炎と風の反逆者

小森 輝

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襲来する紅蓮の女王

炎と風の反逆者 3

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 事の始まりは、今から半年ほど前、桜が舞い散る春の出来事だ。
 あと1週間で高校2年になる俺、石動誘(いするぎいざな)は何の前触れもなく、その身に異能が宿ってしまった。
体の一部が変形するなんて外見的な異常は一切なく、念じればいつでも自由に風を吹かせ、そして自在に操作できるようになっていただけだ。
 昨日までは使えなかったが、目覚めたときには能力が使えるということを知っていた。本当に不思議な出来事だった。
 俺の能力は日常生活に支障を来すことは一切なく、役に立つようなことはないと思っていたのだが、ふと脳裏にある映像が思い浮かんだのだ。
 風でふわりと揺れるスカート。
 健全な男子高校生ならば目にしたことぐらいあるはずだ。そして、その光景に固唾を呑みながら凝視していたことだってあるはず。見えたときの喜び、見えなかったときの憤りを親友と分かち合ったことだってあるはずだ。この能力があれば意図的に、確実に、そして気づかれずに、あの神秘的な現象を引き起こすことが可能なのではないのだろうか。
 俺が通っている高校は共学。今は春休みだが丁度良かった。この能力を可能な限り使いこなせるように特訓する時間は1週間もあれば十分だった。
 自分で言うのもなんだが、そんなバカな理由で、俺は1週間、如何わしい理由ではあるが特訓をした。
 おかげで、自分の体を風で宙に浮くかせるようなことまで出来るようになっていた。
 しかし、学校が始まっても、俺はなかなか実践することが出来なかった。
 行動できなかった理由は2つ。
 1つ目は、もしばれてしまったこときのこと。汚名を付けられることは間違いなしだ。
 2つ目は、本当にこんなことをしてもいいのかという道徳的なことだ。偶然、風で見えてしまうのとは違い、故意なのだ。それはスカート捲りと同等なのではないのだろうか。
 それらの葛藤のせいで、絶好のチャンスが訪れても、躊躇してしまい、その間に逃してしまった。
 そんなモヤモヤとした日々を送っていたのだが、それも長くは続かなかった。
 世界各地で俺と同じく、異能を持つ人物が多数、確認されたのだ。
 この突然、発症した異能の呼称を世界は「サクセサー」と名付けた。
 ここ日本も例外ではなく、多数のサクセサーを持つ者が出没した。
 この異常事態に対して「アストラルソロモン社」とうい企業が多額の資金投資を行い、サクセサーを持つ者を収容し、それについての教育を施すという施設を作った。
 名前は「クレイドル」
 もちろん、俺もクレイドルのお世話になっている。
 そして、今まさに俺はクレイドルでこのサクセサーを正しく扱うための授業を受けているのだ。と言っても、ついさっきまで居眠りをしてしまっていたのだが……
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