オレと猫と彼女の日常

柳乃奈緒

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相棒の一日

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✡✡✡✡✡


平日の朝は6時に起床する。オレがベッドから起き上がってまずやることは、相棒がどこにいるかを確認すること。八割方はオレの枕元で丸くなってオレが起きるのを待ってるんやけど。たまにキッチンでうろうろしていたり、ソファーの上で丸くなっている。

『ミャーン! ミャーン!』

オレが起きたことがわかると、相棒はうるさく鳴き声をあげて飯を要求してくる。相棒の皿へ缶詰とカリカリ(猫用ドライフード)を入れてやると、ようやく相棒は鳴くのをやめて尻尾をゆらゆらさせながら食べ始める。

「ゆっくり食えよ! 誰も取ったりせんからな!」

 相棒が飯を食っている間にオレはシャワーをあびてスッキリと目を覚まして、出かける準備をする。こんな同じパターンの生活を半年以上続けていると相棒もよくわかっていて、家を出る時間になると必ず自分のキャリーへ入って待っている。これは、この生活を始めて4ヶ月くらいから相棒が勝手に始めたんやけど、オレはこの時に猫は侮れんと学んだ。猫だけではなくて、もしかしたら人間以外の種族もかもしれんけどね。

✡✡

「おはようー! チビのお陰でせいちゃんも朝しっかり起きれるようになったなぁー♪」
「おはようさんです。へへへ。ほんまこいつには助けられてるねん。あんなに朝がつらかったオレが毎日きちんと起きられるようになったんやからね」
「誠二くんの気持ちわかりますよ。僕もクマがいてくれるから、こうやって店を続けていられるんですから」
「この子らの存在感は半端ないもんね。私もがんもとミケのお陰で、店で1人で仕込みしててもさみしいって思わんようになったもん」

 こんな風な会話を伯母とマスターと交わしながら、オレは電車の時間までゆっくり朝食を食べてから相棒を伯母に預けて店を出る。

✡✡

 ここからは、オレが伯母から聞いた話なんやけど。相棒はオレが店を出ると必ずひと声『ニャー』と鳴き声をあげるらしい。

 伯母もマスターも最初は相棒が寂しくて鳴くのかと思っていたらしいけど、どうもそうではなくてオレに「行ってらっしゃい」と鳴いているのだろうと言って笑っていた。

もしかしたら「頑張って稼いでこいにゃ!」なんて、小憎たらしいことを言っているのかもしれんけどね。(苦笑)

『黒猫』を出て伯母の店までは怖がって鳴くことも無くて、ジッと大人しく外の様子を伺ってると伯母は言っていた。


 伯母の店の中へ入ると、がんもが相棒を待っていてくれて相棒をキャリーから出すとがんもはまず、相棒の毛づくろいを始めるんやそうやわ。なんかよくわからんけど、がんもの日課みたいやわ。

 その儀式が済んだら、座敷でがんもは座布団の上で丸くなって尻尾をパタパタさせて相棒を遊ばせるんやと、伯母は笑っていた。その様子はオレも前に店で見たことがある。相棒が爪を立てて尻尾に飛び掛ると、がんもは相棒に鉄拳を喰らわせる。いわゆる躾というものらしい。本当なら子猫同士でじゃれあいながらおぼえることみたいなんやけど、それをがんもは相棒に学ばせているようやった。

「がんもも、クマちゃんやミケに躾けられたんやけどね♪」

がんもも、相棒と同じで兄弟姉妹の子猫とは育ってないので、クマちゃんやミケに爪を立てるとよく鉄拳を喰らって躾けられてじゃれあう加減を覚えてああなったわけやね。

相棒の昼飯は、伯母が仕込みをしながら手作りで鶏肉を湯がいたりマグロや白身の魚を少量の米と一緒に鍋で炊いて出してくれる。もちろん味付けは何もしない。

 昼飯が済むと、相棒もがんももミケも座敷で丸くなって寝てしまう。猫というだけあって良く寝るようやわ。

✡✡

小さい子猫の頃から伯母の店に預けていただけのことはあって、相棒は物怖じすることなく店が開店して客が入ってくると、しっかりと愛想を振りまくようになっていた。それに、冬場は寒いからか? 開店時間になってもジッと座敷で丸まって客を気にせず眠っていることもしばしばあった。

そして、仕事を終えたオレが店の戸を開けて帰ると相棒は起き上がって必ずひと鳴きする。「おかえりー! 今日もおつかれにゃん♪」そう言ってくれてるとオレは勝手に思ってるんやけどね。フフフ
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