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5 魔王、戦う
まさか魔王が異世界で 21
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「新手か……いいだろう。かかってこい!」
もう一匹、イノシシ型の魔物が現れた。だが、一匹が二匹に変わったところで大差はない。
「こっちからも別の魔物が……」
「なんだと!?」
ミラの方を見ると、三匹目の魔物が現れていた。まあ、一匹が三匹になったところで大差はないはずだ。
「雑魚が何匹いようが、この俺の敵ではないわ!」
その言葉を真に受けたのか、茂みの中からイノシシ型の魔物がたくさん出てきた。ま、まあ、憑依影装に弾かれるような低レベルの魔物が何匹いたところで大差はない……はずだ。
「アペ君、これは逃げた方がいいんじゃ……?」
「流石に今の俺では、この数を裁ききれるとは思えないな……」
今回は撤退に賛成だ。今の自分を客観的に見て、未だに一匹も倒せてないどころかダメージも与えられていない状態では、この数はどうしようもない。
「私が障壁で攻撃を防ぐから、アペ君はその間に逃げて!」
「いいや、それはできない」
「今は強がっている場合じゃ……」
「違うんだ……。もう、俺たちは囲まれている」
後ろはもちろん、左右からも魔物がいる。俺たちは知らない間に包囲されていた。逃げる場所など、どこにもない。
「ここの魔物はこんなことするような敵じゃないはずなのに……」
「確かに、この程度の下等な魔物が集団で襲ってくることは珍しい。だが、珍しくない時もある」
そう言う場合は、大体、下等な魔物だけしかいないなんてことはない。
「いたぞ。あの草むらの奥だ」
そこには、一際大きなイノシシ型の魔物がいた。
「おそらく、あれが親玉だ」
一斉に同じ方向から襲われるのではなく、今みたいに周囲を囲んで相手を包囲するような戦い方をするときは、それを指示する指導者がいる。
「あれは……この森を支配している魔族の長。でも、なんでこんな場所に……いつもならもっと森の奥にいるはずなのに……」
「おそらく、俺たちがこの魔物たちを狩ろうとして逃がしてきたからだろう。いつもなら倒すか倒されるかの二択だが、逃がしていたせいで俺たちのことを嗅ぎ付けた親玉が様子を見に来たんだ」
迂闊だった、同じ魔族でありながら魔族の思考を読みとることができなかった。
「それで、どうするの? 弱いっていってもこの量。しかも、森の長まで……」
「分かっている。俺は憑依影装があるから攻撃は受けない。そっちはそっちで魔法でどうにかしろ!」
「どうにかしろって言われても……私の防御魔法には限りがあるからずっとは障壁を維持できない」
「チッ……。分かってはいたが、回数制限はあるか……」
連発できる魔法もあるが、強力な魔法には使用してからすぐには使えない魔法も存在する。障壁を作る魔法なんて、間違いなく後者の方だ。
「どのくらいならもつ」
「この魔物なら5分はいける」
思っていたよりも長い。違う魔法を組み合わせることで再び使えるようになるまでの時間を稼ぐのだろう。人間らしく小賢しい方法だ。
しかし、ミラを評価している暇はない。どうにかして5分以内に倒す方法か逃げる方法を考えなければならない。
もう一匹、イノシシ型の魔物が現れた。だが、一匹が二匹に変わったところで大差はない。
「こっちからも別の魔物が……」
「なんだと!?」
ミラの方を見ると、三匹目の魔物が現れていた。まあ、一匹が三匹になったところで大差はないはずだ。
「雑魚が何匹いようが、この俺の敵ではないわ!」
その言葉を真に受けたのか、茂みの中からイノシシ型の魔物がたくさん出てきた。ま、まあ、憑依影装に弾かれるような低レベルの魔物が何匹いたところで大差はない……はずだ。
「アペ君、これは逃げた方がいいんじゃ……?」
「流石に今の俺では、この数を裁ききれるとは思えないな……」
今回は撤退に賛成だ。今の自分を客観的に見て、未だに一匹も倒せてないどころかダメージも与えられていない状態では、この数はどうしようもない。
「私が障壁で攻撃を防ぐから、アペ君はその間に逃げて!」
「いいや、それはできない」
「今は強がっている場合じゃ……」
「違うんだ……。もう、俺たちは囲まれている」
後ろはもちろん、左右からも魔物がいる。俺たちは知らない間に包囲されていた。逃げる場所など、どこにもない。
「ここの魔物はこんなことするような敵じゃないはずなのに……」
「確かに、この程度の下等な魔物が集団で襲ってくることは珍しい。だが、珍しくない時もある」
そう言う場合は、大体、下等な魔物だけしかいないなんてことはない。
「いたぞ。あの草むらの奥だ」
そこには、一際大きなイノシシ型の魔物がいた。
「おそらく、あれが親玉だ」
一斉に同じ方向から襲われるのではなく、今みたいに周囲を囲んで相手を包囲するような戦い方をするときは、それを指示する指導者がいる。
「あれは……この森を支配している魔族の長。でも、なんでこんな場所に……いつもならもっと森の奥にいるはずなのに……」
「おそらく、俺たちがこの魔物たちを狩ろうとして逃がしてきたからだろう。いつもなら倒すか倒されるかの二択だが、逃がしていたせいで俺たちのことを嗅ぎ付けた親玉が様子を見に来たんだ」
迂闊だった、同じ魔族でありながら魔族の思考を読みとることができなかった。
「それで、どうするの? 弱いっていってもこの量。しかも、森の長まで……」
「分かっている。俺は憑依影装があるから攻撃は受けない。そっちはそっちで魔法でどうにかしろ!」
「どうにかしろって言われても……私の防御魔法には限りがあるからずっとは障壁を維持できない」
「チッ……。分かってはいたが、回数制限はあるか……」
連発できる魔法もあるが、強力な魔法には使用してからすぐには使えない魔法も存在する。障壁を作る魔法なんて、間違いなく後者の方だ。
「どのくらいならもつ」
「この魔物なら5分はいける」
思っていたよりも長い。違う魔法を組み合わせることで再び使えるようになるまでの時間を稼ぐのだろう。人間らしく小賢しい方法だ。
しかし、ミラを評価している暇はない。どうにかして5分以内に倒す方法か逃げる方法を考えなければならない。
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