転生したらBLゲーの負け犬ライバルでしたが現代社会に疲れ果てた陰キャオタクの俺はこの際男相手でもいいからとにかくチヤホヤされたいっ!

スイセイ

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197【完結】・負け犬ライバルを脱却してステキな恋人も手に入れたハッピー全開の俺ですがそれはそれとしてやっぱりチヤホヤされたいっ!

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 そして。



「なに、チュー君。朝っぱらからアホ面晒して、なんか嬉しいことでもあったの?」
「はん! どうせこいつの嬉しいことなんて、あったとしてもでっかい鼻クソ取れたとかその程度ですぅ!」
「お前らほんと朝っぱらから口わりーな! てか自称王子が鼻クソとか言うなよ!!」



「ああ、チュー太郎。本日の演習は少し趣向を変えて、サフィールとの合同演習だぜ」
「え、合同演習? なにそれ、そんなんあるの?」
「ん、知らなかったのか? ミマは何回もやってるはずなんだがな」
「アッそういう……い、いやでも、むしろそれなら俺も気合入るってもんだぜ! よろしくお願いします!」
「ふむ、いい返事だ。貴方も少しずつ、灯士としての自覚が芽生えてきたようだな」
「ヘヘッ。だってダブル親愛度アップのチャンスじゃん!?」
「……前言撤回。やはりもう少し厳しくいかねばならないようだ」
「アーッ!!」



「おや、チュー太郎。どうかしましたか?」
「スマラクトぉ……回復してぇ……ついでにどうにかして明日の筋肉痛予防してぇ……」
「ああ、これはまた派手にすりむきましたね。ちなみに予防は無理ですよ、筋肉痛は再生の過程ですから」
「ひぃん……」
「わぁ、死ぬの? 死ぬの?」
「死なねーよ! てかなんで医務室ココにいんだよアメティスタ!」
「チューにゃんに会いに来たんだよぉ。あんねぇ、『陶然の果てに至る天国で、小鼠は至上の悪夢を観るだろう』だってぇ」
「エッ、預言……? 天国……? 死ぬの……?」
「いやぁ、僕的にはこの預言、すっごいどぉでもいいことな予感がするけどねぇ」
「……?」



「さあさあ、来週の試合は『魔犬皇帝&耀狼騎士、最後の共闘!?』だ!! 三度の共闘を経てなお相容れない二人の関係に、ついに変化が起こるのか!? ランダムブロマイドつき前売り拳は残り僅か、座席の確保はお早めに……っ、と、チュー太郎」
「トパシオ……まだやってんの、それ。続編商法も甚だしすぎね?」
「ははっ、そう言うなって。需要があるんだからさ。なあ、ランジン!」
「わんっ! ……じゃなくて、チュー太郎さん。お、お恥ずかしいところを……えっと、おれも好きでやってることなので……大丈夫です、はい」
「まあ、お前らがそう言うんならいいけどさぁ」
「でも確かに、新しい風はいつでも必要なんだよな。というわけでチュー太郎、君もそろそろ闘技場に」
「お断りだ!」



「お帰りなさいませ、チュー太郎様」
「ただいまー、ジルコン。あー、腹減ったぁ」
「夕食になさいますか。本日のメニューはエーデルビーフの煮込みハンバーグ、アジのマリネと彩り野菜のサラダ、ガスパチョとなっております」
「やったー! 食う食う、ハンバーグ!」
「無論、お風呂の準備も完了しております」
「ん? 風呂?」
「ええ。すぐに入れるように湯を張ってありますので、お早めにご入浴くださいませ」
「うん、いや、入るけど、なぜにそんな風呂推し?」
「……今夜は可愛がってやる、と言っただろう?」
「アッ……」



 キラキラでイケメンでハイスぺで、でもちょっと、いや結構ダメな人たちが暮らすこの世界で。
 今日も明日もその先もずっと、俺は生きていきます。
 俺の好きな世界やみんなに、ちょっとでも認めてもらうために。大切な人たちを守れるための、大好きな人を支えられる力を手にするために。
 そしてできれば、理想としては、みんなにも俺のことを大事にしてもらう──
 つまりは、チヤホヤしてもらうために!



<転生したらBLゲーの負け犬ライバルでしたが現代社会に疲れ果てた陰キャオタクの俺はこの際男相手でもいいからとにかくチヤホヤされたいっ!・おわり>
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