「はい。ファーストが狩ってきたみたいです」

熊井「そうか!すまないな!」

といいみんなを起こしに向かった熊井さん

「よかった・・・」

ファースト「グルルル」

「まぁいいじゃん。僕のために取ってきてくれたのは嬉しいけど、みんな仲間なんだから。みんなで生き延びたいからね」

熊井「一ノ瀬!食おうぜ!」

そう言われ僕はみんなのところへ向かった

・・・次の日・・・
「ん・・・少し暑い・・・」

暖かいけど暑い・・・
僕は目を開けた
そこには茶色いモフモフが目の前にあった

「モフモフ・・・ん?モフモフ?」

僕は顔を上げたら

「!?」

僕は熊井さんに抱きしめられた状態だった

「・・・まぁいいか」

このモフモフ・・・気持ちいい
このままでいいか

熊井「ん・・・起きたのか?」

「え、あ、はい・・・」

熊井「夜中寒そうにしてたからくっ付いたんだが・・・嫌だったか?」

「いえ、すごく心地よかった・・・です・・・」

熊井「そ、そうか、それはよかった」

そういうと更に強く抱きしめてきた

「あ、あの、そろそろ起きないと・・・」

熊井「もう少しだけ・・・」

そういうと僕をギュッと抱きしめる
僕も抱きしめた
なぜか抱きしめたくなった
そして力が緩んだから離れようとしたとき
熊井さんの顔が僕の顔に近づいて来た

「???」

その時

獅子丸「お~い。まだ寝てるのか?」

熊井「・・・起きてるよ」

ちょっと不機嫌そうに答える熊井さん
そしてテントから出て行った
僕は伸びをしてテントをでた

獅子丸「おはよう!」

「おはようございます」

熊井「・・・」

犬井「熊井さん、具合でも悪いんですか?」

熊井「いや、ちょっと疲れが取れないだけだ」

犬井「無理せず、休憩しながらいきましょう」

そして片づけをして湖のある方角へ向かった
その間、熊井さんは黙ったままだった

熊井「・・・」

獅子丸「・・・休憩するか?」

熊井「いい。このままいくぞ」

獅子丸「でもな・・・」

熊井「いいって言ってるだろう」

ちょっと強めに言う熊井さん

「熊井さん・・・少し休みましょう?」

熊井「・・・」

「ね?」

熊井「ああ。そうするか」

そういい腰を下ろした

獅子丸「・・・」

犬井「今日中に着けるといいんですが・・・」

豹方「そうね・・・喉が・・・」

猫里「木の実とかで何とかならない?」

豹方「できなくはないけど、喉を潤すのには無理があるよ」

獅子丸「でも、少しでも喉を潤さないといけない。少し集めてみよう」

そういうと犬井さん、猫里さん、豹方さんは近くの林に入って行った

「ディモル。護衛お願い」

ディモルは三人について行った
しばらく沈黙が走る

獅子丸「・・・」

熊井「・・・」

「・・・」

なんでこんなに重いのかな?

獅子丸「・・・熊井、なんで怒ってるんだ?」

熊井「・・・」

怒ってたの?なんで?
僕、なにか悪いことしたかな・・・

獅子丸「・・・おい」

熊井「別に怒ってねぇよ」

獅子丸「怒ってるだろう。さっきから」

熊井「・・・」

「なにか悪いことしたならすみません・・・」

熊井「・・・」

熊井さんは立ち上がり

熊井「少し、頭冷やす」

そういうと少し離れたところで腰を下ろした

「僕がなにかしたんでしょうか・・・」

獅子丸「たぶん、一ノ瀬くんは関係ないと思う。もし関係あるなら・・・俺だろうな」

「なにかしちゃったんですか?」

獅子丸「理由は知らないが、俺に対して冷たいからな。たぶん、俺だろう」

なんかあったのかな?

「あの、獅子丸さんと熊井さんって・・・親友なんです、よね?」

獅子丸「う~ん。幼馴染だね。親友・・・なのかは微妙なところかな」

「・・・じゃあ、なんで怒ってるかってわからないんですか?」

獅子丸「大体は見当はつくけど、それはあいつが勝手に怒ってるだけだから、一ノ瀬くんは気にしなくていいんだよ?」

そういうと僕の頭を撫でる
まだ子供扱いされてるのかな・・・
まぁ、泣き虫だし仕方ないけど・・・
しばらくして熊井さんが戻ってきた

熊井「すまなかった」

獅子丸「頭冷えたか?」

熊井「ああ」

獅子丸「まぁ、俺ももう少し考えるべきだった」

「なんのことですか?」

熊井「え、いや、それは・・・」

獅子丸「気にしなくていいんだよw」

気になる
けど、二人の問題だし・・・

「!?」

その時、心臓を貫くような痛みが僕を襲う
あまりの痛みに両膝をつく

熊井「一ノ瀬!?」

獅子丸「どうしたんだ!?」

僕はすぐにこの痛みの原因を理解した

「ディモルが・・・」

熊井「ディモル?ディモルがどうしたんだ?」

「ディモルが・・・死んだ・・・」

獅子丸「は?」

ディモルが死んだ・・・
と、言うことは

「三人が危ない!」

熊井「!?獅子丸!一ノ瀬を頼む!」

そういうと熊井さんは走って行ってしまった

獅子丸「あ!熊井!!相変わらずの速さだな・・・大丈夫かい?」

「獅子丸さんも行ってください!熊井さん一人じゃ対応できないかもしれないです!」

獅子丸「でも、君を一人に・・・」

「大丈夫です。ファーストが居ます。だから・・・」

獅子丸「・・・わかった。すぐ戻る!」

そういうと獅子丸さんも走って行った
一人残る僕

「ディモル・・・」

テイムした生き物の死を身体で感じるなんて・・・
いまはそんなこと考えてる場合じゃない!

「僕も、行かないと・・・」

でも、身体が動かない
さっきの痛みで身体中か痛い
死ぬってこんな感じなんだ・・・

「・・・ファースト。僕をみんなのところへ!」

そういうとファーストは僕を背に乗せてみんなのところに向かった
少し走ったら、熊井さんと獅子丸さんと犬井さんがラプトル4匹と戦っていた

(あれは・・・ユタラプトル!?)

豹方さんと猫里さんは固まっていてそれを囲むように三人は戦っていた

「!?ファースト!飛び掛かって!」

そしてファーストが一匹のユタラプトルに飛び掛かった

「みんな!大丈夫ですか!?」

獅子丸「一ノ瀬くん!?」

熊井「馬鹿!なんで来たんだ!」

「仲間を助けるためです!ファースト!」

ファーストはユタラプトルの首を折る
そしてファーストが次のユタラプトルに向かう
その勢いで僕はジャンプしもう一匹のユタラプトルに飛び掛かる
ナイフをユタラプトルの首に刺した

「!?」

思ったより傷が浅い
致命傷にはならない
そして

「いっ!」

僕はユタラプトルに左腕を噛まれた
鋭い牙が僕の左腕を噛みちぎろうとする

熊井「遥斗を離せ!!」

と熊井さんがユタラプトルの動体にナイフを刺す
それと同時に獅子丸さんがユタラプトルの心臓目掛けてナイフを刺した
ユタラプトルは力尽き僕の左腕を離した

熊井「遥斗!!大丈夫か!!」

「まだ、二匹、残ってます」

獅子丸「いや、一匹だ」

周りを見た
そこにはファーストが戦っているユタラプトルしかいなかった

「逃げた・・・かな」

そしてファーストが最後のユタラプトルを倒した

熊井「大丈夫か!?」

左腕からは血がとめどなく流れる

「ディモルは・・・?」

豹方「あそこ・・・」

と豹方さんが指をさす方をみたら

「!!」

そこにはディモルが倒れていた
僕はディモルに駆け寄った

「ディモル・・・」

僕はディモルを抱き締め泣いた

「うぅ・・・」

豹方「ディモルは・・・私たちを守って・・・それで・・・」

「うぅ・・・う・・・」

熊井「・・・」

熊井さんは無言で穴を掘った

獅子丸「熊井?」

熊井「一ノ瀬。ディモルを埋めてやろう?」

「・・・はい・・・」

そしてディモルを埋めて手を合わせた

「・・・」

熊井「・・・戻ろう」

「・・・」

熊井「ケガの手当ても必要だし」

猫里「手当てに必要な薬草ならもうあるよ。これを使ってお薬作れば手当てできる」

熊井「じゃあ、行こう?」

「はい・・・」

そういい僕は立とうとしたが心臓への痛みと腕の痛みで立てなかった

熊井「どうした?」

「立てないです」

熊井「そうか」

そういうと僕を抱きかかえた
そして荷物のある場所に向かった

猫里「すぐ作るね」

そういうと薬草をすり潰し始めた

熊井「痛むか?」

「大丈夫です・・・」

獅子丸「・・・デメリット・・・」

犬井「どうしたんですか?」

獅子丸「いや、神とやらが言ってたことを思い出してて・・・」

そういえば言ってた

「デメリットがあるって・・・」

獅子丸「そう。テイムした生き物が死ぬとそのダメージが一ノ瀬くんにも・・・ってことがデメリット?」

熊井「だから、あの時一ノ瀬は苦しんだのか・・・」

豹方「え?どういうこと?」

獅子丸さんはその場に居なかった三人に説明をしてくれた

豹方「そんな・・・」

犬井「それで僕たちが危険だとわかったんですね」

「はい。きっとそうなんだろうって」

豹方「死ぬ痛みを味わうってことだよね?」

獅子丸「そうなる」

豹方「酷い・・・失う苦しみだけじゃなく、その痛みも受けるなんて・・・」

「・・・」

熊井「その痛みって動物を譲った場合、どうなるんだ?」

獅子丸「・・・さぁ、それはわからないな。痛みが一ノ瀬くんに行くのか譲られた人に行くのか・・・」

しばらくして

猫里「できた。これを塗って包帯を巻けば雑菌は入らないよ」

そういうと薬を傷に塗ってくれた

「いっ!!!」

熊井「少し我慢しろ・・・」

猫里「包帯・・・ない・・・どうしよう・・・」

熊井さんはそれを聞き自分の服を破った

「え!?なにしてるんですか!?」

熊井「包帯の代わりだ」

「でも、熊井さんの服が・・・」

熊井「俺には毛皮がある。服はいらない」

「でも、これから寒くなるかも・・・」

猫里「今、繊維を使って包帯を作ろうと思ったんだけど・・・」

獅子丸「ハハハ。破り損だなw」

熊井「損とは思ってねぇけどな」

獅子丸「・・・そうかw」

と、少し笑う獅子丸さん

獅子丸「じゃあ、その繊維で服でも作ってやるよ」

「作れるんですか?」

獅子丸「ああ。サイズさえわかれば、ただ、繊維だからそこまで丈夫には作れないけどな」

豹方「じゃあ、私のスリーサイズ教えるから作ってよ!」

獅子丸「お、おう。暇を見て作っとくよ」

猫里「わ、私のも、お願い」

獅子丸「全員分作るからあとで図るぞ」

そういい僕たちは湖を目指した
僕は熊井さんがお姫様抱っこしてくれた

「なんか恥ずかしいんですが・・・」

熊井「けが人は大人しくしとかないとな」

「はい・・・」

そして一時間くらい歩いたら湖に着いた

豹方「すごい・・・」

「キレイな湖ですね」

熊井「ああ」

犬井「あ、あの木!」

と犬井さんが指をさした
その木は大きな木だった

犬井「あれぐらいの大きさなら家を作れますよ!」

獅子丸「じゃあ、ここに拠点を作ろう!」

豹方「水もあって拠点にいい木もあって。一石二鳥だね!」

熊井「ただ、水の中に狂暴な肉食恐竜とかいないだろうな・・・」

「それは大丈夫だと思います」

獅子丸「そうなのかい?」

「はい。みた感じ浅いですし、魚がたくさんいます。なので肉食はいないと思います」

熊井「・・・でも、一応確認しよう」

そういうと僕をおろして湖に入って行く熊井さん

獅子丸「お、おい!」

熊井「はぁ~~っ!」

と息を吸い潜った
しばらくして

熊井「ぶはっ!」

獅子丸「どうだ?」

熊井「全然平気だな。一番深くても肩までの高さしかない」

豹方さんと猫里さんはそれを聞いて水に飛び込んだ

豹方「は~~気持ちいい~」

猫里「久しぶりに身体を洗える」

獅子丸「水質は・・・問題なさそうだな」

犬井「周りを柵で囲って外敵から身を守ることもできそうですし・・・なかなかいい場所を見つけたんじゃないですか?」

熊井「ああ。それにあの小島に登ればちょっとしたバカンスも味わえそうだ」

湖と言っても小さくて真ん中に小島があって椅子とか置いたら確かにバカンス気分だね

獅子丸「でも、少し不安がある」

熊井「なんだ?」

獅子丸「ここ、森ってほどではないが、木が周りを囲っているだろう?」

熊井「ああ」

獅子丸「だから不意に襲われたりしないかが不安だ」

犬井「そうですね・・・柵を早めに作ります」

獅子丸「ああ、早速作り始めよう」

熊井「ひとまず俺たちの寝るテントの周りを作ってから少しずつ大きくしていこう」

獅子丸「ああ」

犬井「じゃあ、木材を集めてきますね」

獅子丸「一人での行動は危険だ。俺も一緒に行こう」

「じゃあ、ファーストも一緒に連れて行ってください。護衛や荷物運びに役に立つと思います」

犬井「いいのかい?」

「大量の木を二人で運ぶより往復できるファーストの方がいいと思いますので」

獅子丸「じゃあ、ちょっと借りようかな」

「はい。ファースト。二人のことよろしくね?」

ファースト「ガウっ!」

そう返事すると犬井さんたちについて行った
僕は熊井さんに抱えられて湖に向かった

熊井「ここが俺たちの拠点になるんだな・・・」

「なんか、楽しみですね!」

熊井「いつかはあの木に家ができるんだな」

「そうですね」

熊井「そうすれば、安全に生活ができるようになる」

「でも、どうやって木に家をつくるんでしょうか?」

熊井「さぁ?でも犬井に考えでもあるんじゃないか?」

いつか安全に暮らすことができる・・・
それが僕たちの今の目標・・・
それが現実になるって思うと

「なんか、すごく楽しみですね!」

と僕は熊井さんの顔を見て行った

熊井「!!」

熊井さんは驚いた顔をした

「???」

熊井「一ノ瀬の笑顔、初めてみた。可愛いな」

僕はそれを聞いて顔が熱くなった

熊井「まぁ、笑える状況じゃなかったからな・・・笑えるってことは余裕ができたってことだ」

「熊井さんはあまり笑わないですね・・・」

熊井「俺はみんなを守らないといけないからな。安全になるまでは安心できねぇよ」

「そう、ですよね」

熊井さんは僕を抱えている手に力を入れて

熊井「守ってみせる・・・」

とつぶやいた

「無理しない程度にお願いします」

熊井「おお!」

と少し笑顔で答えた
僕はそれを見て笑顔で返した

豹方「二人とも~こっちにおいでよ~冷たくて気持ちいよ~」

猫里「一ノ瀬くんはケガが酷いんだよ?無理言わないの・・・」

豹方「あ、そうか・・・ごめんね!」

「あ、いえ、気にしてないので」

よくよく見てみると湖の奥に水が流れて行っている
でも、ここに水が流れ込んできていない

「ここって湧き水でできてるんでしょうか?」

熊井「かもな。流れてるのに枯れないってことはそうなんだろう。新鮮でいいじゃないか」

「そうですね。湧き水はキレイですからね」

しばらくすると犬井さんと獅子丸さんが帰ってきた

犬井「ただいま~ちょっと疲れました・・・」

獅子丸「石オノで木材を集めるの大変だ・・・チェンソーとか欲しいな・・・」

熊井「作れるのか?」

獅子丸「ああ、作り方はわかる。でも、材料や燃料が必要だ」

犬井「燃料は手に入れるのが難しそうですね・・・」

獅子丸「石油ならある場所知ってるんだが、たぶんここら辺にはない」

犬井「となると、のこぎりがいいですね」

獅子丸「設備がないとな・・・溶鉱炉で鉄を抽出して型を作ってやらないと・・・」

犬井「・・・しばらくは石オノでやって行きましょう」

獅子丸「ああ・・・」

犬井「テント用意しますね。一ノ瀬くんを寝かせましょう」

熊井「ああ。頼む」

そういうとテントを組み立て始めた

豹方「獅子丸さん」

獅子丸「ん?どうした?」

豹方「プランターって作れないかな?」

獅子丸「プランター?作れるけど・・・どうしてだい?」

豹方「作物育てようと思って。それと晴香が薬草を育てたいらしい」

熊井「そこらへんに作るんじゃだめなのか?」

豹方「それでもいいんだけど、天候に影響受けちゃうからプランターがいいなって。プランターなら室内に運ぶこともできるし」

獅子丸「なるほど。材料を見つけて作っておくよ。木で簡単に作れそうだし」

豹方「よろしくね!」

というとまた湖に飛び込んだ

獅子丸「逞しいなw」

熊井「そうだな。きっと安心したんだろう」

「柵ができれば見張りもしないでゆっくり寝れますね」

獅子丸「それが一番ありがたいよ」

犬井「テント組み立てたので一ノ瀬くんを寝かせましょう」

そういわれ熊井さんは僕をテントに寝かせた

熊井「大人しくしてるんだぞ?」

「はい」

猫里「包帯変えるね?」

そういうと包帯を外した

猫里「まだ血が止まってない・・・」

熊井「大丈夫なのか!?」

猫里「大丈夫。少しずつだけど、止まってきてるから。人間は治るのに時間かかるから」

獅子丸「ここは猫里に任せよう?俺たちじゃわからない」

熊井「・・・」

猫里「任せて?」

熊井「・・・まかせた」

そういうとテントを出て行った

猫里「痛いよね・・・」

「大丈夫です」

猫里「薬草を使っても痛みは押さえられないの・・・」

「それは仕方ないですよ。手当てしてくれて助かります」

そしてテントの外では豹方さんが

豹方「魚取れたよ!」

獅子丸「お!デカいな~」

熊井「この大きさなら二人分はいけそうだな」

豹方「今日は魚食べようよ!」

なんて話が聞こえる

「豹方さん。元気ですね」

猫里「香織はいつも明るいの。いつも大雑把でずぼらでなにも考えずに行動するけど・・・」

「それも豹方さんのいいところですよ」

猫里「そうなんだけどね。私はそこも不安なんだよね。特にここではそれが命取りになるかもだし・・・」

「猫里さんが側にいれば大丈夫だと思いますよ」

そういうと猫里さんは僕の頭を撫でて笑顔で

猫里「ありがとう。今は周りを気にせずゆっくり休んでね?」

そういわれ僕は休んだ
そして僕は寝てしまった・・・
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