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襲来する紅蓮の女王
炎と風の反逆者 2
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「お、おい。起きろって」
親しみ深い男性の声が聞こえた。
彼の言う通り、起きなければ……
朧だが意識はある。それなのに椅子に座り、机に顔を突っ伏した状態から体を起こすことが出来ない。それどころか呼吸をすることもできない。
「やばいって。早く起きろよ」
その言葉通り、やばい。
このままでは、寝ていながら窒息死してしまいかねない。
「い、一応、起こそうとしたからな」
語り掛けてくれた心優しい友人に見切りを付けられてしまった。
俺はこのまま天へと召されてしまうのか……
そんなくだらないことを考えていると、頭に軽い衝撃が走った。
「ぷはぁ」
衝撃のおかげで体の硬直が解けた。
空気を肺いっぱいに吸い込み、死神の手からこの教室へと逃れることに成功できた。
「助かった……」
俺は顔を上げたが、一難去ってまた一難といったところだろう。
「お前は潜水でもしていたのか」
目の前には、メガネを掛けた20代後半の男性が、不信感で溢れた視線を此方に向けていた。
彼は俺たちのクラスの担任教師である行方(なめかた)先生だ。
「すいません」
愛想笑いを浮かべながら謝ると、行方先生は一度ため息を吐き、再び俺の頭を教科書で軽く叩いた。
「痛っ」
実際、痛くはないが、そんな声を出し、頭を押さえて痛がっておく。オーバーリアクシャンと言うやつだ。
「成績はトップクラスなのだから、もっと真面目に取り組みなさい」
「……はい」
教師は淡々とそう告げ、俺が寝ていた間も続いていた授業を再開した。
成績のおかげでお咎めなしになるとは、日ごろの鍛錬が吉と出たようだな。
それにしても、寝ている間に体が火照ってしまい汗ばんでしまっている。非常に気持ち悪い。
ふと、窓の外を見ると、寝ている間に日が傾いて、ちょうど日向になっていた。1か月ほど先ならちょうどよかったのだろうが、9月下旬の日差しはまだ堪える。
不快指数が最大値を叩きだしたときに見せるような顔をしながら、体に張り付いたシャツを引っ張り、中に新鮮な空気を送り込んだ。もう脇なんてびちゃびちゃだ。
そんなことをしていると、隣の席から先ほど起こそうとしてくれた心優しい親友、忍海紀彦(おしみのりひこ)の心苦しい謝罪が聞こえた。
「本当にすまない。起こそうとしたんだけど、全く起きてくれなくてよ……」
紀彦の方を見ると、両手を合わせて頭を可能な限り下げていた。間違いなく、渾身の謝罪を表した姿だ。
「声は掛けていたんだぞ? でも、全く反応が無くてさ……」
「紀彦のせいじゃないって」
「いや、体ぐらい、揺すってやればよかったよ。それぐらい、親友なら当たり前だって言うのによ」
本当にお人好しで良いやつなんだ。
しかし、一つも悪くないので、この状況をどうしたものか困ってしまう。
「ついさっき、真面目に取り組めと言ったはずだぞ」
「すいません、先生。ほら、授業に集中しろって」
「あ、ああ」
行方先生の言葉で、紀彦も謝るのをやめて、教科書へと目を落とした。
俺だって三度も注意される気はないので、行方先生の言った通り、真面目にこの普通ではない「サクセサー」という異能についての授業に取り組む。
親しみ深い男性の声が聞こえた。
彼の言う通り、起きなければ……
朧だが意識はある。それなのに椅子に座り、机に顔を突っ伏した状態から体を起こすことが出来ない。それどころか呼吸をすることもできない。
「やばいって。早く起きろよ」
その言葉通り、やばい。
このままでは、寝ていながら窒息死してしまいかねない。
「い、一応、起こそうとしたからな」
語り掛けてくれた心優しい友人に見切りを付けられてしまった。
俺はこのまま天へと召されてしまうのか……
そんなくだらないことを考えていると、頭に軽い衝撃が走った。
「ぷはぁ」
衝撃のおかげで体の硬直が解けた。
空気を肺いっぱいに吸い込み、死神の手からこの教室へと逃れることに成功できた。
「助かった……」
俺は顔を上げたが、一難去ってまた一難といったところだろう。
「お前は潜水でもしていたのか」
目の前には、メガネを掛けた20代後半の男性が、不信感で溢れた視線を此方に向けていた。
彼は俺たちのクラスの担任教師である行方(なめかた)先生だ。
「すいません」
愛想笑いを浮かべながら謝ると、行方先生は一度ため息を吐き、再び俺の頭を教科書で軽く叩いた。
「痛っ」
実際、痛くはないが、そんな声を出し、頭を押さえて痛がっておく。オーバーリアクシャンと言うやつだ。
「成績はトップクラスなのだから、もっと真面目に取り組みなさい」
「……はい」
教師は淡々とそう告げ、俺が寝ていた間も続いていた授業を再開した。
成績のおかげでお咎めなしになるとは、日ごろの鍛錬が吉と出たようだな。
それにしても、寝ている間に体が火照ってしまい汗ばんでしまっている。非常に気持ち悪い。
ふと、窓の外を見ると、寝ている間に日が傾いて、ちょうど日向になっていた。1か月ほど先ならちょうどよかったのだろうが、9月下旬の日差しはまだ堪える。
不快指数が最大値を叩きだしたときに見せるような顔をしながら、体に張り付いたシャツを引っ張り、中に新鮮な空気を送り込んだ。もう脇なんてびちゃびちゃだ。
そんなことをしていると、隣の席から先ほど起こそうとしてくれた心優しい親友、忍海紀彦(おしみのりひこ)の心苦しい謝罪が聞こえた。
「本当にすまない。起こそうとしたんだけど、全く起きてくれなくてよ……」
紀彦の方を見ると、両手を合わせて頭を可能な限り下げていた。間違いなく、渾身の謝罪を表した姿だ。
「声は掛けていたんだぞ? でも、全く反応が無くてさ……」
「紀彦のせいじゃないって」
「いや、体ぐらい、揺すってやればよかったよ。それぐらい、親友なら当たり前だって言うのによ」
本当にお人好しで良いやつなんだ。
しかし、一つも悪くないので、この状況をどうしたものか困ってしまう。
「ついさっき、真面目に取り組めと言ったはずだぞ」
「すいません、先生。ほら、授業に集中しろって」
「あ、ああ」
行方先生の言葉で、紀彦も謝るのをやめて、教科書へと目を落とした。
俺だって三度も注意される気はないので、行方先生の言った通り、真面目にこの普通ではない「サクセサー」という異能についての授業に取り組む。
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