ブラックエンジェル(黒天使)に恋をして

華 雄璃

文字の大きさ
7 / 8

第六話 確かめたかった

しおりを挟む
来るはずがない、いるはずのない、未来がモニターに映っていた。
オートロックの解除ボタンを押しながら、僕は、
「どうして?」
と、尋ねた。
「えっ、何が?」
その答えで僕は、その女性が未来でないことに気付いた。
どうかしている、全然似ていないじゃないか。
部屋に来たのは、亜美だった。
彼女は、銀座のホステスで、付き合っているのかよくわからない微妙な関係だったが、僕らも、その微妙さが心地よく3年以上続く仲だった。
「誰かと間違えた?」
亜美が聞いてきた。
「いや、、、」
僕は、とぼけて見せた。
亜美は、何も言わずシャワールームへ向かった。

携帯を覗いてみたが、未来からの返信もなくLINEは未読のままだった。
シャワーから出てきた亜美は、いつもより少し元気がないようだった。
「優、シャワーは?」
亜美が静かに言った。

僕が、シャワーから出ると亜美はベットルームにいた。
何も言わず、何も聞かずに、亜美を強く抱きしめてあげた。
彼女を癒してあげようという気持ちはあったが、もう一つ確かめたかった。
昨日、未来を抱きかかえた時の、特別な感触を、、、
他の女性を抱くことで確かめたかった。

亜美は、僕の腕の中でよく眠っていた。
彼女のおかげで僕も眠りにつくことができた。
 
カーテンを閉めずに眠ってしまったせいで、朝の強い陽射しに起こされてしまった。
でも、悪い目覚めではなかった。
寝ている亜美を起こさないようにそっとカーテンを閉めてベットルームを出た。
亜美の朝食を用意してあげて僕は、会社に向かった。
 
まだ未来からの返信はなかった。
僕は少し、この疑似恋愛的片思いを楽しんでいた。
まだ、人生を左右する愛の始まりだとは気付いていなかった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

冷徹公爵の誤解された花嫁

柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。 冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。 一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。

姉の引き立て役の私は

ぴぴみ
恋愛
 アリアには完璧な姉がいる。姉は美人で頭も良くてみんなに好かれてる。 「どうしたら、お姉様のようになれるの?」 「ならなくていいのよ。あなたは、そのままでいいの」  姉は優しい。でもあるとき気づいて─

虐げられた私、ずっと一緒にいた精霊たちの王に愛される〜私が愛し子だなんて知りませんでした〜

ボタニカルseven
恋愛
「今までお世話になりました」 あぁ、これでやっとこの人たちから解放されるんだ。 「セレス様、行きましょう」 「ありがとう、リリ」 私はセレス・バートレイ。四歳の頃に母親がなくなり父がしばらく家を留守にしたかと思えば愛人とその子供を連れてきた。私はそれから今までその愛人と子供に虐げられてきた。心が折れそうになった時だってあったが、いつも隣で見守ってきてくれた精霊たちが支えてくれた。 ある日精霊たちはいった。 「あの方が迎えに来る」 カクヨム/なろう様でも連載させていただいております

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

離婚すると夫に告げる

tartan321
恋愛
タイトル通りです

不倫の味

麻実
恋愛
夫に裏切られた妻。彼女は家族を大事にしていて見失っていたものに気付く・・・。

【完結】逃がすわけがないよね?

春風由実
恋愛
寝室の窓から逃げようとして捕まったシャーロット。 それは二人の結婚式の夜のことだった。 何故新妻であるシャーロットは窓から逃げようとしたのか。 理由を聞いたルーカスは決断する。 「もうあの家、いらないよね?」 ※完結まで作成済み。短いです。 ※ちょこっとホラー?いいえ恋愛話です。 ※カクヨムにも掲載。

処理中です...