2 / 115
第一章・病に倒れたおれをいつも隣で励ましてくれた、幼なじみのあいつと。
1-0・カケラ
しおりを挟む
自分でも、そんな悪い人生だったとは思ってないんだ。
そりゃ世の中の平均よりはちょっと、いやだいぶ短かったかもしんねーけどさ。自分の運命を恨むとか、そんなんはぜんぜん。だっていい奴ばっかだったもん、おれの周り。特に友達にはめっちゃ恵まれてた。入院中毎日見舞いに来てくれる奴までいたんだぜ。ありがたい話だよ、ほんと。
心残り? そりゃ……なんもないってわけじゃないけど、でもたいしたもんじゃないし。幸せだったと思う。幸せな人生だったなって、言えるよ、言い切れるよおれは。うん。なんか、改めて言葉にしちゃうと照れるなこれ。
ああ、でも、そーだな。
一個だけ。マジで恥ずいけどさ。ぶっちゃけ、正直、ここだけの話、一個だけほんとのことを言っちゃっていいなら。
死ぬ前に一回でいいから、あいつと──。
そりゃ世の中の平均よりはちょっと、いやだいぶ短かったかもしんねーけどさ。自分の運命を恨むとか、そんなんはぜんぜん。だっていい奴ばっかだったもん、おれの周り。特に友達にはめっちゃ恵まれてた。入院中毎日見舞いに来てくれる奴までいたんだぜ。ありがたい話だよ、ほんと。
心残り? そりゃ……なんもないってわけじゃないけど、でもたいしたもんじゃないし。幸せだったと思う。幸せな人生だったなって、言えるよ、言い切れるよおれは。うん。なんか、改めて言葉にしちゃうと照れるなこれ。
ああ、でも、そーだな。
一個だけ。マジで恥ずいけどさ。ぶっちゃけ、正直、ここだけの話、一個だけほんとのことを言っちゃっていいなら。
死ぬ前に一回でいいから、あいつと──。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
38
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる