サバイバルの恋

ジャム

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本編

発熱

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「はぁはぁはぁ・・・」

苦しい・・・
熱い・・・
身体が熱い・・・

「はぁはぁはぁ・・・」

熊井「どうした?」

熊井さんが隣で寝てたんだ・・・

「す、みません・・・起こしてしまいましたね・・・」

熊井「いや、気にするな。それより、どうしたんだ?」

「身体が、熱くて、苦しいんです・・・」

熊井「!?ちょっと待ってろ!」

そういうとテントを出て行った
そして猫里さんを連れてきた

猫里「大丈夫!?どう苦しいの?」

「熱くて・・・胸あたりが苦しいです・・・」

猫里「・・・お薬作るね」

そういうとテントを出て行った

「はぁはぁはぁ」

苦しい・・・
熱い・・・
テントの外ではみんながなにか・・・言い争っている?

獅子丸「落ち着けって!」

熊井「落ち着けるかよ!一ノ瀬が苦しんでるのに・・・俺はすぐに気づけなかった・・・隣にいながら・・・」

獅子丸「いつから苦しんでるかはわからないが、お前が気づいたから手当てができるんだ。だから落ち着け!」

熊井「でも・・・でも!」

犬井「ひとまず、落ち着きましょう!慌てると冷静に考えることができなくなります!」

豹方「そうよ!それに晴香は『薬剤師』よ!きっとなんとかしてくれる!」

熊井「でも!」

猫里「ああ!うるさい!!集中してお薬作れないじゃない!少しは静かにしてよ!!」

僕は猫里さんの大声に驚いた
たぶんみんなもそうだろう

猫里「私に任せて。絶対に死なせるようなことはしないから!」

そしてテントの外は静かになった
しばらくして

猫里「入るね?」

といい葉っぱでできた器をもって入ってきた

猫里「外、騒がしくてごめんね?」

「い、いえ、びっくりはしましたが」

猫里「うるさかったからね。さぁ、これを飲んで?」

そういい僕に器を渡してきた
なんか変なにおいがする

猫里「これは解熱効果のある薬草をすり潰して作ったの。これを飲めば熱も下がって苦しさも緩和されるよ。ただ、一時間おきくらいに飲まないといけないんだけど・・・それと、かなり苦い・・・」

苦いのか・・・
でも、飲まないと治らないなら・・・
僕は覚悟して一気に飲んだ

ゴクッゴクッ

「苦い・・・」

猫里「苦いって言ったじゃんwじゃあ、また作って熊井さんに渡しておくからね。ゆっくり休むんだよ?」

というとテントを出て行った
すぐには効き目はないみたいだ
一時間おきに飲むのだからすぐには効かないか・・・
少しして熊井さんが入ってきた

熊井「大丈夫か?」

「はい・・・いえ、まだ・・・」

熊井「無理するな。俺がずっとそばに居てやるから」

そういうと僕の横に座る

熊井「頭を冷やすためにいま水を汲んできてくれてるからな」

「迷惑かけちゃってるな・・・」

熊井「気にするな」

そして獅子丸さんがお水を持ってきてくれた
そのお水を繊維に滲みこませて僕のおでこに置いた
冷たくて気持ちいい

獅子丸「また必要なら呼んでくれ」

熊井「ああ」

獅子丸「じゃあ、お休み」

「おやすみなさい」

そういうと獅子丸さんは自分のテントに帰っていった

熊井「辛くねぇか?」

「少し楽になりました」

熊井「そうか。それはよかった」

「・・・」

熊井「・・・」

暗いけど目が慣れてくるとうっすらと周りが見えてくる
僕は熊井さんと目が合う
熊井さんはニコッと笑って返してくる
僕も笑顔で返す
そして僕は寝てしまった

・・・次の日・・・
僕は目を覚ました
たぶんお昼ごろだろう

「・・・喉乾いた・・・」

僕は起き上がろうとしたが

「いっ!」

左腕は痛いし、身体はだるい・・・
苦しさはないけど、動くのが辛い
でも、喉乾いたし、声を出すのもつらいから動くしかない
僕はなんとか立ち上がりテントを出た
そこには僕の二倍はありそうな柵があった

「こんな短時間で・・・」

周りを見渡したが綺麗に隙間なく囲まれていた
僕は歩き出したが体制を崩した
そして地面に倒れる

「いてて・・・」

僕は立ちあがり柵に寄りかかる

「はぁはぁ・・・」

歩くの辛いな・・・
でも、お水が欲しい
僕は柵に寄りかかりながら少しずつ動いた
入り口を探しながら歩く
そして扉を見つけた
扉を開け外に出たら少し遠くに更に大きな柵ができていた
まだ途中だがこれならそう簡単に侵入とかはできなそうだ

熊井「一ノ瀬!何してるんだ!」

「あ、熊井さん。おはようございます」

熊井「ああ。おはよう。じゃなくて、なんでここに居るんだよ!」

「喉が渇いたので」

熊井「だからって・・・辛かっただろう?」

と、ため息交じりに聞いてくる

「はい。でも、声を出すのもつらかったので・・・」

熊井「そうか・・・じゃあ、テントに戻るぞ。」

「え、でも、お水・・・」

熊井「俺が持って行ってやるからテントに戻るぞ」

「はい・・・」

そういうと僕は抱えられてテントに寝かされた
そして熊井さんはお水を持ってきてくれた

ゴクッゴクッ

「おいしい・・・」

熊井「そうか。じゃあ、これ」

といい苦いお薬を渡してきた

「う・・・」

熊井「飲まないとダメだぞ?」

「はい・・・」

ゴクッゴクッ

「うえ・・・苦い・・・」

熊井「一時間おきに飲まないといけなかったんだが、気持ちよさそうに寝てたからな。起きてる間は飲むんだぞ?」

「寝てようかな・・・」

熊井「ハハハ!そんなに苦いのか?w」

「喉がイガイガするぐらい苦いです」

熊井「ハハハw」

なんか熊井さん。明るい。
きっと柵ができて安全が確保できたからなんだろうな

熊井「腹は減ったか?」

「いえ、今はまだ」

熊井「そうか・・・減ったら言えよ?」

「はい。ところでみんなは?」

熊井「犬井と獅子丸はファーストを連れて木材集めと柵作り。豹方と猫里は作物と薬草の採取と種の採取に行ってる」

「豹方さんと猫里さん、二人で大丈夫ですか?」

熊井「ああ、そんなに遠くには行ってない。なにかあればすぐに駆け付けられる場所にいる」

「なら安心ですね」

熊井「ああ。だからお前は気にしないで寝てろ」

「はい」

そして僕は目を閉じた
眠いわけではないから寝ないけど目を閉じた
目を閉じると周りの音がよく聞こえる
鳥の鳴き声、風が木々を揺らす音、湖の水が流れる音・・・
平和って感じがする

熊井「寝たか?」

「いえ、起きてます」

熊井「そうか」

「なにか・・・お話でもしますか?」

熊井「話すっていってもな・・・過去のことは消されてるしな・・・」

「・・・獅子丸さんとは幼馴染なんですよね?」

熊井「ああ。小さい頃からの付き合いだ。それ以外はわからねぇけど」

「知り合いがいるっていいですね」

熊井「そうだな。目を覚ましたとき獅子丸がいて安心したしな」

「あの『神』って人、僕たちに何をさせたいんでしょうか?」

熊井「さぁな。俺たちにサバイバルさせて楽しんでるサイコパスだろう」

「でも、そのためにわざわざこんな島を用意しますか?お金も時間もかかりますし、何より警察が黙ってないと思うんですが・・・」

熊井「確かに・・・でも、もし警察のコネがあったりしたら・・・」

「そうしたらかなり厄介ですね・・・」

熊井「まぁ、神なんて自分で言ってるやつだ。ロクなやつじゃないな」

「そうでしょうけど・・・それに楽しむってことは僕たちを見ているってことですよね?」

熊井「そうなるな・・・でも、見られてるのか?」

「わかりません。でも、その可能性もあります」

熊井「悪趣味だな」

「同感です・・・」

熊井「・・・」

「・・・」

熊井「ほかの奴らはどうしてるかな」

「生きてますよ。まだ通知来てませんし」

熊井「まぁ、そうだけど、どこでどう生きてるんだろうな」

「協力して生き延びてると思いたいですね」

熊井「・・・気を付けないといけないな」

「なんでですか?」

熊井「記憶がないとはいえ、この状況下だと人を襲う人も現れる。同じ境遇だからって安全とは限らないってことだ」

「・・・なんか悲しいですね・・・」

熊井「・・・」

「同じ人なのに疑わないといけないなんて・・・」

熊井「お前は本当に優しいな」

そういうと頬を撫でてきた

熊井「その気持ち、お前だけは忘れるなよ」

「???はい・・・」

どういうことなんだろう
みんな同じ気持ちじゃないのかな?
まぁ、みんな一緒なんてないだろうけど・・・

熊井「・・・」

「・・・あの・・・」

熊井「ん?」

「あの時はありがとうございます」

熊井「あの時?」

「目を覚ました時のホールの時です」

熊井「俺、礼を言われるようなことしたか?」

「みんなが協力して生きていくってなったとき僕に手を差し伸べてくれました」

熊井「・・・そうだったな」

「その・・・嬉しかったです。とても。もし手を差し伸べられなかったら、きっと今もあそこにいたと思います」

熊井「その方が幸せだったかもしれないけどな」

「え?」

熊井「俺は少し後悔してるんだよ」

「なんでですか?」

熊井「あのままあそこにいた方が怖い思いをさせなくて済んだんじゃないかって」

「でも、自分で決めて外に出たわけですし」

熊井「ああ。でも、俺はお前を半ば強引に外に連れ出したようなものだ。無責任にな」

「・・・」

熊井「『守ってやる』なんて言っておいて左腕をケガさせた。俺の責任だ」

「・・・」

熊井「だから、恨まれはするだろうけど礼を言われる資格、俺にはねぇんだよ・・・」

「・・・」

熊井「それに熱まで・・・俺はお前を守れてねぇんだよ・・・」

熊井さんの目には涙が浮かんでいる
僕は身体を起こした

熊井「だから、恨んでるなら無理しなくていい。そのまま恨んでくれていい」

「・・・」

熊井「っ!」

「・・・」

僕は熊井さんの頬を撫でた

「僕は恨んでないですよ」

熊井「・・・」

「ずっと助けてもらってました」

熊井「・・・っ・・・」

「いつも気にかけてくれて、いつも側にいてくれました」

熊井「うっ・・・」

「だから感謝の気持ちはあっても恨みなんてありません」

熊井「うぅっ・・・」

「だから、そんなこと言わないでください。あなたは僕にとって恩人なんですから」

熊井「一、ノ瀬・・・」

そして熊井さんは泣いた
僕を抱き締めて泣いた
あの時みたいに
でも、今回は声を出して泣いた
ずっと責任を感じていたのだろう
そんな重荷を背負わせていたなんて・・・

「もう自分を責めないでください。外にでると決めたのは僕の意思なんですから」

熊井「うぅ・・・ああ・・・」

しばらく抱き合っていた
熊井さんはいつも頼りになる
でも、こういう風に泣き虫な部分があるんだな
弱さのない人はいない・・・
僕はこの時そのことを思い出した

熊井「・・・すまなかった・・・またお前にすがっちまったな」

「いえ、僕でよければいつでも頼ってください」

熊井「ああ。ありがとう」

そういうとまた抱きしめてきた
一応けが人で病人なんだけど・・・
それは言わないでおこう

獅子丸「入るぞ?」

そういうと獅子丸さんがテントに入ってきた
熊井さんは慌てて離れた

獅子丸「豹方さんが木の実を一ノ瀬くんにって」

そういうと木の実で一杯の袋をくれた

「ありがとうございます」

獅子丸「ああ。食べないと治るものも治らないからね」

そういうと獅子丸さんはテントを出て行った

熊井「お、俺も柵作り手伝ってくるかな」

「はい」

そういい立ち上がる熊井さん

熊井「なにかあったら連絡しろよ?端末あるんだから」

「はい・・・」

そして熊井さんはテントをでた
僕は袋を開けた
そこには青や黄色といった色んな色の木の実があった
ひとまずすべての色を食べてみた

「青が甘くて食べやすいかな」

黄色はすこし酸っぱい
そして僕は寝っ転がり目を閉じる
周りでは何かの作業をしている音が聞こえる

「早く治して僕も手伝いたい・・・」

そう思う僕だった・・・
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