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小さすぎる世界への抵抗
炎と風の反逆者 63
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手を突き出し、慎重に照準を合わせる。大丈夫だ。怪我をさせることなんてないはず。
「どうしたんだよ、誘!」
紀彦が叫んだ。この叫びも届かなかったと紀彦は思うだろう。
しかし、こうしないと、最終的には紀彦だけではなく、茜音や透真さんまで傷ついてしまう。
「くっそ。杠さん、下がっていてください」
紀彦も俺と同じように手を前に突きだした。
「大丈夫か? 誘」
命が心配そうな声を掛けてくる。大丈夫だ。これは彼らを助けるためでもあるんだ。
「スプラッシュショット」
紀彦が叫んだ。心配ない。2人を浮かせて外に放り出すだけだ。怪我なんてさせる要素はない。
「誘!」
命の叫び声。そして目の前には赤く燃え上がる壁が天井を突き破っていた。
「しっかりしろ、誘」
命に肩を揺すられる。
俺は最初からしっかりしているつもりだった。それなのに……
「やっぱり、無理だ」
どういう理由であろうと、俺は親友に攻撃を向けることなんて出来ない。
「何を言っている。方法はほかにもあるだろ?」
命は怒ることなく、優しくそう言ってくれた。
「そう、だよな」
「そうとも。誘の友人なんだ。話せばきっと分かってもらえる」
「それも、そうだな」
俺の友人なんだ。俺が説得できなくてどうすると言うんだ。
覚悟を改め、気合を入れるためにも両手で顔を叩くと、炎の唸り声に負けず劣らずの甲高い音が教室に響いた。
「い、痛くないのか?」
「このぐらい痛くないと、気持ちが切り替わりそうになかったからな」
頬がひりひりするが、おかげで気持ちも引き締まった。
「今は話を聞いてくれそうにないから、とりあえず、落ち着いてもらわないとな」
「具体的にはどうする?」
「話を聞いてもらえないんだ。残る方法は決まっているだろ」
残る方法とは、圧倒的な力で戦意を喪失させることだろう。この人はそういう人だ。
「まったく、俺がこんなに困っているのに、命は少しも変わらないんだな」
「そういうのは嫌いか?」
嫌いだと思っていないことは分かっているだろう。それでも聞くなんて、たちが悪い。俺も人のことは言えないが。
「命は嫌いだと思っているのか?」
「思っているわけ、ないだろ」
決意が固まった俺の様子を見て、命は力を使うのをやめた。
炎の壁からは勢いがなくなっていき、反対側にいる紀彦の姿が陽炎に揺らされながらも確認できる。
「ウェーブフィールド」
陽炎の向こう側で波が此方に押し寄せてくる。
「ウィング」
瞬時の判断で俺は命も一緒に1mほど浮いた。
「この程度なら避けるまでもないのではないのか?」
押し寄せてきた波は僅か30㎝ほどの高さしかなかった。
しかし、それだけの高さがあれば足を持って行かれることはなくとも、動きを止めるには十分だ。
「これは初見殺しって言うもんなんだよ」
知らなければ避けることをしない。命だって避けていなければどうなっていたかなんて分からない。
「ロック」
紀彦が技を使おうとしている。
しかし、この技名は知らない。
「どうしたんだよ、誘!」
紀彦が叫んだ。この叫びも届かなかったと紀彦は思うだろう。
しかし、こうしないと、最終的には紀彦だけではなく、茜音や透真さんまで傷ついてしまう。
「くっそ。杠さん、下がっていてください」
紀彦も俺と同じように手を前に突きだした。
「大丈夫か? 誘」
命が心配そうな声を掛けてくる。大丈夫だ。これは彼らを助けるためでもあるんだ。
「スプラッシュショット」
紀彦が叫んだ。心配ない。2人を浮かせて外に放り出すだけだ。怪我なんてさせる要素はない。
「誘!」
命の叫び声。そして目の前には赤く燃え上がる壁が天井を突き破っていた。
「しっかりしろ、誘」
命に肩を揺すられる。
俺は最初からしっかりしているつもりだった。それなのに……
「やっぱり、無理だ」
どういう理由であろうと、俺は親友に攻撃を向けることなんて出来ない。
「何を言っている。方法はほかにもあるだろ?」
命は怒ることなく、優しくそう言ってくれた。
「そう、だよな」
「そうとも。誘の友人なんだ。話せばきっと分かってもらえる」
「それも、そうだな」
俺の友人なんだ。俺が説得できなくてどうすると言うんだ。
覚悟を改め、気合を入れるためにも両手で顔を叩くと、炎の唸り声に負けず劣らずの甲高い音が教室に響いた。
「い、痛くないのか?」
「このぐらい痛くないと、気持ちが切り替わりそうになかったからな」
頬がひりひりするが、おかげで気持ちも引き締まった。
「今は話を聞いてくれそうにないから、とりあえず、落ち着いてもらわないとな」
「具体的にはどうする?」
「話を聞いてもらえないんだ。残る方法は決まっているだろ」
残る方法とは、圧倒的な力で戦意を喪失させることだろう。この人はそういう人だ。
「まったく、俺がこんなに困っているのに、命は少しも変わらないんだな」
「そういうのは嫌いか?」
嫌いだと思っていないことは分かっているだろう。それでも聞くなんて、たちが悪い。俺も人のことは言えないが。
「命は嫌いだと思っているのか?」
「思っているわけ、ないだろ」
決意が固まった俺の様子を見て、命は力を使うのをやめた。
炎の壁からは勢いがなくなっていき、反対側にいる紀彦の姿が陽炎に揺らされながらも確認できる。
「ウェーブフィールド」
陽炎の向こう側で波が此方に押し寄せてくる。
「ウィング」
瞬時の判断で俺は命も一緒に1mほど浮いた。
「この程度なら避けるまでもないのではないのか?」
押し寄せてきた波は僅か30㎝ほどの高さしかなかった。
しかし、それだけの高さがあれば足を持って行かれることはなくとも、動きを止めるには十分だ。
「これは初見殺しって言うもんなんだよ」
知らなければ避けることをしない。命だって避けていなければどうなっていたかなんて分からない。
「ロック」
紀彦が技を使おうとしている。
しかし、この技名は知らない。
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