アルスター ~星降る夜の冒険譚~

小森 輝

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5 聖地、独立国家

アルスター 50

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「それで、ドルミロ。この状況を説明してくれるよな?」
「ああ。まあ、多少の説明は省くがな」
 そう言って、ドワーフ王は僕らのことに加え、ことの経緯などの説明を話してくれた。
「そこにおる老人が人類王、そして、こっちの坊主は巻き込まれた可哀想な人間で、この坊主が首から下げているのが妖精女王だ。まあ、全員、元がつく王だがな」
「それはまたすごい面子が集まったな……」
 その面子と一緒に行動している僕の気苦労も考えてほしいものだ。
「それで、まあ、妖精女王の体を元に戻す為にドラゴンを訪ねようと言う話でな……」
「はぁ……それは……また大変な」
 とても人事のような言い方だ。まあ、実際、人事なのだろう。
「それで、飛行船を使おうと思ってな……」
「飛行船か。あれは結局無理だって頓挫した計画だっただろ?」
「それが、一番の問題だった動力問題が解決しそうなんだよ」
「動力問題は無理だろ。莫大なエネルギーを生み出し、かつ軽量なものなんて……」
「まあ、見せた方が早いか。妖精女王、こいつにあれを見せてやってくれないか?」
 あれというのは、僕とメリルが妖精の宝物庫から取ってきた黄金の果実のことだろう。
「いいわよ。アルスター、見せて上げて」
「う、うん」
 なぜかこんな貴重なものを僕が持たされていた。
 懐に大事にしまってある黄金の果実を取り出した。いつ見ても輝きは衰えていない。
「これが動力……うーむ……可能性はあるが、流石に見ただけでは、なんともな……少し、調べさせてもらえないか?」
 僕でもこの黄金の果実がただの金の塊ではないと分かるが、それはただならぬ気配を纏っている程度の認識で、これが空を飛ぶ力になるなんてのは分からない。まずはこれがどれほどのエネルギーを持っているのか調べたいようだ。
「いいけど、持ち逃げしないでよ。そんなことしたら、黄金の果実のエネルギーを暴発させるからね」
「俺も一緒に見ておくから安心していいぞ」
 なんだかんだ言って、ドワーフ王もこの黄金の果実に秘められているエネルギーに興味があるようだ。
「調べるのに時間もかかるし、それに、これで動力が十分なら飛行船に搭載させる時間も必要だからな。女王の弟が言っていたように観光してきたらどうだ? 幸い、この国なら身がバレても誰も気にしないからな」
「儂はここで待っておるよ。老体には長旅が堪えてのう。じゃから、二人で行っておいで」
「分かったわ。それじゃあ、行きましょう、アルスター」
「分かった。とりあえず、何か良さそうなものがあったら買ってきますね」
 人類王にそう告げて、僕とメリルは外に出た。
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