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苦悩する疾風の担い手
炎と風の反逆者 43
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大丈夫だ。命がこういうことを言っても、実際にそうなったことなんて今までにない。今回も冗談に決まっている。
「ま、まあ、冗談はさておきだな」
「私は本気だぞ? 誘が望むのなら私は喜んでこの身を捧げるぞ」
「待て待て、今はそんな話をしている場合じゃ」
「そんな話とはなんだ」
命が俺の顔を睨んでくる。
彼女は怒っているのだろうか。しかし、目には涙を浮かべている。
そんな顔のまま、俺に迫ってきた。
「誘がいつもはぐらかして……君はどう思っているんだ? 私は……私は」
そこで命は言葉を止めた。
理由は外的なものだ。急に周囲の土がせり上がり、俺たち二人を囲んでしまった。命が注意を怠った隙をつかれた。
「不覚を取ったか」
命の言う通り、不覚だった。だが、逃げ道はまだある。前後左右は土で囲まれているが、上は開いている。
「命、飛ぶぞ」
おそらく、上から出れば、攻撃が集中するだろう。しかし、蓋を閉められたら、それこそどうしようもなくなる。迷っている暇はない。
「ウィング」
体を下から押し上げ、上空へと脱出する。
土の壁を越えると、予想通り集中攻撃が降り注いできた。
「光系の攻撃は任せたぞ」
「ほかは任せてよいのだな?」
「風で弾くだけだ。造作もない」
俺と命は背を合わせる。
光みたいな特殊な攻撃でなければ、浮いていれば、軌道を逸らすことぐらいできる。問題はないはずだ。
実際に飛んできたものは、岩やそれに混じって爆弾が幾つかあっただけだ。そのすべてを遠くに飛ばしたおかげで無傷だ。
此方は問題ないのだが、命は大丈夫だろうか。
そう思い、背後に立つ命のほうを見たが、炎の壁ですべてを焼き尽くしていた。どうやら心配する必要はなかったらしい。
「これからどうする?」
「どうすると言われてもな。この防戦一方の状態をどうにかしないことには、どうにもならないだろ」
命の言う通りだし、それに、攻撃手段を持つのは俺だけだ。突破口を作るカギは、俺しかいないということか。
「とりあえず、攻撃がやむまで、凌がないとな」
そう言う命の右方向から閃光が飛んでくるのが見えた。
「命、右から来るぞ」
「これぐらい、問題ない」
命は光の方へ手を向け、攻撃を放とうとしている。
命ならどんな攻撃でも飲み込んでしまうだろうが、俺は命が突き出している手の先に何があるのか見てしまった。
「まずい、命。攻撃を中止しろ」
「何をいまさら。中止できるはずが……」
命も認識したのだろう。自分が手を向けている方向に人がいるということを……
「しまった」
命から言葉がでるころには、もう炎は解き放たれてしまっていた。
閃光を難なく飲み込み、止まることなく一直線に突き進んでいく。
向こうは気づいておらず、逃げる素振りは見せない。
このままでは直撃してしまう。
「ま、まあ、冗談はさておきだな」
「私は本気だぞ? 誘が望むのなら私は喜んでこの身を捧げるぞ」
「待て待て、今はそんな話をしている場合じゃ」
「そんな話とはなんだ」
命が俺の顔を睨んでくる。
彼女は怒っているのだろうか。しかし、目には涙を浮かべている。
そんな顔のまま、俺に迫ってきた。
「誘がいつもはぐらかして……君はどう思っているんだ? 私は……私は」
そこで命は言葉を止めた。
理由は外的なものだ。急に周囲の土がせり上がり、俺たち二人を囲んでしまった。命が注意を怠った隙をつかれた。
「不覚を取ったか」
命の言う通り、不覚だった。だが、逃げ道はまだある。前後左右は土で囲まれているが、上は開いている。
「命、飛ぶぞ」
おそらく、上から出れば、攻撃が集中するだろう。しかし、蓋を閉められたら、それこそどうしようもなくなる。迷っている暇はない。
「ウィング」
体を下から押し上げ、上空へと脱出する。
土の壁を越えると、予想通り集中攻撃が降り注いできた。
「光系の攻撃は任せたぞ」
「ほかは任せてよいのだな?」
「風で弾くだけだ。造作もない」
俺と命は背を合わせる。
光みたいな特殊な攻撃でなければ、浮いていれば、軌道を逸らすことぐらいできる。問題はないはずだ。
実際に飛んできたものは、岩やそれに混じって爆弾が幾つかあっただけだ。そのすべてを遠くに飛ばしたおかげで無傷だ。
此方は問題ないのだが、命は大丈夫だろうか。
そう思い、背後に立つ命のほうを見たが、炎の壁ですべてを焼き尽くしていた。どうやら心配する必要はなかったらしい。
「これからどうする?」
「どうすると言われてもな。この防戦一方の状態をどうにかしないことには、どうにもならないだろ」
命の言う通りだし、それに、攻撃手段を持つのは俺だけだ。突破口を作るカギは、俺しかいないということか。
「とりあえず、攻撃がやむまで、凌がないとな」
そう言う命の右方向から閃光が飛んでくるのが見えた。
「命、右から来るぞ」
「これぐらい、問題ない」
命は光の方へ手を向け、攻撃を放とうとしている。
命ならどんな攻撃でも飲み込んでしまうだろうが、俺は命が突き出している手の先に何があるのか見てしまった。
「まずい、命。攻撃を中止しろ」
「何をいまさら。中止できるはずが……」
命も認識したのだろう。自分が手を向けている方向に人がいるということを……
「しまった」
命から言葉がでるころには、もう炎は解き放たれてしまっていた。
閃光を難なく飲み込み、止まることなく一直線に突き進んでいく。
向こうは気づいておらず、逃げる素振りは見せない。
このままでは直撃してしまう。
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